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【レース感想】ツール・ド・フランス2025 1週目振り返り

「ひとこと振り返り」みたいな感じ

2020年のブログ開設当時、「ツールの感想記事だけは書き続けた方がいいんだろうな」なんて考えていたけれども…。

そして昨年、「いや~、流石に体力とスケジュール的にしんどくなってきた…」なんて思っていたけれども…。

改めて、全21ステージの感想記事をあの熱量と文章量で書くのは…ちょっと今回は無理だと判断。

という事で、さらっと各ステージの「ひとこと振り返り」みたいなものでも書こうかなと。

マジで「さらっと」なので、まあ軽~く読んでもらえれば。

 

・第1ステージ

開幕は、184.9kmの平坦ステージ。

大集団スプリント…かと思いきや、事前情報にもあった通り、横風分断が発生。

ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)に対抗できる有力スプリンターがほぼ後方に取り残され、そしてアルペシンはトレイン要員をしっかり前方に残す完璧すぎる態勢。

マチュー・ファンデルプールからカーデン・グローブスへと繋ぐ、豪華アシスト陣による万全のお膳立てを受けたフィリプセンが悠々と勝利!

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平坦スプリントでのトップスピードだと、ビニアム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)やソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックス・モビリティ)では歯が立たない、やはり別格な存在のフィリプセン。

「勝負になり得る」のは…ジョナタン・ミラン(リドル・トレック)とティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)の2人だけか。

 

ちなみに、総合勢でもプリモシュ・ログリッチレッドブル・ボーラハンスグローエ)やレムコ・エヴェネプール(スーダル)など、かなりの選手がタイムを喪失。

2強…タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)とヨナス・ヴィンゲゴー(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)はしっかり先頭集団でフィニッシュしたので、早くも明暗が分かれる結果に。

 

第2ステージ

終盤に連続した細かい起伏が登場する、アルデンヌクラシック風なレイアウト。

最終局面を前にして集団が厳しく絞られ、ケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ)やヴィンゲゴーが積極的な仕掛けを見せる中、残り200mで強烈なアタックをかましたのはファンデルプール。

ポガチャルが追い縋るけれども、ファンデルプールはそのままフィニッシュまで突き抜ける!!

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いや~ファンデルプール、相変わらずのとんでもないアタック、かっこよすぎるでしょ…!!

そしてアルペシンはステージ2連勝、マイヨ・ジョーヌをフィリプセンとマチューで着回す形に。

 

・第3ステージ

集団スプリントが予想される平坦なレイアウトに、向かい風という条件が重なり、逃げが発生しない「静かな」展開に。

しかし、中間スプリントポイントでフィリプセンが落車、鎖骨骨折によりリタイアとなってしまう…。

まだ「3強スプリンター」による激熱なスプリントを観られていないのに…これは残念過ぎる。

そして最終盤でも落車が複数起こる荒れた展開の中、良い形でアシストを受けて発射されたミランと、単身ながらミランの後方から加速を見せるメルリールの一騎打ちに!!

ハンドルを投げ合う僅差の勝負を制したのは…メルリール!!

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4年ぶりのツールステージ勝利を飾ったメルリール、目立ったのはその上手さ。

アシストがほぼいない中、スルスルっと上がってきてミランの背中を捉えると、抜群のタイミングでスプリントを開始。

そして最後のハンドル投げも、ミランがタイミングをやや逸して「伸びきれなかった」のと対照的に、抜群のタイミングで目一杯前方に投げて、その差が勝敗を分けることに。

いや~、流石の経験値だ。

 

・第4ステージ

第2ステージに似た感じの、細かい起伏の連続が脚を削るレイアウト。

やはり終盤までに集団はかなり絞り込まれ、20人ほどの精鋭のみが残る状況に。

ヴィスマのマッテオ・ジョーゲンソン、UAEジョアン・アルメイダと、2強チームの「セカンドエース兼トップアシスト」が素晴らしい走りでエースを導く中、フィニッシュに向けてスプリントを仕掛けたのはマイヨ・ジョーヌを着るファンデルプール。

しかし一昨日と違い、今回はポガチャルがファンデルプールを抜き去り、力強いガッツポーズを見せてのフィニッシュ!!

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ポガチャルはこれでプロ通算100勝目、ツールのステージは18勝目…!!

まだ26歳、改めてとんでもない数字すぎる…。

そして、一昨日に続いて目についたのは、ヴィンゲゴーのフィニッシュスプリント。

以前はスプリントは苦手なのが見て取れて、追い縋ることすらできない(無理に追いかけない?)様子が目立っていたけれども、今大会はポガチャルにしっかり食らいついている。

この変化は、はたして最終結果にどのような影響が出てくるか。

 

・第5ステージ

今大会最初の「総合争いにおける重要ステージ」となる、33kmの個人タイムトライアル。

下馬評通り、安定したペーシングと美しいフォームで勝利を飾ったのは、世界最強のタイムトライアラーであるエヴェネプール。

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この写真からも伝わる、空気抵抗を極限まで晴らした、まさに理想的なフォームよ…!!

そして、ポガチャルが16秒遅れのステージ2位と好走を見せる一方、珍しく不調だったのはヴィンゲゴー。

なんと、1分21秒遅れのステージ13位…!?

