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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2023 第6ステージ

手に汗握る、ギリギリの追いかけっこ

中盤に2級山岳と3級山岳が登場する、ナポリ発着のステージ。

終盤の平坦区間が長いから集団スプリントの可能性をまず考えつつも、山岳の設定が絶妙に逃げ切りもあり得そうな…。

 

前日までと打って変わって好天に恵まれたこの日、逃げを選択したのは5人。

メイン集団は逃げ集団に最大で5分半ほどのタイム差を許容しつつ、2級山岳ではイネオス・グレナディアーズがペースアップを敢行。

これは…可能な限り他のチームに、特にアシストの陣容に少し不安のあるスーダル・クイックステップへの攻撃か。

ただ、流石に2級山岳でレムコ・エヴェネプールを守るスーダルのアシストが全壊するような事態にはならず、この日の総合争いは想定通り実質休戦だ。

 

先頭集団で動きがあったのは、この日最後のカテゴリー山岳となる3級山岳。

アレッサンドロ・デマルキ(チーム・ジェイコ・アルウラー)の加速にサイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック)が追随して、2人で抜け出す格好に。

メイン集団は、スプリントでの勝利を狙うトレック・セガフレードバーレーン・ヴィクトリアス、そして総合リーダーのアンドレアス・レックネスンを擁するチームDSMが牽引。

3級山岳通過後に2分半ほどだったタイム差の減少は、残り30kmで2分20秒、残り20kmで1分40秒と思ったよりも緩やかに推移。

残り15km、メイン集団ではプリモシュ・ログリッチユンボ・ヴィスマ)がパンクに見舞われてしまうけれども無事に集団復帰、先頭とのタイム差は1分20秒を切るぐらい。

残り11km、今度はゲラント・トーマス(イネオス)がチェーントラブルで足止めを食らうもやはり問題なく集団に復帰、そして先頭とのタイム差は…1分ちょうど。

…先頭集団を捕まえられるか、微妙に怪しくないか?

残り8km、52秒差。

残り7km、51秒差…え、減っていない?

残り6km、46秒差。

メイン集団はバーレーンのリードアウト役を担う筈のアンドレア・パスクアロンが牽くような状態。

残り5km、39秒差。

残り4km、37秒差…うわ、全然縮まっていない。

そしてメイン集団の牽引は、モビスター・チームのウィリアム・バルタ。

バルタの牽引力ならここから縮まるか…?

と思ったら、イネオスやボーラ・ハンスグローエといった総合系のチームが危険回避のために前に出てきて…。

残り3kmで32秒差と、タイム差は若干縮小傾向、それでも追いつくかは結構微妙なラインだけれども…?

残り2km、24秒差。

ペース的にはギリギリ逃げ切れる感じ、ただ先頭の2人の表情を見ると、限界も近い…!

残り1km、タイム差は13秒…!

かなり際どい…!!

ただここで、先頭の2人は若干の牽制状態…と言うか、2人とも全力で踏み続ける力が残っていない感もある。

残り600m、クラークが最後の力を振り絞って加速、デマルキは何とか背中に付いていくのが精一杯という状態。

そうなると、流石にクラークもフィニッシュまで1人で踏み続ける力は残っていない、残り400mで踏みを緩める…!

残り300m、遂に先頭の2人は飲み込まれ、そしてその瞬間にフェルナンド・ガビリア(モビスター)がロングスプリントを敢行!!

ガビリアの背中に飛び乗ったのはマッズ・ピーダスン(トレック)、そしてポイント賞ジャージを着るジョナサン・ミランバーレーン)と続く!

残り100mを切って、ピーダスンがガビリアの背中から飛び出す!

ガビリアが粘る、そしてミランも猛追、しかしピーダスンが強い…!!

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ギリギリの展開からのスプリントを制したのはピーダスン!!

ピーダスンはこれで、全グランツールでのステージ勝利を達成!!

ガビリアの仕掛けも見事だったけれども、ピーダスンの上手さと強さが1枚上手だった!

ピーダスンはこれでポイント賞ランキングで83ptの3位に浮上し、110ptのミランに迫ってきた。

昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでポイント賞を獲得したピーダスン、いよいよ牙をむいてきたか。

 

そして、メイン集団の最後方ではデマルキとクラークが健闘を称え合いながらフィニッシュ。

3級山岳での他のメンバーの切り離し、そこからフィニッシュ手前までの協調した走りは完璧だっただけに、逃げ切って欲しい気持ちも強かったけれども…。

それでも、熱い展開を生んだ素晴らしい走りは、間違いなく称賛に価するものだった!

また別のステージでも頑張って欲しいところだ!