2年振りのワールドツアー勝利!!
中盤に2級山岳が設定されつつ、集団スプリントが予想される平坦ステージ。
2級山岳での動き、ふるい落としや飛び出しはあるのか…?
この日の逃げは5人、またしてもドローンホッパー・アンドローニジョカトリのマッティア・バイスとフィリッポ・タリアーニが入っている。
ただ、平坦ステージという事で当然ながら逃げ切りはまず不可能、更にこの日は、予想よりも早い段階で捕まる事に…。
2級山岳突入の段階で、逃げとメイン集団のタイム差は3分30秒ほど。
ここで動きを見せたのは、前日にエーススプリンターのヤクブ・マレツコがリタイアし、おそらくマチュー・ファンデルプールで勝負するであろうアルペシン・フェニックス。
ドリース・デボンドがペースを上げるて集団を引っ張ると、カレブ・ユアン(ロット・スーダル)、マーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル)、アルノー・デマール(グルパマFDJ)というこの日の優勝候補が脱落…!
アルペシン、相変わらずセカンド・ディヴィジョンのプロチームとは思えない動きだ…。
そして2級山岳を越えての下りでは、ビニヤム・ギルマイを擁するアンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオが牽引に協力。
ユアンとカヴェンディッシュが致命的な遅れとなっだけでなく、下り切った直後というまだフィニッシュまで70km近くも距離を残した段階で逃げ集団が吸収される、なかなか珍しい展開に。
登りで遅れた有力スプリンター勢で、唯一集団への復帰に成功したのがデマール。
ジャコポ・グアルニエーリという最終発射台は失ったけれども、他のアシスト陣は残せている状態という、考え得るほぼ最良の状況での復帰と言っていいはず。
そしてグルパマのアシスト陣はそのまま集団の牽引に協力して、後方に取り残されたライバルを突き放しに掛かる。
結果として、新たな逃げが発生しないようなハイペースでメイン集団は進んでいき、ユアンとカヴェンディッシュは集団への復帰を諦める事に。
海岸沿いから市街地へと入っていく残り5kmは、直角や鋭角なコーナーが登場するかなりテクニカルなレイアウト。
危険回避の総合系チームも混じる中、なかなか主導権を握るチームがはっきりしないような混沌とした状態でフィニッシュまでの距離が縮まっていく。
残り3km、アルペシンの隊列がフェンス際から前方へと位置を上げて来る。
トレインの最後尾にはマリア・チクラミーノを着たファンデルプール、ついにファンデルプールが集団スプリントに臨む事になりそうだ!
ただ、やはりこの日の難しい展開の中でアルペシンも主導権を維持できない。
残り1.3kmの直角コーナー、そして残り800mの狭い鋭角コーナーによって、どのチームもしっかりとしたトレインを組めないような状態で、最終ストレートに突入していく。
残り500m、先頭へ飛び出してきたのはグルパマの2人、ラモン・シンケルダムがデマールを連れてスピードを上げる!
残り200m、横からリック・ツァベル(イスラエル・プレミアテック)やダヴィデ・バッレリーニ(クイックステップ)が上がってくる中、最高の形でアシストを受けていたデマールが発射!!
ツァベルの動きを利用したフェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ)が追いかけるけれども、デマールは最後まで失速せずに踏み続ける!!
デマール、2020年のジロ以来実に2年ぶりとなるワールドツアー勝利!!
チームメイトの見事な働きに応えて、やっと長いトンネルから抜け出した!!
2020年のジロではステージ4勝にポイント賞獲得と爆発したので、今大会も期待できるかも…?
そしてもちろん特筆するべきは、アシスト陣の奮闘だ。
2級山岳での遅れから集団へ復帰するだけではなく、最終局面でも素晴らしいリードアウトを披露と、完璧な働きだった。
グアルニエーリ、シンケルダム、イグナタス・コノヴァロヴァス、トビアス・ルドヴィクソン、マイルズ・スコットソンと、手厚いメンバーを揃えてきたのが見事に功を奏した格好に。
復活勝利で波に乗るデマールと最高のアシスト陣、残りのステージでも大いに期待できそうだ。