初心者ロードレース観戦日和

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ツール・ド・フランス2020について、素人予想をしてみた

サプライズ?順当?イネオスのメンバー選出

先日、チーム・イネオス(※)のツール・ド・フランス出場メンバーが発表されました。

※今年のツール限定でチーム名を「イネオス・グレナディアーズ」に変更

さて、一体どうなったかな?

自分の予想(イネオスのツール・ド・フランス2020出場メンバーを考えてみる - 初心者ロードレース観戦日和)はどれぐらい当たっていたかな…?

チーム公式のツイートを見てみると…

 

アマドール、お、予想通り。

そして発表はアルファベット順か。

 

ベルナル、エースとしてもちろん入るよね。

 

カラパス、昨ジロ覇者が入ったか…

……え?カラパス!?

ジロのエースじゃないの?

 

カストロビエホ、直近の働きも良かったから当然だよね。

 

クフィアトコフスキー、彼も順当だね。

…ん?FをスルーしてKまで飛んだって事は…、

フルーム、落選か…。

まさかというか、やっぱりというか…。

正直言ってパフォーマンスが戻っていなかったし、残念ではあるけど仕方ないかな…。

 

ロウ、純平坦要因として重要だよね。

 

シヴァコフ、クリテリウム・デュ・ドーフィネで1番登れていたアシストは彼だったよね。

…ん?

フルームOUTでカラパスINだから、シヴァコフを入れるためには誰を外すんだ?

 

ファンバーレ、昨年の働きも素晴らしかったから、今年も期待しよう。

 

……。

……あれ?トーマスは?

……え?フルームとトーマス、2人とも落選!?

まぁ確かに、ツール・ド・ランでもクリテリウム・デュ・ドーフィネでも、2人とも走れていなかったけど、昨ツールで総合2位のトーマスが外れるとは…。

まぁ、「現状しっかり走れるかどうか」で判断した辺りはとてもイネオスらしくて、納得感はあるか…。

 

という事で、改めてイネオスのツール2020出場メンバーはこちら!

(名前の後ろの〇・✖は自分の予想の正誤)

  • アンドレイ・アマドール(〇)
  • エガン・ベルナル(〇)
  • リチャル・カラパス(✖)
  • ジョナタン・カストロビエホ(〇)
  • ミハウ・クフィアトコフスキー(〇)
  • ルーク・ロウ(〇)
  • パヴェル・シヴァコフ(✖)
  • ディラン・ファンバーレ(〇)

8人中6人正解、まぁ悪くはないかな…?

不正解だった2枠については…

この2点が見事にひっくり返る結果に。

レース再開前の段階(予想記事をアップしたのは7/2)で、大ケガ明けのフルームはともかく、トーマスの不振と落選を誰が予想できるのか、という話ですよ…。

 

ちなみに、トーマスはジロ・デ・イタリア、フルームはブエルタ・ア・エスパーニャでそれぞれエースを務める予定との事。

結果的に、調整不足の2人にとっては1ヶ月以上の猶予が与えられた形に。

流石イネオス、上手い事やりますなぁ…。

トーマスは自身初のジロ制覇を目指して、そしてフルームは完全復活を目指して、それぞれ頑張ってくれることを期待しましょう!

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世界中のロードレースファンが注目していたイネオスのメンバー選考は、フルームとトーマスが選出されないという「順当なサプライズ」になった訳ですが、イネオスとしては結果的にツールを戦う上では十分なメンバーが揃ったようにも思います。

最前線で走れない状態の2人の姿なんて見たくなかったですし、イネオスがチームとしても戦えずに熱戦に水を差すような状況も回避できたと思うので、とりあえずはOKです。

そして、全面戦争を宣言してきたチーム・ユンボ・ヴィスマが絶好調のため、イネオスもカラパスを選出するなど、なりふり構っていられないような姿勢に感じます。

そうなってくると、ガチンコの争いとなったツールを制するのは一体誰になるのか。

力のある選手は多くいますが、はたして誰が勝利を掴み取るのか、素人目線ながら勝手に予想していこうと思います。

 

総合優勝予想 ~山だらけのツールを制するのは誰だ!~

もちろん1番気になるのは総合優勝の行方。

イネオスとユンボ・ヴィスマの全面戦争はどうなるのか、それともその間隙を縫って勝利を目指す選手が現れるのか。

もったいぶっても仕方が無いので、結論から書きますよ。

 