エースとして出場するグランツールでは、初のバッドデイでは…?

バッドデイが難関山岳ステージでは無くてまだ良かった、と言えるかもしれないけれど…、驚いたな、これは。

 

・第6ステージ

3級山岳が5つと4級山岳が1つ登場する、まさに逃げ切り向けなレイアウト。

逃げ切り勝利を目指して飛び出したのは8人、ファンデルプール、サイモン・イェーツ(ヴィスマ)、ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、クイン・シモンズ(リドル)、エディ・ダンバー(チーム・ジェイコ・アルウラー)、ウィリアム・バルタ(モビスター・チーム)、アロルド・テハダ(XDSアスタナ)、マイケル・ストーラー(チューダー・プロサイクリング・チーム)と、超豪華なメンバー。

動きがあったのは残り42.5km、ヒーリーが得意のアーリーアタックをお見舞い!

そのままタイム差を順調に広げていって、鮮やかな独走での勝利!!

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ヒーリー、本当にこういうステージでの逃げ切りが上手だよね~!

今や、現役随一の逃げ屋だ。

 

・第7ステージ

これまた逃げ切りの可能性がありそうな、ブルターニュ地方の丘陵地帯を駆け抜けるレイアウト。

しかしこの日は、メイン集団がタイトなタイムコントロールを遂行して、最後の登坂に入らずして逃げを吸収。

かなり人数を減らしたメイン集団による登りスプリント勝負は…当然、ポガチャルの独壇場。

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タイム差なしでフィニッシュできたのは、ヴィンゲゴーだけ。

いや~、この形になったら文字通り敵なしだ。

 

・第8ステージ

カテゴリー山岳は4級が1つだけと、かなり平坦な集団スプリント向けのレイアウト。

トタルエネルジーの2人逃げを難なく捕まえたメイン集団は、ミランを連れたリドルのアシストによる牽引で残り1kmを通過。

ここにチューダーのトレインが被せると、ミランはチューダーのアシストに「タダ乗り」することを選択。

ミランは更にそこから、グルパマFDJ→アルペシンと他チームのトレインをスムーズに乗り継ぎ、最後はグローブスの背中からスプリントを開始!

ほぼ同時に加速したはずのグローブスを置き去りにして、ワウト・ファンアールト(ヴィスマ)による猛追も振り切る!!

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持ち前のトップスピードだけでなく上手さも見せつけたミラン、嬉しいツール初勝利!

これまでのミランの勝利の中で、一番「上手い」勝ち方では?

この日のような走りを安定して披露できるなら、(もうすでにトップレベルの強さだけれども)本当に強いぞ。

 

・第9ステージ

前日に続いて起伏が極端に少ない、集団スプリント向きなレイアウト。

この日逃げたのは、ファンデルプールとヨナス・リッカールトというアルペシンの2人。

平坦ステージでスプリントチームのアシストによる2人逃げ…しかもその内の1人がファンデルプールというのは、なかなかのサプライス。

しかも、ファンデルプールがかなり粘る。

しかしそれでも、メイン集団は残り700mでファンデルプールを吸収。

各チームが綺麗なトレインを組めない状態での混沌としたスプリント、真っ先に飛び出したのはミラン、追いかけるのはメルリール!

最後は…メルリールが差し切る!!

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この2人は、やはり飛び抜けているね~。

そこに唯一追い縋ったアルノー・デリー(ロット)も、今後のステージでは期待したいところ。

 

・第10ステージ

この日が革命記念日のため例年より1日長い1週目の締めくくりは、8つのカテゴリー山岳(そのうち7つが2級!)が登場する、今大会最初の山岳ステージ。

サイモン・イェーツ、ヒーリー、シモンズ、ストーラー、ティメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ)、ベン・オコーナー(チーム・ジェイコ・アルウラー)という、強力な先頭集団による逃げ切りを、メイン集団は容認。

タイム差的にマイヨ・ジョーヌ着用の可能性があるヒーリーがガンガン牽く中、最後の山岳で勝負を仕掛けてきたのはサイモン・イェーツ。

アタック一発で抜け出しに成功すると、そのまま独走勝利!!

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ヴィンゲゴーのアシストとして出場しているサイモン・イェーツ、好機を見事にものにして6年ぶりのツールステージ勝利!

そして3位フィニッシュとなったヒーリーは、総合首位に浮上してマイヨ・ジョーヌ獲得に成功。

積極的に牽いていただけに、報われてなによりだ。

 

10ステージまでを終えて…

予想通りではありつつ…それでも予想以上と言っていいほど、はっきりと勢力図が示された1週目だったように思う。

 

総合争いは、ポガチャルとヴィンゲゴー2人による争い。

もしかしたら、エヴェネプールがなんとか絡めるかどうか…というぐらい、エースの実力もアシストの力も、他との差は歴然としている。

ポガチャルは、腹心ともいえるアルメイダを落車により失ったのが響くかどうかが気になるところ。

 

スプリントに関しても、メルリールとミランが別格の存在。

フィリプセンがリタイアしなければ3強だっただろうけれども…アンラッキーな落車はどうしようもない。

真正面から勝てる可能性があるのは…ファンアールトとデリーぐらい、登りが絡めばギルマイもか。

 

いよいよ本格的な山岳ステージが登場してくる2週目、どうなるのか楽しみにしていよう。