ワールドツアー開幕!
待ちに待ったワールドツアーの開幕が迫ってきました!
昨年同様、その開幕レースとなるのはUAEツアー!
4つの平坦ステージ、2つの山岳ステージ、そして個人タイムトライアルステージと、今年もバランスよく揃っているこの大会。
熱戦の主役になるであろう注目選手を紹介していきます!
総合系選手
まずは、総合系選手から。
長い登坂でのフィニッシュとなる2つの山岳ステージと、ド平坦でコーナーの少ないタイムトライアルステージで、どのような争いが繰り広げられるでしょうか。
ツール・ド・フランス2連覇と、現役最強の総合系選手として君臨するポガチャル。
その登坂力とタイムトライアル能力の高さは、改めて言及する必要もないぐらい素晴らしいものです。
ただ、シーズンインの直前に新型コロナウィルスに感染してしまい、今回はコンディション面に若干の不安も…。
チームとしては、地元で開催される唯一のワールドツアーという事で、ジョアン・アルメイダ、ジョージ・ベネット、ラファウ・マイカと豪華アシスト陣を引っ提げて、必勝態勢で臨みます。
昨年も制したこの大会で、王者は今年も幸先よくスタートを切る事が出来るでしょうか。
・アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ)
前回大会で総合2位だったアダム・イェーツは、ポガチャルと同様にこれがシーズン最初のレースになります。
昨年、新たなエース候補としてイネオスに移籍したアダム・イェーツでしたが、肝心のグランツールではブエルタ・ア・エスパーニャで総合4位と、決して悪い結果ではありませんが総合表彰台を逃してしまいました。
それでも、このUAEツアーではポガチャルに唯一食らいついての総合2位、そしてボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャでは総合優勝と、やはりその力が一流なのは間違いありません。
改めてその真価が問われるであろう2年目、チームが待望する英国人エースとしての立場を確立できるか注目です。
・アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)
ボーラへと移籍したウラソフは、2月初頭に行われたボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナで、クイーンステージで独走勝利を挙げての総合優勝と、今シーズン既に結果を残しています。
昨年のジロ・デ・イタリアでも総合4位という結果を残しているロシアの新鋭は、いよいよ本格的に殻を破る瞬間が近づいているかもしれません。
ボーラはここ数年総合系選手(今大会に出場するジャイ・ヒンドレーなど)を積極的に獲得しているので、総合エースの座を巡ってチーム内の競争が激しくなってきています。
ワールドツアーでもしっかりと結果を残してその立場を確固たるものにできるか、要注目です。
・トム・デュムラン(チーム・ユンボ・ヴィスマ)
昨年、約8か月に及ぶ「休養」から戻ってきたデュムランは、復帰直後の東京オリンピック個人タイムトライアルで銀メダル獲得と、改めてその実力の高さを証明してくれました。
そして、再びグランツールでの総合争いを目標に定めたデュムランですが、今シーズンはジロ・デ・イタリアをターゲットに設定しています。
2017年以来のグランツール総合優勝に向かって、再び走り出した現役屈指のTT型オールラウンダー。
果たして、どんな走りを見せてくれるか楽しみです。
その他の総合系注目選手としては、ポガチャルのアシスト兼サブエースであるジョアン・アルメイダ(UAE)、昨年移籍によって復活の兆しを見せてくれたロマン・バルデ(チームDSM)、昨年ブエルタ総合5位と進境著しいジーノ・メーダー(バーレーン・ヴィクトリアス)、新天地でエースとしての働きが求められるダヴィ・デラクルス(アスタナ・カザクスタンチーム)、この辺りが挙げられるでしょうか。
まだシーズン序盤のため、コンディション面のばらつきもあるかもしれませんが、ワールドツアーに相応しい熱戦を期待しましょう!
スプリンター
続いて、スプリンターの紹介に移りましょう。
平坦ステージが4つもあるという事で、総合系以上に豪華なメンバーが揃った今大会は、激戦必至です!
・マーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル)
昨年、誰も想像していなかったような鮮やかな復活を見せ、ツール歴代最多記録の34勝に並んだカヴェンディッシュ。
今シーズンも既にツアー・オブ・オマーンでステージ1勝と、昨年の勢いを失っていません。
ただ、チームには若きエースであるファビオ・ヤコブセンもいて、決して立場は安泰ではないでしょう。
昨年ツールでの復活の立役者ミケル・モルコフと共に出場する今大会、結果が求められます。
・サム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)
一昨年に頂点を掴んだクイックステップを離れ、今シーズンから古巣であるボーラへと復帰したサム・ベネット。
ボーラからクイックステップに移籍する際、結構チームと揉めてボーラを離れた印象だったので、この復帰はかなり意外でした。
スプリンターにとって最高の環境であるクイックステップを離れると、途端に活躍できなくなるという事例が続く中、果たしてベネットはどうでしょうか。
スプリンターとしての個人の力でけでなく、エースをいい状態でフィニッシュ地点まで運ぶチーム力という面でも注目です。
昨シーズン、まさかのワールドツアー未勝利に終わったアッカーマン。
チームが力を入れている今大会、当初はフェルナンド・ガビリアがエーススプリンターとして出場予定でしたが、新型コロナウィルスに感染してしまったため、急遽アッカーマンに白羽の矢が立ちました。
アッカーマンとしては、移籍して迎えたシーズン序盤、早速のアピールチャンスが巡ってきた格好です。
2019年にはジロでポイント賞を獲得したその実力を、しっかりと披露してくれる事を期待しています。
・ディラン・フルーネウェーヘン(チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
サウジ・ツアーでステージ2勝と、今シーズン既に結果を残しているフルーネウェーヘン。
やはりそのスプリント力がトップクラスである事は間違いありません。
新天地バイクエクスチェンジでの連携も上々と、「復活」の準備は整いました。
再びワールドツアーの舞台で輝いてくれると、期待しています。
その他の注目スプリンターとしては、古巣に復帰して復活の1勝を挙げたエリア・ヴィヴィアーニ(イネオス)、復調を目指して万全のメンバーで臨むアルノー・デマール(グルパマFDJ)、昨年ワールドチームを上回るような活躍を続けた「最強プロチーム」のエースジャスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス)、この辺りが挙げられるでしょうか。
あと、チームDSMはケース・ボル、アルベルト・ダイネーゼ、ニキアス・アルントと、実力のあるスプリンターを3人連れてきていますが、一体誰がエースを務めるんですかね?(個人的にはボルに期待しています)
その他注目選手
最後に、総合系とスプリンター以外の注目選手を紹介します。
丘陵ステージが無いので、注目できる選手が若干絞られてしまいますが…。
・フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)
間違いなく現役最強のタイムトライアルスペシャリスト、「トップ・ガンナ」ことガンナ。
その重戦車のような巨躯が生み出す圧倒的なパフォーマンスは、平坦なプロフィールのタイムトライアルでは他の追随を許しません。
昨年の世界選手権以降、現在タイムトライアルで3連勝中です。
昨年はオリンピックのトラック競技に向けて調整した影響もあって8で途切れた連勝記録ですが、今回は一体どこまで伸びるのかとても楽しみです。
・ヨハン・プリース=パイタースン(バーレーン・ヴィクトリアス)
デンマークからやってきた新たな期待の星、プリースパイタースン。
昨年のU23カテゴリーのタイムトライアル王者が、遂にワールドチームの選手としてデビューします。
とりあえず、197cmというガンナ(193cm)以上の長身が目を引く事は間違いありません。
ここ数年、デンマークの選手は活躍がかなり目立っていますが、果たしてプリースパイタースンもその流れに乗る事が出来るでしょうか。
ここ数不振に喘いでいたユンゲルスですが、その原因が「外腸骨動脈の繊維化」という脚への血流が阻害される病気だと判明し、昨年手術を受けました。
ツール、そして東京オリンピックへの出場直前というタイミングにも関わらず、ユンゲルスは手術を受ける事を即決したようです。
そして9月にレースに戻った際には、無事に症状は消えていたとの事。
ステージレーサーとしてもワンデーレーサーとしても高いポテンシャルを誇るユンゲルス、完全復活を期待しましょう!
盛り上がっていきましょう!!
やはり、ワールドツアーだと出場する選手の豪華さが違いますね!
なんだか、書いていたらテンションが上がってきましたよ~!
出場する選手は豪華、ステージ設定も良い、そして視聴に優しい時間帯での中継と、楽しむための条件は揃っています。
ワールドツアー初戦、みんなで盛り上がっていきましょう!!