本命:エガン・ベルナル(チーム・イネオス)

対抗:プリモシュ・ログリッチ(チーム・ユンボ・ヴィスマ)

穴:ティボー・ピノ(グルパマ・FDJ)

大穴:ナイロ・キンタナ(チーム・アルケア・サムシック)

 

それでは、それぞれ候補として挙げた理由を書いていきます。

 

本命:ベルナルの状況とポテンシャル

正直言って、ベルナルとログリッチどちらを本命とするか、相当迷いました。

もちろん、その上でベルナルを本命とした理由も自分なりにはあります。

まず、トリプルエース体制ではなくなった事がプラスに働くのではないかという事。

絶対的エースとして手厚く守ってもらいながら(カラパスもセカンドエースとして控えますが)、勝負所の山岳では満を持してその圧倒的な登坂力を見せつけるのではないかと思うのです。

 

そして、もう1点。

「ベルナルはまだ能力の天井を我々に見せていないのではないか?」という疑惑です。

昨年のツールの第19ステージ、イズラン峠をトップ通過しダウンヒルに突入しましたが、悪天候の影響でその時点でレースが中止になった事は記憶に新しいと思います。

イズラン峠山頂通過時のタイムが順位に反映されることになり、結果的にベルナルが逆転での総合首位に躍り出ました。

「たられば」を語っても仕方ないとは思いますが…、もし、あのままレースが続行されていたら、一体どうなっていたのか。

個人的には、合流してきたサイモン・イェーツと共に逃げ続け、更に総合争いのタイム差を稼いでいたのではないかと思うのです。

利害の一致する(ステージ勝利を狙いたい)サイモンとは上手く協調できるはずですし、追走集団にはトーマスがいたので上手くペースが上がらないでしょう(もしダウンヒルでジュリアン・アラフィリップが頑張ったとしても、ティーニュ峠で沈むのは目に見えています)。

そして何より、今までベルナルが好調時にアタックした際、自分の知る限りでは「タレた」事は1度もありません。

2018年のツアー・オブ・カリフォルニアや2019年のツール・ド・スイスでは、他を圧倒するとんでもないペースでそのままフィニッシュまで駆け抜けています。

もちろん、距離などのシチュエーションが違いますが、フィニッシュまで40km近くあるイズラン峠でアタックしたという事は、「そこで差を付けて、尚且つそのまま逃げ切れる」と判断しているという事です。

冷静沈着なベルナル、そして分析力や周到な計画性に定評のあるイネオスですから、それをやり遂げる裏付けと自身があったのだと考えています。

2018年のジロでのフルームのの独走での逆転のような、そんな伝説の走りを見せつけてくれた可能性があったのではないかと、そう思えてしまうのです。

 

正直なところ、「こう思ってしまうのは、自分がベルナルのファンだからではないか?」と何度も自問自答もしましたが…(笑)

トリプルエース体制ではなくなったチーム状況は「チームとしてベルナルの圧倒的なパフォーマンスを引き出すために注力できる」と解釈して、ベルナルを本命に推します。

信じてるぞ、ベルナル!

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対抗:絶好調のログリッチ

8月のレース再開以降、圧倒的な力を見せつけて勝ちまくっているログリッチとチーム・ユンボ・ヴィスマ。

いくらイネオスが不調のフルームとトーマスを連れて来ていたとは言え、あそこまで一方的に力を見せつけるとは、さすがに予想していなかった人が多いでしょう。

2019年もジロで総合3位、ブエルタで総合優勝と、グランツールで見事な結果を残しました。

特にブエルタではまさに「横綱相撲」と言えるような圧倒的な勝利で、オールラウンダーとしての完成度の高さは現役随一と言っても過言では無いはずです。

 

明確な弱点などは見当たらず、現状のログリッチを見て本命にしないのはただの「逆張り野郎」になりかねませんし、ここから先は「粗探し」のようになるかもしれませんが…(笑)、いくつか不安要素を挙げてみます。

 

