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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2023 第5ステージ

雨と落車

コース中盤までは多少起伏がありつつ、コース後半はかなりフラットに近くて集団スプリントが予想されるレイアウト。

 

連日の雨模様の下、逃げを仕掛けたのは山岳賞ジャージを着るティボー・ピノ(グルパマFDJ)を含む4人。

ピノは山岳ポイントを稼ぐと早々にメイン集団へ戻る事を選択、そして雨の影響で滑るコーナーで落車したトマ・シャンピオン(コフィディス)もメイン集団に吸収されたりしつつ、メイン集団は淡々とペーシングを行う。

そんな中、メイン集団では思わぬアクシデントが発生。

なんと、道路に飛び出してきた犬の影響で、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が落車…。

幸い大事には至らずすぐに再スタートをしたけれども、総合優勝候補筆頭とも言われるエヴェネプール、果たして今後の走りに影響は…?

 

ステージ勝利を狙うスプリントチームがメイン集団を牽引して、最後まで逃げ残っていたサムエーレ・ゾッカラート(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)もあと少しで吸収…と言うタイミングで、メイン集団でまたしても落車が発生。

残り7kmと言う位置で、総合優勝候補のプリモシュ・ログリッチユンボ・ヴィスマ)、現在総合首位のアンドレアス・レックネスン(チームDSM)などの総合勢、そしてカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)やフェルナンド・ガビリア(モビスター・チーム)のようなこの日のステージ勝利を狙うスプリンターも巻き込まれてしまっているぞ…。

あまり激しい落車では無かった事もあり、ログリッチ、レックネスン、そしてグローブスはなんとかメイン集団に合流したけれども、残念ながらガビリアはここで脱落。

さあ、仕切り直して今度こそ集団スプリントへ…と思ったら、何と残り3kmを切った直後にまたしても落車が発生…!?

エヴェネプールやアレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)が巻き込まれてしまったけれども、ギリギリ残り3kmの救済措置圏内だったので、一応タイム差は付かない格好に。

ただ、この日2度目の落車となったエヴェネプール、繰り返しになるけれども今後のステージへの影響は大丈夫か…。

 

落車で人数が30人強にまで減った集団は、DSMの牽引で残り1kmを通過。

残り200m、DSMの動きを上手く利用したグローブスがスプリントを開始!

…え、グローブスさっき落車したばっかりでしょ!?

先行するグローブスを追うのはジョナサン・ミランバーレーン・ヴィクトリアス)とマッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)。

大きな体を躍動させるミラン、対照的にグローブスの背後で静かにタイミングを待つピーダスン、しかしどちらも伸びてこない…!

フィニッシュ直前、その後方ではまたしても落車が発生、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタンチーム)がもの凄い勢いで滑るような落車…。

しかしその動きは幸いにもステージ勝利争いには影響を及ぼさず…グローブスが最後までスピードを保ち続ける!!

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混沌のスプリントを制したのはグローブス!!

残り7kmでの落車を乗り越え、驚きの勝利!!

強力なアシストを集団復帰に使ってしまい、最終局面は単騎での戦いだったけれども、上手く絶好の位置に潜り込み、そしてライバルを圧倒する最後のスプリント!

いや~驚いた、これはなかなか凄い!

今後のステージでも期待できそうだ!

 

最後の最後に落車したカヴェンディッシュも大きなダメージは無く、この日は落車が頻発したにも関わらずリタイアする選手が出なかったのは、不幸中の幸いか。

ただ、やはり落車は嫌だね…。

残りのステージ、出来るだけ落車が発生しない事を祈るしかない…。