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【レース感想】ツール・ド・フランス2021 第12ステージ

エースを失おうとも

第12ステージは、横風で荒れた展開になる事も予想されている平坦ステージ。

 

レース開始前、ボーラ・ハンスグローエのエースであるペテル・サガンが膝の痛みの為にリタイアという情報が入ってくる。

2年ぶりのマイヨヴェール獲得を目指していたスーパースターがいなくなるのは、仕方ないとはいえ寂しい気持ちも大きいなぁ…。

 

サガンのリタイアという波乱を受けて…という訳ではないだろうけれども、レースはスタート直後から荒れた展開に。

強烈な横風の影響で、集団はいきなり3つに分断!

総合上位の選手やスプリンター勢は前方にしっかり留まっているけれども、緊張感が一気に高まる!

その後、小刻みなアップダウン区間に入ると風が弱まり、13人の逃げが飛び出すのと併せるような形でメイン集団のペースも落ちて、後方集団は再び一つにまとまる。

逃げに危険な選手が入らなかった事、そして前日の厳しいステージの影響もあってか、メイン集団は最大で15分以上というかなりのタイム差を容認。

平坦ステージでありながら「逃げ切り」が濃厚という意外な展開でレースは進行していく事に。

 

残り50km、ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)とコナー・スウィフト(アルケア・サムシック)がアタックを仕掛け、ここにルカ・メズゲッツ(チーム・バイクエクスチェンジ)が追いついて一旦少し抜け出す形に。

しかし、もちろん後続の選手も必死に抵抗して、シュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・NIPPO)の単身での追走、アンドレイ・グライペルイスラエル・スタートアップネーション)の猛牽引を経て、13人はまた1つの集団に戻る事に。

活性化した先頭集団ではそのままアタックが断続的に起こり、残り41km地点でのハリー・スウェニー(ロット・スーダル)のアタックをきっかけに、スウェニー、シュテファン・キュング(グルパマFDJ)、ポリッツ、イマノル・エルビティ(モビスター・チーム)の4人が抜け出す事に成功する。

イマイチ協調しきれない後続に対して、しっかりとローテーションをしている先頭の4人はタイム差をじわじわと広げていき、勝負権は4人に絞られていく。

 

残り14.5km、カテゴリーの付いていない起伏でスウェニーが仕掛けると、キュングが完全に遅れてしまう。

パンチ力のあるスウェニーのアタックにポリッツとエルビティも少し離されてしまうけれども、ここはペース走法ですぐに追いついてみせる。

残り12km、3人の最後尾にいたポリッツがわざと少しだけギャップを作り、そのギャップで加速しながらアタック!!

ポリッツのアタックはキレがあるだけでなく、斜めに飛び出したことでライバルが背中に張り付く事を防ぎ、そのまま差を広げていく!!

力強く踏み込むポリッツとは対照的に、スウェニーとエルビティは力が残っていないのかそれとも牽制か、ペースを上げられない!!

独走力に長けているポリッツはそのまま徐々に差を広げていき、一気に安全圏へ!

残り1.5kmを切ると勝利を確信し、チーム無線に何か声を掛け、そして喜びと驚きを隠し切れないような仕草を見せる!

最後の1km以降は特大の笑顔を浮かべ、勝利への瞬間を楽しみながらフィニッシュ地点へ向かう!!

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ポリッツ、雄叫びを上げながらのグランツール初勝利!!

2019年のパリ~ルーベではフィリップ・ジルベール(当時ドゥクーニンク・クイックステップ)と激闘の末に2位に入り、そしてジルベールから「いずれパリ~ルーベを制するだろう」と評された大器が、遂に挙げたキャリア最大の勝利!!

そして、サガンのリタイアと言うショッキングな出来事があったボーラに、明るいニュースを届けてみせた!

 

いや~、自分が初めてリアルタイムで視聴したレースであるパリ~ニース2019の個人TTステージで2位に入り、更には直後のパリ~ルーベで大活躍をしたので、個人的にかなり応援している選手だったからこれはかなり嬉しい!!

なかなか結果が出ず、イマイチ勝ちきれないような選手になってしまうのではという心配もしていたのだけれども、今日の走りを見てかなり安心というか、これは今後も勝てると確信!!

今まではタフさとそれなり以上の独走力はありつつも、あんなキレとクレーバーさが同居したアタックを繰り出せる選手ではなかったでしょ!

さあポリッツよ、その才能を開花させる時が遂に来たのだ!

チームのフランドル・クラシック班エースであるサガンは、今シーズン限りでの移籍が濃厚と、追い風も吹いている!

今後もその積極性とタフさで、たくさんの勝利を見せてくれ!