まずは、指摘している人も多いですが、その絶好調すぎるコンディション。

ツールまで2週間以上あるタイミングでの圧倒的な走りは、「ピークを持ってくるのが早すぎやしないか?」という不安があります。

そう、まるで昨年のジロ・デ・イタリアのように、終盤失速してしまうのではないかと…。

ジロの2週間前のツール・ド・ロマンディで圧倒的な走りを披露し、ジロの序盤は間違いなく絶好調でレースを引っ張りましたが、3週目に失速。

それでも3位に踏みとどまったのは流石ですが、最終日の個人タイムトライアルでも10位に終わるほどの不調でした。

偶然ですが、今年のツールも最終盤の第20ステージに個人タイムトライアルがあり、最後の勝負所として注目されています。

コースレイアウト的にログリッチ有利と見られているこのステージですが、昨年のジロの二の舞とならないか、そういった意味でも注目です。

 

もう1点気になっているのが、山岳で厳しい攻撃に晒された場合の対応力です。

昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでは、「タイムトライアルでのリードを除いても総合首位」と、登坂力でも勝負できるオールラウンダーとしての姿を見せてくれました。

ただ、昨年のブエルタは、正直言って「ライバルが不甲斐なかった」という一面があると感じています。

チーム内で協調できないモビスター、アタックの切れがイマイチだったミゲル・アンヘル・ロペス、20歳のポガチャルが単騎で立ち回ったUAEと、ログリッチユンボのチーム力に対抗できる勢力がいなかったという部分は否定できません。

それだけログリッチが強かった(攻撃させる隙を与えなかった)事の裏返しでもありますが、果たして、盤石な状態のイネオスや好調時のピュアクライマー(例えばキンタナとか)の攻撃を受けたらどうなるのかは、まだまだ未知数な部分があります。

まぁ、それらから守るために、昨年のツールで3勝を上げたスプリントを捨ててまで、超強力なアシスト陣を引き連れている訳ですが…。

 

…以上、無理やり(?)マイナスポイントを書いてみましたが、正直、万全なら手が付けられないレベルの強さの可能性があります。

また、もし8月の好調が「好調ではなく地力が底上げされた」状態だとしたら、本当に他のチームはどうしようもないと思います。

ドーフィネでの落車の影響も気になりますが、そこはベルナルも背中の痛みで大事を取ってリタイアしているのでイーブンという事にしましょう。

若き王者ベルナルに文字通り正面から対抗できる力を持った存在として、ログリッチを対抗とします。

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穴:昨年のリベンジを狙うピノ

昨年のツールでは涙でリタイアする姿があまりにも印象的でしたが、総合優勝の可能性も十分感じさせる走りだったピノ

2週目のピレネー山脈では、ベルナルが恐らく不調だったことを差し引いても、最も強かったのは間違いなく彼でした。

チームとしても、昨年に続いてアルノー・デマールによるスプリント勝利は捨てて、ピノの総合優勝1本に絞ってきています。

山岳アシストもダヴィド・ゴデュ、セバスチャン・ライヘンバッハ、リュディ・モラールと、優秀なメンバーを揃えていて、準備は万端です。

イネオスとユンボに風穴を開ける筆頭候補として、穴枠はピノとします。

 

大穴:思い切った移籍をして復活を期すキンタナ

ここ数年は明らかに不振に陥っていたキンタナですが、今シーズンは心機一転、プロ・チームのアルケア・サムシックに移籍して好調な姿を見せています。

その登坂力はやはり抜群で、全盛期のような誰も止められないようなクライミングを見せてくれています。

今年のツールは苦手のタイムトライアルも1ステージのみな上に、その終盤は厳しい登りのレイアウトになっていて、更には全体的に山岳が多めのステージ設定も相まって、またとない大チャンスと言っていいはずです。

プロ・チームながら山岳アシストもワレン・バルギル、ウィナー・アナコナ、ディエゴ・ローザ、弟のダイエル・キンタナと、ワールド・チームに引けを取らないメンバーを揃えてきました。

どれだけ他のチームのマークを受けるか少し不透明ですが、山岳で圧倒的な走りを披露する可能性に期待して、キンタナを大穴枠にします。

 

その他の気になる選手

まずはトレック・セガフレードのリッチー・ポートとバウケ・モレマ

2人とも登坂力に優れ、特に山岳でのアタック力に特徴のある実力者です。

チーム力もありますし、この2人が揃って好調なら相手チームは対応に頭を悩ませる事でしょう。

個人的には「総合エースとしてツールを走るのはこれが最後」と語るポートに期待しています。

 

