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【レース感想】ロンド・ファン・フラーンデレン2022

混沌のフィニッシュスプリント!

モニュメントの1つ、「クラシックの王」ことロンド・ファン・フラーンデレン

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優勝候補の大本命と言えるワウト・ファンアールト(チーム・ユンボ・ヴィスマ)が直前で新型コロナウィルスに感染してしまって欠場するのは残念だけれども、それでも以下のような有力選手がビッグタイトルを目指してしのぎを削り合う!

  • ケガから復活して早くも好調をアピール、「怪物」マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)
  • 今シーズン北のクラシックで結果を残せていないチームを救えるか、前年覇者カスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴィニル)
  • 現役最強の総合系ライダーは石畳でも輝くのか、ツール・ド・フランス2連覇中のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ
  • ファンアールトの代わりに意地を見せたいクリストフ・ラポルト(チーム・ユンボ・ヴィスマ)
  • 今シーズンも安定した成績を残している元世界王者マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード

結構タイプの違う選手が揃う中、自分の予想はこんな感じ。

ファンアールトが不在という事で、レースを作ろうと積極的に動くのはファンデルプールと予想しつつ、ファンデルプールはまだケガ明けで万全ではない気がしてピーダスンを選択してみる。

 

レース2日前に降雪があって心配された路面状態は問題がない様子が伺える中、レースはスタート!

この日の逃げはタコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)やマヌエレ・ボアーロ(アスタナ・カザクスタン・チーム)を含んだ9人。

メイン集団は優勝候補を抱えるチーム、アルペシン、UAEユンボ、そしてクイックステップ辺りが牽引して、逃げとのタイム差が4分台以上には広がらないようにコントロール

クイックステップは牽引役のデクレルクが体調不良から復帰した事で、レースの主導権を握る事が出来るか。

 

レースが動き始めたのは、残り103km辺りから始まる「モーレンベルグ」。

ネイサン・ファンホーイドンク(ユンボ)のメイン集団からの飛び出しをきっかけに、10人強の集団が形成される。

この中にはピーダスンやアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーション・イージーポスト)といった有力選手が含まれ、そしてトレック、クイックステップユンボ、ボーラ・ハンスグローエは2人の選手を送り込む事に成功。

ここに選手を乗せられなかったUAEトタルエネルジー辺りがメイン集団の牽引をさせられる展開に。

そんな中、メイン集団では残り82km辺りで落車が発生、なんとラポルトが巻き込まれている…。

ラポルトはなんとかメイン集団へ復帰したけれども、結構脚を使ってしまったように見える。

 

第2集団がメイン集団から20~30秒ほどのリードを保つ状況が続く中、レースを動かしにきたのは…ポガチャル!

残り55km地点の「オウデ・クワレモント(2回目)」でポガチャルがペースを上げると、あっと言う間に第2集団、そして先頭集団まで飲み込んでしまう!!

この動きに付いていけたのは…逃げ残りの選手も含めて10人程、石畳区間を抜けてからの舗装路で更に20人弱がなんとか合流。

直後の「パテルベルグ(1回目)」を抜けて、飛び出したのはフレッド・ライトバーレーン・ヴィクトリアス)とディラン・ファンバーレ(イネオス)の2人。

追いかける集団には、ポガチャル、ファンデルプール、アスグリーン、ピーダスン、ラポルト、シュテファン・キュング(グルパマFDJ)辺りのメインキャストがしっかりと生き残っている。

 

残り45kmに登場する「コッペンベルグ」、最大勾配22%というコース中随一の難易度を誇るこの石畳の激坂で仕掛けたのは…またしてもポガチャル!

この動きに付いていけたのは…ファンデルプールとヴァランタン・マデュアス(グルパマ)のみ!!

そしてアスグリーンは痛恨のメカトラで完全に脱落…。

クラシックの絶対的王者クイックステップ、今年の春は受難続きだ…。

その後、残り37kmの「ターイエンベルグ」でポガチャル、ファンデルプール、マデュアスは先頭の2人に合流。

後方に残された集団は上手く協調できていないのか30秒以上も離されてしまっている。

 

残り17km、最終盤の重要な勝負所「オウデ・クワレモント(3回目)」で仕掛けるのは…またポガチャルだ…!!

ポガチャルに付いていけたのはファンデルプールのみ!!

ポガチャルとファンデルプールという、最強の2人によるマッチアップだ!!

