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【レース感想】ツール・ド・フランス2021 第14ステージ

激しい逃げ争い!

第14ステージは、「これぞ逃げ向き!」といった感じの丘陵ステージ。

 

レース開始直後から、予想通り激しいアタック合戦が繰り広げられる!

アタック合戦が激しすぎて、スタートから50.5km地点のの3級山岳、更には76.5km地点の中間スプリントポイントを超えても、なかなか逃げが決まらない!

 

出入りの激しい展開の中、まず白熱したのは山岳賞争い!

89km地点の2級山岳で飛び出していったのは、山岳賞ランキングで4位のワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)。

プールスはそのまま2級山岳を先頭で通過し、山岳賞ランキング3位のマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)が追いかけて2番手で通過していく。

この辺りでやっと逃げが纏まり始めるけれども、現在山岳賞ランキングで首位に立つナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック)はメイン集団に留まったまま。

この隙をプールスとウッズはもちろん逃さず、続く2級山岳はウッズ、プールスの順、その次の3級山岳はプールス、ウッズの順で通過していき、これでウッズが山岳賞暫定首位に立った!

 

やっとひと塊になった14人の逃げ集団の中には、総合9位のギヨーム・マルタンコフィディス)の姿が。

総合で9分29秒遅れているマルタンは、逃げとメイン集団のタイム差が4分以上に開いてきたので、このままフィニッシュすれば総合順位が大きく上昇する事に。

それでもUAEチームエミレーツがコントロールするメイン集団のペースは上がらず…というか、UAEは第9ステージと同様に意図的にあまりペースを上げず、マルタンをあえて総合2位辺りに浮上させようとしている…?

 

逃げ切り勝利が実質確定する状況の中、フィニッシュまで40km以上を残したダウンヒルで仕掛けたのはバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)!

下りを果敢に攻めたモレマは後続とのギャップを一気に開いていき、残り30km地点でタイム差は1分以上に!

そのまま最後の2級山岳も順調に登り切り、追走を寄せ付けずにフィニッシュ地点へ!

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一発のアタックでしっかり決め切ったモレマ、見事な独走勝利!

意表を突いたアタックからの独走という得意のパターンを決めたモレマは、2017年に続いてのツール2勝目!

そしてトレックとしても、3年振りとなるツールでの勝利!

 

モレマから約1分遅れて最後の2級山岳を通過した追走集団では、ウッズが先着して山岳ポイントを更に加算する事に成功。

これで山岳賞争いは、1位ウッズ(54pt)、2位キンタナ(50pt)、3位プールス(49pt)と、実力者が僅差でひしめき合うかなり面白い展開に。

 

一方、メイン集団は特に争う事無く、総合上位勢は同タイムでフィニッシュ。

逃げに乗っていたマルタンが総合2位にジャンプアップした以外は動きが無いまま、翌日以降のピレネー山脈での争いに突入していく。

果たして、盤石に見えるポガチャルに隙はあるのか。