昨年のブエルタで20歳ながら総合3位に入賞したタデイ・ポガチャルも注目の1人。

当初のチーム方針としては、ツール初出場の若手に過度のプレッシャーは与えない予定でしたが、最新の発表ではファビオ・アルとのダブルエース体制で臨むとの事。

その力は既に世界のトップクラスで戦うだけのものを備えていますし、若手らしい思い切りのいい走りで台風の目になる可能性は充分あるはずです。

チーム全体としても、ダヴィデ・フォルモロ、ダヴィ・デラクルスなど、いい戦力を揃えてきましたので注目です。

 

総合優勝候補として挙げられるかは微妙なラインですが、EFプロサイクリングの陣容の充実ぶりも目を引きます。

2017年ツール総合2位のリゴベルト・ウラン、今年のクリテリウム・デュ・ドーフィネ総合優勝のダニエル・マルティネス、パリ~ニース総合3位のセルヒオ・イギータ、このコロンビア人トリオの活躍は期待できるはずです。

脇を固めるメンバーもティージェイ・ヴァンガーデレンを筆頭にいいメンバーが揃っています。

 

そして、有力な優勝候補を抱えるイネオスとユンボのセカンドエース、トム・デュムランとリチャル・カラパスも注目です。

今年からユンボに加入したデュムランは、その実績からすれば優勝候補として挙げても何ら差し支えないでしょう。

昨年の負傷が癒えるのに時間がかかりましたが、8月のレースでも徐々に調子を上げている印象があり、もしログリッチに不調などの不測の事態があれば即座にエースとして走る事になりそうです。

こちらも今年からイネオスに加入したカラパスも、昨年のジロを制した登坂力は1級品です。

地味に10位以内をキープしつつ、ベルナルが厳しくマークされる中で隙をついて飛び出すといった、昨年のジロのような展開になれば面白いかもしれません。

 

ポイント賞予想 ~いかに厳しいステージを生き残れるか~

今年のツールは、とにかく山岳が多いです。

また、平坦カテゴリーとされるステージも結構なアップダウンが含まれる場合が多く、スプリンターにとっては厳しいステージ設定です。

そんな「スプリンター受難」なツールのポイント賞を獲得するのは一体誰になるのか、こちらも予想してみます。

 

本命:サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ

対抗:ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)

穴:カレブ・ユアン(ロット・スーダル)

大穴:ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ

 

本命:勝てるパターンの多いベネット

実力はありながらも、昨年はチーム事情から少し不遇な扱いを受けていたベネットですが、今年は最強チームであるドゥクーニンクのエーススプリンターとしてツールに出場する事ができます。

純粋なスプリント力だけでも1流の選手ですが、彼の真価はその多彩な勝ちパターンでしょう。

ロングスプリントをさせたら現役随一ですし、登りスプリントも普通に強く、「タダ乗り」からのスプリントも上手にこなします。

そして勿論、ドゥクーニンクの最強スプリントトレインから発射される万全なスプリントは、他のチームにはどうしようもない場合があります。

また、ドゥクーニンクのチーム力は、道中のアップダウンをクリアするのにも活かされるはずです。

他の有力スプリンターが遅れてしまうようなステージでも、彼がフィニッシュ地点のスプリントまで生き残る可能性は充分あるでしょう。

 

勝ち方の多彩さ、スプリントトレインの強力さ、チームのレース全体でのアシスト力から、ベネットを本命に推します。

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対抗:絶対王者サガンの調子は…?

昨年、歴代最多となる7度目のポイント賞を獲得したサガン

最早、マイヨ・ヴェールは彼のための賞と言っても差し支えないぐらいの印象すらあります。

というか、スプリンターなのかパンチャーなのかよく分からないその脚質(自分は彼の脚質を「脚質:サガン」と認識しています)が、ポイント賞獲得のために理に適いすぎています。

そして脚質以上に、勝負所をかぎ分ける嗅覚と、ここぞという勝負所まで力を温存しておくマネージメント能力こそが彼の真骨頂であり、決して他の選手が真似できない部分です。

 

ただ、昨年あたりから「モチベーションの低下」などと囁かれ、昨年はプロデビュー後最低となる4勝しか上げられず、今シーズンも(レースが少なかったとは言え)未だに勝利がありません。

