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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2024 第17ステージ

登坂力に、勇気を込めて

第17ステージは、超級・1級・3級・2級・1級とカテゴリー山岳が登場する、これまたかなり高難度な山岳ステージ。

ちなみに、最初に登る標高2,244mの超級山岳パッソ・セッラは、本来は2級山岳扱いだったけれども、前日の第16ステージが短縮されて本来の超級山岳を通過しなかったことにより、急遽超級山岳扱いに変更。

一応、数字の上では山岳賞逆転の可能性は残っているから、スタート直後から動きが見られるかも…?

 

逃げ切りもあり得るレイアウトなので、スタート直後のアタック合戦は激しくなり、その結果としてなかなか逃げが決まり切らない展開に。

そんな中、超級山岳の先頭通過を争ったのはジュリオ・ペリツァーリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)とナイロ・キンタナ(モビスター・チーム)。

ハンドルを投げ合うほどの接戦を制したのは、前日もステージ2位と好調だったペリツァーリ

ペリツァーリは続く1級山岳も1位で通過して、山岳賞争いで2位に浮上してきた。

超級山岳を越えてから形成された10人の逃げ集団には、ペリツァーリ、キンタナの他に、ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)やアマヌエル・ゲブレイグザビエル(リドル・トレック)などの姿が。

そのまましばらく逃がしてもらえそうな展開にも見えたけれども、メイン集団はチームDSMフェルミニッヒ・ポストNLの牽引でペースを上げてくる。

3級山岳の登坂に入ると、一旦逃げは捕まってしまったけれども、山頂付近でゲブレイグザビエルが再度飛び出しを敢行。

この動きにゲオルグ・シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト)が反応して、2人で先行する格好に。

 

先頭の2人は、メイン集団から40秒弱のリードで2級山岳パッソ・ブロコンに突入。

このままだと逃げ切りは厳しいようにも思えたけれども、雨の影響もあってかメイン集団はあまりペースを上げず、タイム差は登坂区間で徐々に拡大していく。

そして残り34.3km、2級山岳の頂上まで2.5kmの位置から、シュタインハウザーが加速して独走を開始!

これは…メイン集団のペースが「緩い」ままなら、もしかして逃げ切れるのか…?

しっかりとペースを刻み続けるシュタインハウザーは、ゲブレイグザビエルに30秒、メイン集団に1分40秒ほどのタイム差を付けて2級山岳の山頂を通過。

シュタインハウザーはダウンヒルも順調にクリアして、1級山岳…先ほどとは違うルートで登るパッソ・ブロコンの入り口に到着。

メイン集団がダウンヒルを「安全に」下ったことで、タイム差は2分30秒に拡大している!

これは…可能性が出てきたぞ!

 

1級山岳パッソ・ブロコンの登坂で、メイン集団のペースを作るのはイネオス・グレナディアーズ

ただやはり、「先頭のシュタインハウザーを捕まえてやろう」という意思は見えず、残り9kmでタイム差は3分を越えてくる。

残り2.8km、メイン集団から千切れる姿が映し出されたのは…総合4位のベン・オコーナー(デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル)。

順位を守るためにはタイム差を最小限にとどめたいところ、なんとか粘れるか。

その直後、アタックを見せたのは総合2位のダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)。

ただ、総合首位のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)、総合3位のゲラント・トーマス(イネオス)、総合5位のアントニオ・ティベーリ(バーレーン・ヴィクトリアス)といったライバルを引き剝がすことはできない。

そして残り2.1km、この日もこの選手が…マリア・ローザを着用するポガチャルが加速!

集団の選手は誰もついていけない…!!

ポガチャル、またしても単独走りでフィニッシュを目指す!!

それでも、先頭のシュタインハウザーは2分ほど先行している。

残り2kmで2分は…さすがのポガチャルでも届かなそうだ。

 

シュタインハウザーは、ポガチャルから1分30秒以上のリードを保って、残り1kmのアーチを通過。

これはもう間違いない!

残り500mを切ると、シュタインハウザーも勝利を確信して、笑顔でフィニッシュに向かっていく!!

最後は両腕を突き上げながらフィニッシュ!!

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シュタインハウザー、鮮烈なグランツールデビュー!!

積極的な走りで、見事に逃げ切り勝利!!

第15ステージでも3位に入っていて「これはかなり強いぞ…」なんて思っていたけれども、ステージ勝利までしてしまうとは、お見事!!

今シーズンで23歳の若手、今後の走りが本当に楽しみだ!!

 

シュタインハウザーの1分24秒後、ポガチャルが余裕綽々といった感じでフィニッシュ。

後続の集団…ダニエル・マルティネス、トーマス、ティベーリ、エイネル・ルビオ(モビスター・チーム)、ロマン・バルデ(チームDSM)は、ポガチャルから18秒遅れでのフィニッシュに。

そして早々に遅れたオコーナーは…ダニエル・マルティネスなどの集団から更に41秒遅れてフィニッシュラインに到達。

総合4位の座はなんとか守ったけれども、ティベーリとの差は42秒と、結構近づいてしまった。