混沌とした展開のスプリントを制したのは…
第4ステージは、まず間違いなく集団スプリントになるであろう、189kmの平坦ステージ。
カテゴリー山岳もスタート直後の4級が1つのみで逃げるメリットが少ないこのステージ、逃げを選択したのはフランシスコ・ムニョス(ポルティ・ヴィジットマルタ)ただ1人。
ムニョスは最大で5分以上のタイム差を許されたけれども、リドル・トレック、アルペシン・ドゥクーニンク、チーム・ヴィスマ・リースアバイクという有力スプリンターを擁するチームの集団牽引によって難なく捕まり、やはり最後は集団スプリントの展開に。
レース終盤、レッチェの市街地を駆け抜けるテクニカルで難易度の高い…と言うか、なんなら危険ですらあるコースレイアウトの影響で、どのチームもかなり隊列が乱れてしまい、一体どこが主導権を握っているのか分からないような状態で、残り3kmを通過。
スプリントに参加しないと思われていたイネオス・グレナディアーズの選手たちが未だに先頭付近に陣取る一方(総合エースのエガン・ベルナルが先頭に出る瞬間も…!?)、この日の優勝候補であるマッズ・ピーダスン(リドル)やオラフ・コーイ(ヴィスマ)が20番手付近と言う、なかなかカオスな展開に。
残り2.5km、前方に選手を集められているのはアルペシン、カーデン・グローブスにとっては願ってもないような展開か。
しかし後方から、ヴィスマはコーイを連れたエドァルド・アッフィニが、そしてピーダスンは単騎ながらスルスルっと位置を上げてきている。
残り1km手前の緩いシケインを抜けて先頭に出たのはアッフィニとコーイ、しかしその直後にチーム・ピクニック・ポストNLの2人…ブラム・ウェルテンとカスペル・ファンウーデンが被せるように先頭を奪取!
最終コーナーを抜けて残り250m、ファンウーデンが少し早めにスプリントを開始!!
コーナー手前までは絶好の位置にいたはずのコーイは若干埋もれてしまい、出足が遅れる…!
マイケル・ゼイラート(チューダー・プロサイクリング・チーム)とピーダスンがファンウーデンを追いかけるけれども、なかなかその差は縮まらない!
残り50m、コーイが物凄い伸びを見せて猛追、しかし時すでに遅し…!!
混戦を制したのはファンウーデン!!
ワールドツアー未勝利だった23歳、ジロのスプリントステージを制する大金星!!
スプリントの仕掛けが早すぎたようにも見えたけれども、レース後のインタビューで「全力で得意のロングスプリントを披露した」と答えているから、狙い通りということか…!
これまで、カテゴリーの下がるレースではかなりいい結果を残していたので、ジロと言う大舞台での勝利をきっかけに、更なる飛躍を見せてくれるかもしれない。