それでも、不振と言われた昨年もポイント賞を獲得しているので、しっかりそこにフォーカスすれば勝ち取る力は随一でしょう。

 

実績とその走りの特徴を考慮して、不振と言えどもサガンを対抗とします。

 

穴:今が旬の”ポケット・ロケット”ユアン

個人的に、今1番勢いのあるスプリンターは、カレブ・ユアンだと思っています。

その低身長を活かした低空スプリントは、決まれば誰にも止められず、昨年のツールでも3勝を上げる大活躍でした。

小柄で身軽なので登りスプリントは結構いい感じなんですが、道中のアップダウンは苦手なイメージがあります。

今年のツールは「ド平坦」なステージが少ないので、アップダウンでいかに消耗せずに本領発揮できるかがカギとなりそうですが、その爆発力に期待して穴はユアンにします。

 

大穴:アラフィリップは今年もフランスを熱狂させるのか 

大穴として、スプリンターではないアラフィリップを挙げてみます。

厳しいステージにスプリンター達が予想以上に苦しんで、あまりポイントを稼げない可能性が多少あると思います。

その場合、アップダウンを乗り越えたパンチャーによる小集団スプリントや、激坂を利用しての抜け出しからの独走が想定できますが、そのどちらもアラフィリップの勝ちパターンと言えるでしょう。

現時点では「昨年のようには走らない(総合は狙わずステージ狙い)」とコメントしていますが、今年も彼がフランスの星として眩く輝くのか注目です。

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その他の気になる選手

今年のツールは山がちでスプリンターには厳しいステージ設定なので、今回はスプリント勝利を狙わないチームがいくつかあり、正直に言って有力なスプリンターが少ないです。

ディラン・フルーネウェーヘン(ユンボ・ヴィスマ)、マイケル・マシューズ(チーム・サンウェブ)、アルノー・デマール(グルパマFDJ)といった世界トップクラスのスプリンターの一部が出場しません。

「登れるスプリンター」の代表格であるマシューズに期待したかったんですが…、残念ですが仕方ないですね。

 

そんな中で他に挙げるなら…、というか、ポイント賞候補と言うよりは、スプリントステージ勝利が期待できる選手を挙げてみます。

 

直近の2年間在籍したドゥクーニンクではエーススプリンターとして勝利を量産したヴィヴィアーニですが、11年ぶりのワールドチーム登録復帰となったコフィディス・ソルシオンクレディが「ツールで勝てる人材」として獲得しました。

フランス籍のチームとしてツールでの勝利は至上命題ですが、肝心のヴィヴィアーニが今シーズンは未だに勝利をあげられていません。

ヴィヴィアーニのスプリント力が衰えたわけではないと思うので、チーム力の差はありますが、なんとか奮起して勝利をもぎ取って欲しいところです。

 

乱戦での走りに定評があるジャコモ・ニッツォーロ(NTTプロサイクリング)は今シーズン好調で、直前のイタリア選手権とヨーロッパ選手権を制するなど、最高の状態でツールを迎えます。

アップダウンの末に各チームがトレインを組めないような展開になったら、スルスルっと抜け出しての勝利を期待できるはずです。

 

地元フランスのブライアン・コカール(B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)は4年振りとなるツール出場、そして初の区間勝利を目指して闘志を燃やしているでしょう。

過去には2位が2回ありますが、4年分の想いを初の勝利に向けて捧げたいところです。

 

山岳賞予想 ~山だらけのツール、どこで稼ぐのか~

まずは本音を言わせて下さい。

こんな事を言ってしまっては身も蓋も無いですが…山岳賞の予想って、正直不可能じゃないですか?

