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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2023 第2ステージ

イタリア期待の新星!

今大会最初のラインステージは、4級山岳が2つ登場するのみの平坦基調なレイアウト。

当然予想されるのは集団スプリント。

ステージ勝利、そしてマリア・チクラミーノを獲得するのはどのスプリンターになるか。

 

この日の逃げは、ポール・ラペラ(AG2Rシトロエン)、トマ・シャンピオン(コフィディス)、アレッサンドロ・ヴェッレ(アルケア・サムシック)、マッティア・バイス(エオーロ・コメタ)、ステファノ・ガンディン(チーム・コラテック)の5人。

メイン集団は総合首位のレムコ・エヴェネプールを擁するスーダル・クイックステップのコントロールで、ワールドチームとプロチームの選手が混ざり合った先頭集団を2分ほどの差で追いかける展開に。

 

2つある4級山岳はどちらもラペラが先頭で通過して、山岳賞トップに躍り出る事に成功。

ラペラはこの日の「仕事」を終えるとそのままペースを落とし、メイン集団に合流。

他の選手も残り38km辺りで全員がメイン集団に吸収されて、いよいよ残すは集団スプリントだ。

 

スーダルやユンボ・ヴィスマが総合エースを守るために集団先頭を維持、そしてスプリント勝利を狙うチームが隊列を組んで位置を上げようと試みる中、残り4kmで落車が発生してしまう。

残り4kmだと同タイム扱いとなる「救済措置」の範囲外、そして割と集団前方での落車…、これはまずい、総合勢にも影響が出るぞ…。

そして総合勢だけでなく、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタンチーム)やマッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)などの有力スプリンターも何人か巻き込まれ、この日は勝負に絡む事ができなくなってしまった。

 

50人程に人数を減らしたメイン集団で良い形を作っているのはアルペシン・ドゥクーニンク。

残り1kmを切って残すはほぼ直線のみ、先頭からステファノ・オルダーニ、ラモン・シンケルダム、そしてエースのカーデン・グローブスと並ぶ、理想的な展開だ!

そのままアルペシンが主導権を握り続け、残り200mでシンケルダムのリードアウトからグローブスが発射!

そのタイミングに合わせるようにフェルナンド・ガビリア(モビスター・チーム)やパスカル・アッカーマンが単騎で加速、しかし伸びはイマイチだ。

残り100m、グローブスの背中に隠れていたジョナサン・ミランバーレーン・ヴィクトリアス)がもの凄い勢いで伸びてくる!!

グローブスを捉えたと思ったらあっと言う間に抜き去り、そしてその他のライバルも振り切る!!

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地元イタリアの新星ミラングランツール初出場で鮮やかなステージ勝利!!

実績のあるライバルを一気に差し切る、素晴らしい伸びだった!!

そして、ミランをアルペシントレインの後ろへ連れて行ったアンドレア・パスクアロンや、その前の段階でミランをしっかり前方へ引き上げた新城幸也など、チーム力が光っての勝利だったのも素晴らしい所。

と言うか改めて、残り10kmという高速域でしっかり仕事ができる新城が凄すぎる…!

 

そして、やはり落車の影響でタイムを失った総合勢が…。

主な総合勢の喪失タイムは大体こんな感じ。

  • 12秒:ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ
  • 19秒:テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ)、ジェイ・ヴァイン(UAE)、ジャック・ヘイグ(バーレーン)、ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト)、リゴベルト・ウラン(EF)、ティボー・ピノ(グルパマFDJ)

逆に無傷だったのは、エヴェネプール、プリモシュ・ログリッチユンボ)、ジョアン・アルメイダ(UAE)、ゲラント・トーマス(イネオス)、アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン)ぐらいか。

そこまで大きな差ではないけれども、総合首位のエヴェネプールが無事だっただけに、多くの選手にとっては展開がより苦しくなってしまった格好だ。

これもレースの一部ではあるけれども…、今後はあまり水を差すようなトラブルが無いと嬉しいなぁ。