トリプルエースとフルームの移籍問題
ツール・ド・フランス5連覇中(2015~2019)のチーム・イネオス、そしてツール・ド・フランス4度制覇(2013・2015~2017)の大エース、クリス・フルーム。
その周辺が5月ごろから騒がしくなってきています。
というのも、「誰がツールのエースとして走るのか」という問題を発端として、チーム設立時から在籍している生え抜きエースであるフルームに移籍の噂が持ち上がっているのです。
前身のチーム・スカイ時代からチームの象徴とも言えるフルームが本当に移籍するのか?
というか、なぜこんな話題が出てきたのか?
結局、ツールは誰がエースで走るのか?
ツール出場8人の人選はどうなるのか?
ニュースの情報などを追いつつ、今年のイネオスのツールの出場メンバーを考えてみたいと思います。
前提として:フルーム、そしてチームの現状
2010年のチーム・スカイ(チーム・イネオスの前身)設立時から在籍し、2013年以降はチームの絶対的エースとして君臨してきたクリス・フルーム。
ツール・ド・フランスは2013・2015・2016・2017の4度総合優勝を果たしていて、史上5人目となる「5勝クラブ」入りに王手をかけています。
5勝目を狙って出場した2018年は落車や自身の不調もあり、ダブルエースとして出場したチームメイトのゲラント・トーマスが総合優勝し、自身は総合3位。
2019年はツール前哨戦のクリテリウム・デュ・ドーフィネの試走中に下り坂で突風にあおられ激しくクラッシュし、大腿骨・肋骨・肘の骨折などの重傷を負ってしまい、もちろんツールは不出場。
チームは前年の覇者トーマスと新世代の大器エガン・ベルナルのダブルエース体制でツールに臨み、ベルナルが総合優勝、トーマスが総合2位というワンツーフィニッシュを飾りました。
2018・2019と2年連続でチーム内に新しいツール覇者が誕生した事により、イネオスはフルーム、トーマス、ベルナルという3人のツール覇者を抱える状態となりました。
これによって生じたのが、「2020年のツールは誰がエースとして走るのか」という問題です。
フルームとしては、もちろん是が非でも「5勝クラブ」入りを果たしたいし、チームも恐らくそれを望んでいる。
長年フルームのアシストを務めていたトーマスも、やっと掴んだ「ツールのエース」という立場にこだわりたい。
最若手のベルナルだって、今後のキャリアを輝かしいものにするには「ツールでの勝利」は欠かせないですし(年齢を考えれば「5勝クラブ」入りも十分可能性アリ)、チームも長くエースとして働いてほしいと考えているでしょう。
2019年までと同じ「ダブルエース」体制で臨むなら、この3人の内誰か1人はエースとして走れない、もしかしたらツールの出場さえ叶わないという、とても繊細で複雑な状況が出来上がっていました。
更に言えば、前年のジロ・デ・イタリア覇者のリチャル・カラパスも移籍してきたため、グランツール(3大ステージレース)覇者が4人もいるという、とんでもない状況です。
コロナウィルスの影響による日程再編前の段階でもこの話題は結構盛り上がっていて、メディアやファンも各々予想をしたりしながら状況を見守っていました。
この段階でのグランツールのエース振り分けの個人的な予想は、
・ジロ・デ・イタリア:トーマス、カラパス
・ツール・ド・フランス:フルーム、ベルナル
・ブエルタ・ア・エスパーニャ:トーマス、(ベルナル)
こんな形で考えていました。
トーマスにはツールを我慢してもらう代わりに、ジロとブエルタでエースをやってもらうという感じですね。
状況次第ではカラパスにはツールかブエルタでのアシスト、ベルナルにはブエルタでもダブルエース(トーマスが嫌がるかな?)という、臨機応変な対応も勝手に想定していました。
そんな状況下で、これまでは冷静沈着で思慮深い発言が印象的だったベルナルが
「ツールでフルームやトーマスのアシストをするつもりはないよ」
と発言したりして周囲をざわつかせたりもしました。
コロナウィルスの影響 による日程変更
しかし、ここから状況は大きく変わります。
コロナウィルスの感染拡大により、2020年の全てのレースの大幅な日程の変更が余儀なくされたのです。
長期間のレース中断期間を経て8/1ごろから本格的にレースを再開させ、11月末ごろまでの期間で一気にレースを消化する、かなり濃密なスケジュールが組まれました。
新しく設定されたグランツールの日程は、
・ツール:8/29~9/20
・ジロ:10/3~10/25
・ブエルタ:10/20~11/8(3日間短縮)
となりました。
各グランツールの間隔があまり開いていないというか、ジロとブエルタに関しては重なっているという、なんとも悩ましい日程ですね。
延期ではなく中止を余儀なくされたレースも多く存在しますし、中断期間中はレース出場によるチームのメディア露出が無かったため、各チームのスポンサーは注目度の高いレースでチームが活躍する事、つまり「ツールで活躍する事」を切望しています。
結果的に、例年以上に各チームが「ツール全振り」な体制で臨む事が現時点では予想されています。
ツールでエースとして走るため、フルームが移籍?
