緊張の休息日を超えて
1週目を終えた選手たちは今ツール初の休息日を迎えるも、このタイミングでコロナウィルスのPCR検査が行われ結果次第ではチームの撤退の可能性があるという、ある意味レース以上に緊張感が走っているこの第10ステージ直前。
ユンボ・ヴィスマが意味深なツイートをしたり、
🇫🇷 #TDF2020
— Team Jumbo-Visma cycling (@JumboVismaRoad) September 8, 2020
Bonjour!🦁 pic.twitter.com/Pz9qCrllta
ドゥクーニンク・クイックステップがホテルを離れるのが遅れた事が憶測を呼ぶ中、検査の結果は…?
#TDF2020 公式より改めて休息日に実施されたPCR検査結果に関する発表がありました。
— J SPORTS💛サイクルロードレース【公式】ツール・ド・フランス開催中🇫🇷 (@jspocycle) September 8, 2020
・選手はすべて陰性
・コフィディス、イネオス、AG2R、ミッチェルトンのスタッフ各1名が陽性、レースバブルより除外
同一チームから2名以上の陽性結果が出なかったため、全チームが本日出走となります🚲#jspocycle https://t.co/jdBsW0vCsy
陽性反応が出た選手は無し!
チームスタッフも2人以上出たチームは無し!
全チーム揃ってのレース続行が決定!
いや~、本当によかった!
「連続した7日間で2人出たチームは撤退」だから、今回スタッフ1人が陽性だったチームは、9/13までに発熱などの症状があった人が再検査を受けて陽性になるとアウトだけれども、次回の休息日(9/14)は7日以上後だから今回のカウントもリセットされるはず(合ってるよね?)。
大会ディレクターのプリュドムさんが陽性となり一旦レースを離れる事になったけれども、立場上こうなる可能性を考慮して選手やチームとの接触を避けてきたとの事(有能!)。
しかし、レース前から検査の結果発表待ちで本当に疲れた…。
山岳ステージでエース同士のバトルを見終わったぐらいの疲労感(笑)
兎にも角にも、今はレースが続行される事を喜び、そしてしっかり楽しむのみ!
オレロン島をスタートし、本土を経由して最後はレ島へとフィニッシュする第10ステージ、アクチュアルスタートはオレロン島と本土を繋ぐ橋の上という見事な絶景!
アクチュアルスタートしました💥#すごい景色の橋でスタート#干潟になってる!#逃げ2人で蓋#キュングとシェアー#わぁ絶景
— J SPORTS💛サイクルロードレース【公式】ツール・ド・フランス開催中🇫🇷 (@jspocycle) September 8, 2020
Cycle*2020 ツール・ド・フランス 第10ステージ
【ル・シャトー=ドレロン 〜 サンマルタン=ド=レ】170kmhttps://t.co/C70hl0h1RP#TDF2020 #jspocycle pic.twitter.com/5hq4ZTlLkP
※動画の50秒ぐらいからの景色は本当に凄い!
スタートと同時に逃げたのはスイス人同士で仲がいいシュテファン・キュングとミハエル・シェアー。
なんとレース前にシェアーが「一緒に行く?」とメッセージを送り、元々は逃げる予定ではなかったキュングが誘いに乗ったらしい。
選手同士のこういう繋がりややり取り、何だかほっこりするよね。
2人の逃げはすんなり容認されるも、集団はほぼ海沿いを走るレイアウトなので強風や横風による分断を警戒しハイスピードで走り続け、残り100kmと早い段階で逃げを吸収してしまった。
常時緊張感が強い状態でレースは進んでいく。
そしてやはりというか、もし分断が起こっても取り残されないように激しい位置取り争いが行われた結果、何度も落車が発生…!
総合上位のタデイ・ポガチャルとギヨーム・マルタン、今日のスプリントに絡みそうなブライアン・コカールやトマス・スクインシュなど、重要な選手の落車も発生してしまうが、なんとか集団には復帰。
総合勢に遅れが出なかった事は良かったけれども、コカールは監督から「今日のスプリントには参加するな」と言われるほど強く背中を打ち付けてしまう…。
残り36km地点の中間スプリントポイント、最初に仕掛けたのは…え?コカール!?
大丈夫なのか?
いや、元気なのは嬉しいけれども…。
トップで通過したのはマッテオ・トレンティン、続いてペテル・サガン、サム・ベネットの順番。
トレンティンはフィニッシュのスプリントは上位に絡まないけれども、中間スプリントでコツコツ稼いでいて、この日のスタート前時点でポイント5位と意外な高順位(レース後は4位に浮上)。
今後の山岳ステージで逃げる脚もあるし、サガンとベネットが争う中、意外な伏兵になるかも…。
その後もハイスピードなレース展開のまま残り20km地点に差し掛かると、イネオス・グレナディアーズとユンボ・ヴィスマが先頭で猛牽引を開始!
集団が3つに割れてしまったと思ったら、なんとメイン集団で落車が発生してしまい、ミゲル・アンヘル・ロペス、ジュリアン・アラフィリップ、リチャル・カラパスなど重要な選手も遅れてしまう。
そんな混乱状態のまま、海上で吹きさらしのために注目(というか警戒)されていたレ島へと渡る橋へ差し掛かりどうなる事かと思っていたら、強い向かい風のためにメイン集団のペースがダウンし、遅れていた選手もほぼ合流するという意外な結果に。
そして迎えるフィニッシュのスプリント、良い形でフラムルージュを通過したのは、見事な連携で連日良いトレインを作ってスプリントへ向かうチーム・サンウェブ!
今回こそそのチーム力が実を結ぶかと一瞬思ったら、リードアウト職人ミケル・モルコフがベネットを引き連れて先頭へ!
強い向かい風の中残り150mで発射されるベネット、後ろからはサガンやカレブ・ユアンも迫って来るが…
勝ったのはサム・ベネット!!
強力なライバルを抑え、嬉しいツール初勝利!
昨年まで、実力はありながらもサガンと同じボーラ・ハンスグローエに所属していたためにツール出場が叶わなかったベネット。
ドゥクーニンク・クイックステップへ決意の移籍をして、晴れてエーススプリンターとしてツールに出場、そしてサガンを打ち破っての勝利!
直後のインタビューでは感情を抑えきれず、男泣き…!
漢泣き...
— J SPORTS💛サイクルロードレース【公式】ツール・ド・フランス開催中🇫🇷 (@jspocycle) September 8, 2020
もらい泣きしちゃう😭😭😭
Cycle*2020 ツール・ド・フランス 第10ステージ
【ル・シャトー=ドレロン 〜 サンマルタン=ド=レ】170kmhttps://t.co/C70hl0h1RP#TDF2020 #jspocycle pic.twitter.com/Cdh6dCg0Xp
ここまでの紆余曲折があって、やっと掴んだ初勝利、そりゃ泣くよ…。
見てるこっちもウルっときてしまうよ…!
そしてステージ勝利だけでなく、1度失ったグリーンジャージを再びその手に収めたベネット!
緑の国アイルランドからやってきた最強チームの最強スプリンターは、この勢いそのままにシャンゼリゼまで走り抜けるのか!?
はたまた王者サガンの反撃があるのか!?
今年のマイヨヴェール争い、熱くてたまらん!!