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【レース感想】ツール・ド・フランス2022 第4ステージ

翼を授かった黄色いジャージ

大きな起伏は登場しないけれども、4級山岳が6つ、そしてその他にもカテゴリーのついていないアップダウンが断続的に登場する、平坦と丘陵どちらと表現するか迷うようなステージ(一応、公式には平坦扱い)。

 

アクチュアルスタート直後、この日もまた山岳賞ジャージを着るマグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタック!

コルトに追随したのはアントニー・ペレス(コフィディス)のみで、メイン集団はこの2人の逃げをあっさりと容認。

コルトとペレスはしっかりと協調体制を築き、山岳ポイントはコルト、中間スプリントポイントはペレスが獲得する流れで、スムーズに逃げ続ける。

結果としてコルトはこの日6つの山岳のうち、5つで先頭通過に成功して、この先のステージで山岳賞を守り抜くための準備を着実に進めていく。

 

残り45km、先頭のペレスがアタック。

コルトはもう山岳ポイントを十分に獲得したと判断したのか、全く反応しない…と言うか、直前に2人が少し話し込む様子もあったので、この流れにすると「協定」を組んでいたかも?

単独先頭になったペレスとメイン集団とのタイム差はこの時点で1分20秒ほど。

流石に逃げ切りは厳しそうだけれども、ステージ敢闘賞に向けての一人旅だ。

 

残り12km地点から始まるこの日最後の4級山岳(距離900m・平均勾配7.5%)、未だ逃げ続けるペレスが先頭で突入するけれども、もうメイン集団との差は10秒を切っている。

メイン集団を猛烈な勢いで牽くのはネイサン・ファンホーイドンク(チーム・ユンボ・ヴィスマ)、そのまま一気にペレスを飲み込んでいく。

ペレスを吸収すると、牽引はティシュ・ベノート(ユンボ)に交代。

…ん!?

その背中に付いていけているのは、チームメイトのワウト・ファンアールト、ヨナス・ヴィンゲゴー、クリストフ・ラポルト、プリモシュ・ログリッチの他には、イネオス・グレナディアーズのアダム・イェーツ、ゲラント・トーマス、ダニエル・マルティネスだけ…!?

そして、ベノートの牽引で更に絞り込みが掛かり、ベノートが仕事を終えるとマイヨジョーヌを着るファンアールトが先頭に、続くのはアダム・イェーツとヴィンゲゴーのみという、とんでもない状況だ!

そしてここからファンアールトが更に加速!!

山頂の手前、ファンアールトが2人を千切り独走を開始!!

10秒ほどの差を付けて、ファンアールトは残り10kmの道のりを逃げ切ろうと全力で踏み続ける!!

 

後続集団は、総合勢はなんとかほぼひと塊になって追走しているけれども、ユンボ勢が重しとなってペースが上がらない。

そして、スプリンター勢はほぼ壊滅状態に…。

下り基調、そして追い風も味方して、ファンアールトは順調に残り距離を減らしていく!

残り2kmで追走集団との差は20秒、これはもう追いつかない!!

ここから少しづつタイム差は縮まり始めるけれども、そのペースはあまりにも緩やか。

最終コーナーを抜けて、残り100mを切ると勝利を確信!!

翼を広げるようなパフォーマンスを見せてから、渾身のガッツポーズ!!

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マイヨジョーヌによる衝撃の独走劇!!

ファンアールト、「4度目の正直」となる圧巻のステージ勝利!!

いやいやいや、強すぎ!!

ここまで3連続ステージ2位、そしてこの日は全員を千切っての独走…!

確かに、我々は昨年のツールでもファンアールトの「異常さ」を見せつけられている。

とは言え、意味が分からない。

本当に意味が分からない。

スプリントポイントも170ptまで積み上がり、2位のファビオ・ヤコブセンクイックステップ・アルファヴィニル)との差は早くも61ptにまで広がっている。

一体、どこまで突き進むのか。

ファンアールトの果てしなき才能、本当に楽しみだ。