初めから山岳賞狙いの選手もいれば、逃げ勝利を狙った結果としてポイントを稼ぐ場合もありますし、総合優勝争いから脱落した選手が途中から参戦するケースもありますよね…。

それでもとりあえず予想はしてみますが、根拠なんてほとんど無い、あまり意味のない列挙である事はご了承下さい。

 

本命:ロマン・バルデ(AG2Rラモンディアル)

対抗:ニコラ・エデ(コフィディス・ソルシオンクレディ)

穴:イルヌール・ザッカリン(CCC)

大穴:リリアン・カルメジャーヌ(トタルディレクトエネルジー

 

本命のバルデは過去に総合表彰台2回の実力者ですが、今年のツールでは総合は狙わないと明言。

ステージ勝利を狙い続けた結果、好調ならポイントを稼ぎまくる可能性があります。

昨年に続いての山岳賞獲得も十分ありえるでしょう。

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対抗のエデは、恐らく序盤から山岳賞狙いで走るでしょう。

ブエルタでは山岳賞の経験もありますし、山岳ポイントの稼ぎ方をよく知っている選手です。

 

穴として挙げたザッカリンは、最初は総合狙いな気もしますが、チーム力と本人の安定感の問題もあって、早々に「圏外」に脱落しそうな予感がしています(ザッカリンのファンの方には申し訳ないですが…)。

そこからステージ勝利か山岳賞に狙いを切り替え、苦境のチームに朗報を届けたいところです。

 

プロチームとは言え、ツールから手ぶらで帰りたくないであろうトタルのカルメジャーヌを大穴として挙げてみます。

率直に言って、総合上位やスプリントでの勝利があまり期待できない戦力だと思うので、割り切ってカルメジャーヌにガンガン山岳で攻めてもらう…、という案は安直すぎますかね?

 

他には、ステージ勝利狙いを明言しているミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツやエステバン・チャベス辺りも、バルデと同じようにポイントを稼ぐ可能性はありそうです。

また、山がちなステージだらけなので連日逃げたらかなりポイントを稼げると思い、逃げ職人のトーマス・デヘント(ロット・スーダル)なんかも浮かんだのですが、彼はユアンのための仕事も多いので、自由に逃げる日はかなり限られそうですね。

 

新人賞予想 ~そろそろこの賞の規定変えた方が…~

総合優勝にベルナルを予想している以上、もちろんこの賞もベルナルを本命に据えるという、なんとも空虚な作業感…。

最近の若手選手の躍進・活躍具合を考えると、「25歳以下」という受賞対象は適切ではない気がしませんか?

可能性だけで言うなら、ベルナルがあと3回獲得するかもしれない訳で…。

「1度受賞したら資格なし」とか「グランツールの総合表彰台を経験したら資格なし」とか、方法はいくつかある気はします。

 

などと言いつつ、とりあえず予想はこちら。

 

本命:エガン・ベルナル(チーム・イネオス)

対抗:タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ

穴:エンリク・マス(モビスター・チーム)

大穴:ダヴィ・ゴデュ(グルパマFDJ)

 

ベルナルとポガチャルは総合でも書いたので詳細は割愛しますが、実質この2人の争いになる可能性は高いでしょう。

 

穴として挙げたマスは、ブエルタ総合2位の経験があるスペイン期待の星として、しかも移籍によりスペインのチームであるモビスターの選手として出場します。

偉大な大先輩であるアレハンドロ・バルベルデとともに、アグレッシブな走りに期待したいところです。

 

大穴としてゴデュを挙げましたが、彼はピノのアシストという役割があるのであまり順位は上がらないかもしれません。

それでも、若手の中ではかなり力のある選手なので、フランスの次世代のスターとして、遺憾なく実力を発揮してほしいところです。

 

他にもイネオスのパヴェル・シヴァコフはかなり力がありますが、チーム内での序列がベルナルより上となることは流石に考えられない(トラブルの可能性は考えたくない…)です。

あとは、総合でも注目に挙げたマルティネスとイギータも、もちろん上位に入ってくる可能性がありますね。

 

濃密な21日間の開幕!

新型コロナウィルス流行の影響で長らく中断していたロードレースですが、なんとか8月から再開し、そして遂に8/29にツール・ド・フランスが開幕します!

レース数が減少した影響もあり、各チームが例年以上に「ツール全振り」な体制で臨む事となり、特に総合争いでは近年まれにみる激戦になる事が予想(期待?)されています。

また、急速に力を付けてきた若手、イネオスを脅かすユンボの力、そしてフルームとトーマスのツール未出走と、「世代交代」や「新時代」と言った言葉が浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

どんな濃密なレースが繰り広げられるか、そしてどんな結末が待っているのか、自分も楽しみで仕方がありません。

選手達が無事に走る事を祈りつつ、その熱い走りをしっかりと見届けたいと思います!