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【レース感想】パリ~ニース2020 第1ステージ~第3ステージ

大荒れの序盤3日間

ついに始まりました、パリ~ニース2020!

コロナウィルスの影響でそもそも開催されるかさえ不安の中、まずは何とか無事に開催されて本当に嬉しいです。

出場を辞退するチームもありましたが、同時期にイタリアで開催予定だったレースが中止になった事で、そちらに出場予定だった有力選手が結構出場します。

結果として、かなり豪華なメンバーで行われる事になった今年のパリ~ニース。

驚きの展開の連続だった序盤の3日間を振り返っていきます!

※コースの概要や有力選手など、レースプレビューはこちらの記事をどうぞ!

www.kiwaroadrace.com

 

第1ステージ

小刻みなアップダウンが多いのと、ラスト5km地点に厳しめの登りがあるためにプレビューでは「スプリンターには厳しい予感」と書いた第1ステージ。

とんでもなく荒れた天気のため、すべての選手にとってかなり厳しいレースとなってしまいました(汗。

 

まずはレース開始前から公式twitterが「今日は風が強いぞ!」と警告(?)。

そして気温は8℃、更には雨も降ってくる始末。

とんでもなく過酷な環境でのレースとなりましたが、それに合わせるかのように大荒れな展開の1日に。

 

放送開始直後、残り60km地点で落車が発生!

落車したのは地元フランスの有力選手、ロマン・バルデとワレン・バルギルの2人。

バルデは何とかレースに戻りましたが、バルギルは集団へ復帰を試みる際にチームカーを風除けに使ったとして失格処分に・・・。

個人的にはチーム・アルケア・サムシックのナイロ・キンタナを総合優勝候補として挙げているだけに、重要なアシストであるバルギルの失格は厳しいな・・・。

※ちなみに自分の総合争いの予想

 

更に、その直後から横風による集団の分断が発生!

吹きさらしの田園風景の中、強風が選手たちに襲い掛かります。

集団からはどんどん選手がちぎれていき、あっという間に集団は小さく・・・。

 

そんな状況が続く中、集団から飛び出したのはジュリアン・アラフィリップとティシュ・ベノート。

この2人の強力な走りと激しい風と雨の影響で、集団はなかなか2人に追いつける雰囲気が無いままレースは進みます。

そのままラスト5kmの坂を超え、「え、このまま逃げ勝っちゃう!?」と思ったら、集団からマクシミリアン・シャフマンとディラン・トゥーンスが飛び出して来て、先頭の2人と合流。

合流した勢いそのままにシャフマンがアタックを仕掛けたけどこれは成功せず。

そのまま4人で進み、今度はゴール手前でトゥーンスがスプリントを開始するも、シャフマンがしっかり反応、そのまま先頭に出てフィニッシュ!

シャフマンが最初にアタックした時は「スプリントを嫌がったのかな」なんて思ったけど、スプリントも普通に強かった!

Embed from Getty Images

総合勢では、先頭争いをしたシャフマンとアラフィリップが少しリード。

自分が本命と対抗に挙げたキンタナとセルヒオ・イギータもメイン集団で無難にフィニッシュ。

穴で挙げていたリッチー・ポートは2分以上も遅れてしまいましたね・・・。

まるでワンデーレースかのような過酷なレース展開でした。

 

ちなみに、この日はゲスト解説として新城幸也選手(バーレーンマクラーレン)が放送席に。

横風での走り方や、体制が変わった所属チームの話など、とても面白かったです。

 

第2ステージ

プレビューで「まず間違いなく集団スプリント、横風の場合を除く」と書いた第2ステージ。

見事にフラグになってしまいました(汗。

 

昨日と同じように横風による集団の分断が大量発生して、有力選手も抗えずに先頭集団から続々と脱落していくサバイバルなレースに・・・。

最終的に先頭集団に残っていたのはたったの11人という、昨日に引き続きワンデーレースの如く過酷な展開。

せっかく昨日はいい位置でフィニッシュしていたアラフィリップとキンタナも、それぞれパンクと落車の影響でタイムを落としてしまいました。

 

そんな中、先頭集団に総合1位のシャフマンを含む4人も残したボーラ・ハンスグローエの立ち回り方は本当に上手かった!

