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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2021 第13ステージ

11回の悔しい思いを超えて

第13ステージは、獲得標高わずか200mという「ド平坦」としか表現できないスプリンターのためのレイアウト。

 

この日の逃げは、ウンベルト・マレンゴ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)、サムエーレ・リーヴィ(エオーロ・コメタ)、シモン・ペロー(アンドローニジョカトリ・シデルメク)という、今大会もはやお馴染みの3人。

特にペローとマレンゴはフーガ賞(逃げ賞)の1位と2位なので、今後もどちらかが逃げればもう一人も逃げに乗りたがるんだろうなぁ…。

プロチームの3人による逃げは、メイン集団から最大8分ほどのタイム差を許されながら、レースは穏やかに進んでいく。

 

先頭集団は、残り130.5km地点の中間スプリントポイントをマレンゴ、リーヴィ、ペローの順番で通過。

そしてメイン集団は、フェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ)、ダヴィデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション)、ファン・モラノ(UAE)、ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)の順番で通過し、それぞれスプリントポイントを獲得。

ガビリアはこの日のスプリントの結果次第で、ポイント賞の首位に立つ可能性も出てきた。

 

その後は特に大きな動きはなく、残り7km辺りで先頭の3人は吸収され、集団はいよいよスプリントへ向かっていく。

逃げを捕まえた直後、集団の主導権を握ろうと前に陣取るのは、意外にもチーム・クベカ・アソス。

これまでのステージではエースのジャコモ・ニッツォーロをしっかりアシストできたとは言い難いけれども、今日はやる気満々だ!

残り5km辺りではイネオス・グレナディアーズが危険回避の為に最前列に出てきたり、その動きに乗じてチームDSMやボーラが前方へ隊列を上げてくるなど、主導権がなかなか定まらない展開になってくる。

残り3kmを切るとアルペシン・フェニックスのドリース・デボントがペースを上げる中、その背後という絶好の位置にUAEのトレインが隊列を組んでいる。

残り2kmで先頭はUAEのトレイン、そしてボーラもポジションを上げてくる!

残り1.5kmで先頭はボーラのトレイン、そして外から上がってきたチーム・ユンボ・ヴィスマのトレインがその後ろに上手く入り込んできて、ボーラのエース、サガンはその後ろ!

残り1kmを切るとコフィディスのトレインも位置を押し上げてきて、最終コーナーを抜ける!

残り600m、ユンボのアシストであるエドアルド・アッフィニがまさかの早駆けを敢行!

え、あれ?

エースのディラン・フルーネウェーヘンは…いない!?

意外や意外、アッフィニはそのまま先行!

後ろは若干お見合い状態になってしまい、その差が広がる!

アッフィニと反対サイドから追いかけるのはガビリア、そしてその後ろに上手く張り付いたのはニッツォーロ!!

ニッツォーロはガビリアを風除けに使って加速すると、コースを斜めに横切り今度はアッフィニの背中に飛び乗る!!

そしてニッツォーロは残り50mでアッフィニの背中から飛び出す!!

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抜群のポジショニングと持ち前のスプリント力で、ニッツォーロが勝利!!

アッフィニの飛び出しに他のチームが若干戸惑う中、冷静にガビリアの背中に張り付き、そして絶妙のタイミングでアッフィニ背中に乗り換え、最後は地力の差を見せつけての完勝!!

これまでジロでステージ2位を11度も経験していたニッツォーロが、ついに栄冠を掴み取った!!

勝利の瞬間、そしてその後のインタビュー中やポディウムでの感慨深げな穏やかな笑顔が、本当に素晴らしい!

おめでとう、ニッツォーロ!