ここで浮上したのが、問題の「フルーム移籍」の噂です。
自分が調べた中で、端を発したのはこの記事です。
Chris Froome in discussions over a mid-season transfer
— Cyclingnews.com (@Cyclingnewsfeed) May 14, 2020
Four-time Tour de France champion weighing up his options away from Team Ineoshttps://t.co/w2WKgpBU17 pic.twitter.com/0CoR9Ua9Q1
「ツール4勝のフルームがシーズン中の移籍を検討中」という衝撃の見出し!
「フルームがエースとしてツールを走るために、ツールの前に他チームに移籍する事を検討している」という、にわかには信じられない衝撃的な内容の記事でした。
このネタに多くのロードレースファンが食いつき、モビスター・チームやイスラエル・スタートアップネーションという具体的なチーム名が出た記事や、ファンによる個人的な予想など、かなりの盛り上がりを見せました。
ただ、個人的にはスポーツでの移籍報道というのは注目を集めるための「飛ばし記事」や「与太記事」が氾濫するものだと思っています(海外サッカーが好きな人はそういう感覚の人が多いでしょう)。
「チーム関係者の話では」や「本人に近しい人物(具体的な名前なし)が語るには」みたいなフワッとした情報源の記事を真に受けていたら、メンタルをやられます(笑)。
「本人(およびそれに準ずる人物)のコメント」か「チーム公式の発表」があるまでは決して信じてはいけません。
結局のところ、今回の件に関してチーム公式からのアナウンスとしては
「フルーム、トーマス、ベルナルのトリプルエース体制」という事ですね。
このアナウンス後も色々と記事が出ていますが、結局のところ
・今シーズン中のフルームの移籍は無し
・ツールはトリプルエース体制で走る
・来シーズン以降の移籍は十分あるかもね
という事に落ち着きそうです。
「銀河系軍団」イネオスの出場メンバー
他のチームが羨むような豪華な戦力を揃えるために「銀河系軍団」などと呼ばれる事もあるチーム・イネオス。
ツールではメンバー外となった選手も、他のチームなら十分選出されるような(下手したらエースが務まる)実力の持ち主ばかりです。
その分厚すぎる選手層のために逆に「誰を外すのか」という部分で相当な悩みがあるはず。
ましてや今回のツールは、チームとして初めてトリプルエース体制で臨む事を明言しているので、「去年と同じ感じ」という訳にもいかないでしょう。
観ている側としては予想がしづらくワクワク・ドキドキな感じですが、せっかくの機会なので素人考えながら勝手に予想してみます。
参考までに、昨年はどうだったのか?