特に素晴らしい動きをしていたのが、急遽参戦したペテル・サガン

中間スプリントポイントではシャフマンにボーナスタイムを稼がせる為に前を牽き、集団を分断する為にまた前を牽き、ゴール前ではスプリント争いの為にパスカル・アッカーマンの前を牽きと・・・、正に八面六臂の活躍!

現役最強選手による全力のアシスト、お見事の一言!

 

しかし、そんなサガンのスーパーアシストが勝利という結果に繋がらないのがロードレースの難しくも面白いところ。

何と、少人数でのゴール前スプリントでサガンの完璧なアシストを受けたアッカーマンがまさかの失速!

脇から飛び出したジャコモ・ニッツォーロがステージ勝利を飾るまさかの展開!

ニッツォーロは1月のツアー・ダウンアンダーでも乱戦からのスプリントを制していて、面白い走りの選手だなと思いました。

日本スポンサーのチームであるNTT所属の選手という事もあり、今後も注目していきたいですね!

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ちなみに、レース直前の自分の予想がこちら。

 「ボーラの動きが良い」という着眼点は惜しかった・・・。

 

第3ステージ

プレビューに「多分今日もスプリント、やはり横風は注意だけど」と書いた第3ステージ。

レース直前の予想ツイートがこちら。

 

この日も風が強かったけれど、向かい風基調だったため昨日までのようなカオスな展開にはならず、というかスピードも出しづらく大分落ち着いた展開に。

「何も起こらない」+「スピードが出ていないから時間が長い」の合わせ技で、道中で一番苦労していたのは話すネタが無い放送席かもしれません(笑)。

栗村さんがいつも以上に質問ツイートを拾おうとしていると、昨日・一昨日と実況をしていたサッシャさんからこんなツイートが。

果たしたこれは「長い尺に苦しむ仲間に対する手助け」なのか、ただの「公共電波を使った無茶ぶり」なのか・・・(笑)

更には解説でお馴染みの中野さんからもこんなツイート。

中野さん、正しいハッシュタグは #jspocycleQ なのに"o"が抜けてしまう痛恨のミス(笑)

 

レースはそのまま大きな動きもなく進み、ずっと1人で(!)逃げていたトム・デヴリーントも残り26kmで吸収されて、集団スプリントに向かっていきます。

 しかし、この集団スプリントが今日の波乱ポイント

まずはアッカーマンが激しい位置取り争いの中でポジションを失い脱落。

そしてその直後、残り1kmで落車が発生!

サム・ベネットは激しく壁に衝突しながら落車してしまい、カレブ・ユアンも自転車が引っ掛かりストップ。

アシストからはぐれてしまったエリア・ヴィヴィアーニも全くスプリントには絡めず。

マイケル・マシューズも何故かチームメイトのセース・ボルが先頭でスプリントしていて自身は集団後方。

こんな具合に自分が注目していたスプリンターは全滅する中で、今回もアッカーマンのアシストだったはずのサガンが飛び出す!さすが!

と思ったら、それまでのアシストで消耗していたようでイマイチ伸びず。

その隙に先頭に出たのはイヴァン・ガルシア!

グングン加速して、最後はサガンを引き離してフィニッシュ!

期待のスペイン人若手スプリンターが大金星を挙げました!

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今後のステージの展望

総合争いではシャフマンが首位、次いでイギータ(+26秒)が良い位置につけています。

シャフマンのボーラは編成があんまり総合寄りではないので、イギータが有利かなと思います。

ヴィンチェンツォ・ニバリ(+31秒)も結構いいタイムで、ダブルエースと目されていた相方のリッチー・ポートが大きく遅れたのでアシストに回ってくれるであろう事は朗報。

ここまで全然目立っていないですが、地味にティボー・ピノ(+46秒)も悪くない位置。

トラブルでタイムを失ったアラフィリップ(+1分34秒)とキンタナ(+1分53秒)は、それぞれ得意分野で巻き返せるかに注目ですね。

 

予想外の荒れた展開で早くも総合勢にタイム差が付いていますが、第4ステージのタイムトライアル、第7ステージの山岳と、総合争いの本番はこれからです。

残りのステージもどんなドラマが待っているか楽しんでいきましょう!