全長2.2kmと長い石畳の坂を前で踏み切ったポガチャルに対して、ファンデルプールはなんとか付いていけているような苦しそうな様子を見せている。

そして残り13km、最後の石畳の登り「パテルベルグ(2回目)」。

流石にポガチャルにも少し疲労の色が見えてペースを上げきれず、この短い激坂でファンデルプールを引き離す事は出来ない!

先頭の2人を追いかけるファンバーレとマデュアスは30秒後方、残す距離は10km強。

これは…ファンデルプールとポガチャルによるスプリント勝負になりそうだ。

 

単純に考えれば、スプリント勝負なら明らかにファンデルプールに分がある…はず。

ただ、オウデ・クワレモント辺りから、ファンデルプールは疲労が色濃く見える。

更に言えば、昨年も「圧倒的有利」と思われていたアスグリーンとのスプリント勝負では、力を使い果たしていて最後まで踏めずに敗れてしまったという過去があるけれども…。

対するポガチャルは、総合系の選手としては破格のスプリント力を備えている。

ただ、ここまでずっとレースを動かし続けていて、果たしてどれだけ力が残っているのか正直言いてよく分からないところはある。

 

そんなどっちが有利か判断が難しい2人は、順調にフィニッシュまでの距離を縮めていく。

残り1km、後方とのタイム差は20秒。

牽制でペースを落とす余裕は充分にある。

フラムルージュを通過してから、ポガチャルはあからさまに前に出ようとしない。

先行するファンデルプールも、対抗してほぼ踏まないような動きでかなりのスローペースな展開を作る。

…気が付けば後ろの2人がかなり近づいているぞ。

残り300m、それでもファンデルプールはペースを上げない。

え、そろそろスプリント開始しないとヤバくない?

残り250m、後ろのファンバーレとマデュアスがスプリントを仕掛ける!

それをしっかり確認してからファンデルプールもスプリントを開始!

ファンバーレとマデュアスが両サイドからポガチャルの横に並ぶ!!

…ん!!

この形だと囲まれたポガチャルは前に出られないぞ!?

先頭のファンデルプールは勢いを失わずに踏み続ける!!

残り100mを切ってから伸びるのは…先頭のファンデルプールだ!!

そのままフィニッシュまで…突き抜ける!!

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激戦を制したファンデルプール、2度目のロンド・ファン・フラーンデレン制覇!!

ポガチャルの攻撃をしっかりと耐えきり、最後のスプリントでは違いを見せつけた!!

ケガ明けの不安なんか、もうどこにもない!!

次の目標は4/17、昨年悔しい思いをしたパリ~ルーベ。

新たな栄冠に向けて、視界良好だ!

 

そしてポガチャルは…ファンバーレとマデュアスに抜かれてしまい、なんと4位で表彰台を逃す事に…。

ただ、この日もとんでもない強さを見せて、展開を作っていたのは間違いない。

更に言えば、ロンド・ファン・フラーンデレン初挑戦、プロ入り後の石畳系クラッシク2戦目でこの内容と結果は、逆に驚愕すぎるぐらいではある。

来年以降、普通に勝っても何らおかしくはない。

 

驚きの展開で表彰台を掴み取ったファンバーレ(2位)とマデュアス(3位)は、最後まであきらめずに追いかけた事がこの結果に!

イネオスでグランツールのアシストとして働きながら石畳系クラシックで結果を残すファンバーレは、本当に驚きの万能性だ。

そしてマデュアスは、これがここまでのキャリアで最高のリザルトと言っていいはず。

E3サクソバンク・クラシックやドワーズ・ドール・フラーンデレンでも上位に入っているので、これは今後に期待できそうだ。

 

結果だけ見ると、ファンデルプールの優勝は驚きでも何でもない。

ただ、内容は色々と驚きだった。

とにかくその圧倒的な強さで積極的に動き、常にレースを作り続けたポガチャルの走り。

その巨大な才能の前には、「総合系」や「クラシックライダー」なんていうカテゴライズは無意味なのかもしれない。

そして、最後の最後に待ち受けていた驚きの展開。

もしかして、ファンデルプールは後ろの2人が追いつく事を狙ったのか…?

いずれにしても、強さだけでなく「スプリントの経験の差」が大きく結果に影響したように思う。

そういう意味では、クラシックライダーが意地を見せたとも言えるし、まだ伸びしろがあるポガチャルが恐ろしすぎるとも言えるのかな…?

 

「北のクラシック」、残すは4/17のパリ~ルーベ。

こちらも激戦を期待したい!

それでは、また!!

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