まずは改めて昨年のツール・ド・フランス2019の出場メンバーを確認してみましょう。
- ゲラント・トーマス(1stエース)
- エガン・ベルナル(2ndエース)
- ワウト・プールス(山岳アシスト)
- ミハウ・クフィアトコフスキー(万能型アシスト)
- ジャンニ・モスコン(山岳もこなせる平坦アシスト)
- ジョナタン・カストロビエホ(山岳もこなせる平坦アシスト)
- ディラン・ファンバーレ(山岳もこなせる平坦アシスト)
- ルーク・ロウ(平坦アシスト)
書き起こしてみて気づくのは、専門家が少ない事。
純粋な「山岳アシスト」と「平坦アシスト」はそれぞれプールス(山岳)とロウ(平坦)のみで、クフィアトコフスキー、モスコン、カストロビエホ、ファンバーレの4人は複数の役割を担うことが出来ます(まぁ、ロウも意外と登れますが…)。
これは2018年から、1チーム当たりの出場人数が9人から8人に減った事と、イネオスがダブルエース体制で戦うようになった事により、「エース1人+アシスト8人」から「エース2人+アシスト6人」とアシストが実質2人減ったためだと思われます。
多くの場面で活躍できるアシストを登用する事で、山岳ステージで全く働けないで遅れるような「浮いているアシスト」を作らないようにして、人数が減った分をカバーしようという狙いですね。
もちろんこの方針は継続するというか、トリプルエース体制で更にアシストが1人減る訳ですから、そうせざるを得ないでしょう。
確定しているのは誰?
まず出場が確定しているのは、当たり前ですがエースの3人。
- クリス・フルーム
- ゲラント・トーマス
- エガン・ベルナル
直前で落車などのアクシデントが無い限り、流石に確定。
他にも、今までの実績や貢献度から
- ミハウ・クフィアトコフスキー
- ルーク・ロウ
この2人は「当確」だと考えています。
クフィアトコフスキーは、昨年のツールでは勤続疲労であまり働けませんでしたが、コンディションが万全なら、その万能性と安定感に加え、抜群の勝負勘と献身性も兼ね備えた世界最高クラスのアシストです。
というか、グランツールでのエースも十分務まるレベルの力を持っていると思います。
平坦で抜群の牽引力を見せるロウも、2015年から去年までツールに連続出場している事から分かるように、チームからの信頼がとても厚い選手です。
牽引力だけでなく、横風の中でうまく立ち回るような「レース展開を読む力」に長けている事も重宝される理由でしょう。
平坦の牽引力だけなら、今年からチームに加入したローハン・デニスが世界一(世界選手権個人タイムトライアル2連覇)かもしれませんが、世界選手権3連覇を狙うために日程の被るツールには出場しないと考えるのが妥当だと思います。
残る枠は?
ここまでで
- クリス・フルーム
- ゲラント・トーマス
- エガン・ベルナル
- ミハウ・クフィアトコフスキー
- ルーク・ロウ
とりあえず5人が確定したので、残りは3枠。
平坦専門のアシストはロウだけで十分(というかそれ以上は余剰)なので、必要なのは「山岳専門のアシスト」と「山岳もこなせる平坦アシスト」。
山岳アシストの候補としては
とりあえずこの5人。
昨年のジロ・デ・イタリア総合優勝のリチャル・カラパスは、ディフェンディング・チャンピオンとして今年もジロに出る可能性が濃厚の為、実力は高くても候補に入れませんでした。
シバコフは昨年ツール・ド・ポローニュで総合優勝した期待の若手オールラウンダー。
ジロ・デ・イタリアでも総合9位の結果を残しているので、3週間の長丁場も任せられるのは証明済み。
ただし、逆にブエルタ・ア・エスパーニャでエースを務める可能性もありそうなので、その場合はブエルタへの調整を優先してツールには出ない可能性が高いです。
ゲーガンハートも期待の若手オールラウンダー。
