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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2024 第16ステージ

名峰ステルヴィオには…登らず

第16ステージは、今大会の最高到達地点となる超級山岳パッソ・デッロ・ステルヴィオを通過する予定だったんだけれども…、雪崩の危険性があるということで、回避すると前日に発表されていた。

そして更に、新たに用意された標高2,489mのジョーゴ・ディ・サンタ・マリアを通過するコースも、悪天候のためにプロ選手組合が短縮を要望。

この結果、もともとの予定の前半部分をバッサリ取り除いた、118.7kmというショートステージでの開催に。

80kmほどの平坦区間を抜けてから、1級山岳と2級山岳を登ってフィニッシュするレイアウトは…総合争いよりは逃げ切り向きかも?

 

激しいアタック合戦の末に形成された先頭集団は、ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)、ダヴィデ・バッレリーニ(アスタナ・カザクスタンチーム)、アンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)、ミルコ・マエストリ(ポルティ・コメタ)の4人。

メイン集団を牽引するのは…ん??

モビスター・チーム…??

ナイロ・キンタナでのステージ勝利狙い…には若干向かないレイアウト、総合9位エイネル・ルビオのジャンプアップを狙っているのか。

モビスターはかなり注意深く逃げとのタイム差をコントロールして、最大でも2分ほどのリードしか与えない。

残り36km、1級山岳に突入する際にはわずか1分のタイム差と、逃げ切りはかなり厳しい展開に持ち込んできた。

 

1級山岳入ると、先頭集団からはアラフィリップが単独で抜け出す格好に。

アラフィリップはそのまま単独先頭で山頂を通過するけれども、15秒ほど後方にはクリスティアンスカローニ(アスタナ)、ジュリオ・ペリツァーリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)、エウェン・コステュー(アルケアB&Bホテルズ)という3人の追走集団、更にはメイン集団も40秒差と迫ってきている。

残り5.3km、2級山岳の登坂でアラフィリップと追走集団の3人が合流。

メイン集団はもう20秒ほど後方、先頭の4人は何とか逃げようと試みる中、まずはアラフィリップがペースについていけなくなり脱落する。

残り2km、コステューの加速にスカローニとペリツァーリが離された…と思いきや、ペリツァーリはペース走でコステューに追いつく粘りを披露。

残り1.5km、今度はペリツァーリがアタックして、コステューを完全に突き放す!

そしてその直後、メイン集団からは総合リーダーのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)がこの日もアタック!

静かなアタックでスッと抜け出したポガチャルは、すぐさまコステューを抜き去り、ペリツァーリとの距離も縮めていき…残り800mで追いつく!

そのまま淡々と、シッティングのまま抜き去っていく…!!

「いつものように」独走でフィニッシュ地点にやってきたポガチャル!!

勝利数を指折り数え、誇らしげに見せつけるパフォーマンスでのフィニッシュ!!

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またしても余裕の独走!!

3週目に入っても勢いは衰えず、今大会5勝目!!

第15ステージのような衝撃的な走りではなかったけれども、まあそれはコース短縮の影響もあるか…。

どうにも止めようがないよね、本当に。

 

ステージ2位にはペリツァーリ、そして総合3位のダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)がステージ3位になったんだけれども、総合2位のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)は…ダニエル・マルティネスから33秒遅れて、ステージ15位でのフィニッシュに。

これで、またしても総合2位と3位は入れ替わり、ダニエル・マルティネスが総合7分18秒遅れ、トーマスが総合7分40秒遅れと、その差は22秒。

総合2位争いは、どうなるのかまだまだ分からなそうだ。