開幕からえぐいって…!
その初日は、終盤に若干の登りが登場する19.6kmの個人タイムトライアル。
早くも総合争いの火蓋が切られる…!!
もうね、流れとかぶった切って、結論から書こう。
レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)、強すぎ!!
総合勢のライバルに差を付けるだけでなく、世界選手権を2度制したフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)に22秒差を付けての、ぶっちぎりでのステージ勝利!!
いやいや、化け物か。
改めて、その小柄な体のどこにそんなパワーを宿しているのか、不思議で仕方がない。
そして、トップ10の選手のタイム差は以下の通り。
- 1位:エヴェネプール
- 2位:ガンナ(+22秒)
- 3位:ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、+29秒)
- 4位:テイオ・ゲイガンハート(イネオス、+40秒)
- 5位:シュテファン・キュング(グルパマFDJ、+43秒)
- 6位:プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、+43秒)
- 7位:ジェイ・ヴァイン(UAE、+46秒)
- 8位:ブランドン・マクナルティ(UAE、+48秒)
- 9位:ゲラント・トーマス(イネオス、+55秒)
- 10位:アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ、+55秒)
トップ10のうち、いわゆるタイムトライアルスペシャリストはガンナとキュングの2人だけで、残りの8人は総合争いに関わってくるオールラウンダーという結果に。
つまり、終盤の登りが結構な影響を与えて登れる選手が有利になりつつ、その登りをこなしてトップ10に入ったガンナとキュングの強さも目立つ…という捉え方でいいのかな。
ステージ優勝候補と目されていたログリッチはそこまで悪くないながらも6位と絶好調ではなかった感があって、ログリッチと比べるとタイムトライアル能力で劣勢と思われていたアルメイダとゲイガンハートがそれぞれ3位・4位に入ったのはなかなか面白いところ。
あと注目すべきは、チーム力で優位に立っていると予想されていたイネオスとUAEがしっかり3人ずつトップ10に入れてきた点。
これで、この2チームはいわゆる複数エース体制を敷いて、その手数での攻撃と言う選択肢を残せたのは、今後の展開に結構影響があるかもしれない。
ちなみに、トップ10に入らなかった主だった総合系の選手は、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、+1分28秒)、リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・イージーポスト、+1分35秒)、ジャック・ヘイグ(バーレーン、+1分36秒)、ヒュー・カーシー(EF、+1分56秒)…って、バーレーンとEFが総崩れなのか…。
一応、まだ致命的と言えるタイム差ではないかもしれないけれども、この後も2つタイムトライアルステージがあることを考えると、もしかしたらタイム差以上に苦しい状況の可能性も…。
まあ、まだジロは始まったばかり。
今大会の厳しい山岳設定は、30秒や1分なんて差はあっという間に溶かすだけのポテンシャルがあるから、勝負はこれからだ。
3週間の戦いでどんなドラマが繰り広げられるのか、楽しみにしていよう。