昨年のジロはベルナルの負傷欠場のためにエースとして走るチャンスでしたが、落車によって無念のリタイア。
ブエルタでは果敢にステージを狙うも惜しくも2位と、力がある事は見せつつもイマイチ煮え切らない1年だったので、そろそろ開花する事を期待している選手です。
エナオはコロンビア出身のクライマー。
イネオス(スカイ時代含む)では6度のグランツールに出場した安定感が魅力ですが、ツールには未出場なのはチームからの評価がそこまで高くないという事でしょうか。
若手のソーサもコロンビア出身のクライマー。
昨年のパリ~ニースやグラン・ピエモンテでベルナルをアシストした際の登坂力は素晴らしく、特にグラン・ピエモンテではアシストをしながらそのまま2位フィニッシュしたほどでした。
同年代のベルナルとの相性も含めて個人的には一押しの選手ですが、グランツール出場は昨年のジロのみと、実績が少ない点をどう評価されているかが不明です。
ライバルチームのモビスターから移籍してきたアマドールは、ベテランのオールラウンダー。
2015年のジロでは総合4位になるなど、その実績は他の候補者とは段違いで、アシストとしての経験も豊富です。
今年で34歳になりますが、3年契約を結んだのはチームからの高評価の証でしょう。
比較的安定志向のチームのスタイル的にも、ツール出場の可能性は高そうです。
という事で、実績と安定感を評価して山岳アシストはアマドールを選出します。
続いて、山岳もこなせる平坦アシストの候補としては
- ジャンニ・モスコン
- ジョナタン・カストロビエホ
- ディラン・ファンバーレ
この3人。
実力は相当高いモスコンですが、残念ながら素行に問題あり。
今までも色々と前科がありますが、今年もやらかしてしまいました。
3月のレースで落車に巻き込まれた際に、折り重なった他の選手の自転車を倒れている選手に向かって乱暴に投げつけるという、とんでもない行為で失格処分に。
更には、失格を言い渡された際にゼッケンを破り捨てるという愚行を重ねてしまいました。
昨年のツールで絶不調だった事もあり、メンバー入りの可能性はまずないと考えていいでしょう。
カストロビエホは、スペイン選手権個人タイムトライアルで優勝5回の実績を誇るタイムトライアルスペシャリスト。
登坂力も年々向上していて、もはやオールラウンダーにかなり近いような脚質に思える程です。
昨年のツールではクフィアトコフスキーとモスコンが深刻な不振でしたが、2人の分まで山岳でもガシガシと先頭を牽いていました。
ファンバーレも昨年のツールで山岳でもかなり牽引して、総合優勝に大きく貢献した選手です。
「北のクラシック」ではエースを任されるほどの馬力を持ちながら、昨年はクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの山岳ステージで勝利を挙げるほどの登坂力を見せていました。
カストロビエホと共に、昨年のツール総合優勝の陰の立役者と言っていいでしょう。
昨年の働きなどを考え、ここは順当にカストロビエホとファンバーレの2人を選出します。
出場選手リスト完成!
完成した出場選手リストがこちら!
- クリス・フルーム(エース)
- ゲラント・トーマス(エース)
- エガン・ベルナル(エース)
- ミハウ・クフィアトコフスキー(万能型アシスト)
- ルーク・ロウ(平坦アシスト)
- アンドレイ・アマドール(山岳アシスト)
- ジョナタン・カストロビエホ(山岳もこなせる平坦アシスト)
- ディラン・ファンバーレ(山岳もこなせる平坦アシスト)
う~ん、自分で作っておいてアレですが、直前に「トリプルエース体制なので去年と同じ感じという訳にもいかないでしょう」とか書いておきながら昨年と2人しか変わらない、なんとも面白みに欠ける選出になってしまいましたが…、正直強いとは思います。
え?
イネオスなら誰が選んでも強いロースターが出来上がる?
そう言われてしまうと、強く反論はできませんね…(笑)。
1つ迷ったのは、今年のツール・ド・フランスはかなり山岳が厳しい設定なので、平坦アシストを1人削って山岳アシストを増やすかどうかです。
ゲーガンハートかソーサを入れようとも考えたのですが、カストロビエホとファンバーレが山岳でもかなり働ける点と、終盤にはトリプルエースの中で遅れた選手がアシストに「変身」する点を考慮して、山岳アシストは足りている(ゲーガンハートやソーサはまだまだ未知数)と判断しました。
トリプルエースは機能するのか
1つ大きな焦点になるのは、イネオスにとって初挑戦となるトリプルエース体制が機能するのかどうかだと思います。
トリプルエース運用の難しい部分としてよく挙げられるのが、「エースの優先順位とチームワーク」と「アシストが1人減ってしまう事」です。
昨年と一昨年、モビスター・チームがアレハンドロ・バルベルデ、ナイロ・キンタナ、ミケル・ランダというトリプルエース体制でツールを走りましたが、2年続けて表彰台を逃してしまいました。
色々と問題はあったのですが特に昨年顕著だったのが、「終盤の勝負所で誰を勝たせるためにチームが動くのか」が曖昧だったという点です。
2週目が終了した時点でランダ総合7位(+4分54秒)、バルベルデ総合8位(+5分00秒)、キンタナ総合13位(+8分28秒)という状況でしたが、その後のステージで「誰が総合エースとして走るのか」判然としないような動きをしてしまいます。
「誰を勝たせるためにチームが動くのか」がはっきりしないまま走り続け、最終的にランダ総合6位(+4分23秒)、キンタナ総合8位(+5分30秒)、バルベルデ総合9位(+6分12秒)という、残念な結果に終わってしまいました。
最終週のアルプス山脈3連戦で、チームとしてエースが誰なのかをはっきりさせ、トリプルエースの残りの2人もアシストとして全力を尽くしていれば違った結果になった可能性は高いでしょう。
アンドレイ・アマドールやマルク・ソレルなど、優秀なアシストを揃えていただけに本当に勿体無く感じました。
それに対して、イネオスのチームオーダーは「その時点で強い(タイムのいい)選手を勝たせに行く」と徹底しています。
2018年のフルームも2019年のトーマスも、スタート時点では前年優勝者であり「1stエース」という立場でしたが、もう1人のエース(2018年のトーマス、2019年のベルナル)の方がタイムが良かった事で、終盤はアシストに回っていました。
スタート前の時点で、そのような動きにすることをしっかりとチーム全体に浸透させていたために、アシストに回る事になった「元エース」もわだかまりなく、とてもスムーズにチーム一丸となって「チームの総合優勝」を狙いに行ったのです。
今年のエース3人ともこの「エース交代」を当事者として経験している為、トリプルエース体制となった今回も同様に上手く立ち回ると考えるのが自然でしょう。
※ツール2019で総合優勝を確実にしたベルナルを称えるトーマス
アシストの枚数不足についても、この「エースがアシストに変身」する事によってクリアできると思います。
まず、終盤まで3人とも上位に残り他チームがマークしづらい状況のまま、最終的にはその内の2人がアシストに回り総合優勝を狙うというのが理想的な展開でしょう。
ただし、今年のツールは序盤から厳しい山岳ステージが頻発するため、調子が悪かった場合は早めに総合争いから脱落してしまう可能性も十分あります。
そうなった場合でもダブルエース体制になったと考え、更にそこにはツール総合優勝経験者というとんでもないスーパーアシストがいる訳ですから、全く問題ない訳です。
結論としては、イネオスの強大な戦力と卓越したチームマネージメント力なら、トリプルエースも問題なく運用できる可能性が高いでしょう。
トリプルエース同士による頂上決戦!
今年のツール・ド・フランスでは、チーム・イネオスだけでなくチーム・ユンボ・ヴィスマもトリプルエース体制で臨む事を発表しています。
ツールの絶対王者であるイネオスに立ち向かうために、ユンボは昨年ツールでステージ3勝を挙げたスプリントを捨ててまで、総合に振り切った布陣を整えてきました。
近年大躍進を遂げているユンボが、トム・デュムラン、プリモシュ・ログリッチ、ステフェン・クライスヴァイクという3人の強力なエースと充実したアシスト陣で、イネオスと真っ向勝負を繰り広げるという、かなり興奮する展開になりそうでとても楽しみです。
果たしてユンボがイネオスの王朝を終焉させるのか、それともイネオスが王者の貫禄を見せつけるのか。
そして、フルームは見事に「5勝クラブ」入りなるのか。
ツール・ド・フランス2020、最高の盛り上がりになる事を期待しましょう!