初心者ロードレース観戦日和

初心者でもいいじゃない!ロードレース観戦を楽しもう!

エガン・ベルナルのここが凄い!!

ジロ総合優勝おめでとう!

今シーズン最初のグランツールジロ・デ・イタリアが閉幕しましたね。

見事総合優勝に輝いたのは、イネオス・グレナディアーズの若きエースであるエガン・ベルナル!

Embed from Getty Images

2週目までの登坂で圧倒的なリードを築き、少し調子を落とした3週目もライバルの追い上げを冷静に躱し切って、一昨年のツール・ド・フランス以来となる自身2度目のグランツール総合優勝!

いや~、ファンとしてはこれ以上の喜びはありません。

ケガに苦しんだ2020年を乗り越えての「復活」だった事もあり、本当に嬉しかったですね。

ジロ期間中からそんなベルナルへの気持ちが溢れすぎていて、ちょっとこんな記事を書いてみたい衝動に駆られてしまいました。

 

題して、「エガン・ベルナルのここが凄い!」

 

…ベルナルが凄いのはプロデビュー当時から世に知れ渡っていますし、ツール制覇の際には更に色々と詳細が書かれた記事などが多く出ていますが、それでも書きたくなったので書きます!

これが自分なりのベルナルへの祝福の形なのです!

歓喜のあまりハイテンションすぎてお見苦しい部分もあるかもしれませんが、どうぞお付き合いください!

 

プロ契約前:生まれとバックボーン

皆さんご存知の通り、ベルナルはコロンビアのシパキラという標高2650mの街で生まれ育ちます。

ベルナルに限らずコロンビアなどの高地生まれの選手全員に言える事ですが、生まれながらに高地トレーニングをしているようなもので、やはりこれは難関山岳ステージでかなり有利ですよね。

その高地への適正と言う武器は後々の結果に強く出てきますが、その辺りの詳細はまた後ほど…。

 

コロンビアにいた頃のベルナルは、最初はロードレースでは無くマウンテンバイクの選手でした。

当時からその自転車に対する才能は抜きん出ていたようで、マウンテンバイク世界選手権クロスカントリーのジュニアカテゴリーで2014年に2位、2015年に3位と、かなりの結果を残しています。

このマウンテンバイクの経験からくる未舗装路への適正は、2021年の結果に大きく影響しますが、これもまた後ほど…。

 

このマウンテンバイクでの活躍ぶりと才能が、イタリアのプロコンチネンタルチーム(現行制度でのプロチーム)であるアンドローニ・ジョカトーリのGM、ジャンニ・サヴィオの耳に入ります。

ヴィオGMは当時18歳のベルナルはまだ若すぎると一旦獲得に難色を示しますが、ベルナルの驚異的な走行データを知ると獲得を決定しました。

こうして、2016年からイタリアの地でベルナルのプロロードレース選手としてのキャリアがスタートします。

マウンテンバイクからロードレースへの転向、そしてU23カテゴリーをすっ飛ばしてのプロ契約と、もの凄い展開でのロードレースキャリアのスタート!

いきなり凄いぞベルナル!

 

アンドローニ時代:誰もが期待する逸材

プロ初年度の2016年、ベルナルはとても19歳とは思えない結果を出します。

セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリとジロ・デル・トレンティーノ(現在のツアー・オブ・ジ・アルプス)とツール・ド・スロベニアでヤングライダー賞を獲得、しかもツール・ド・スロベニアでは総合4位に入っています。

そして若手の登竜門として名高いツール・ド・ラヴニールでは、23歳以下の若手有望株が集まる中で総合4位と、かなりの成績を残す事に成功しました。

ちなみに、この年のラヴニール総合優勝はダヴィド・ゴデュ(現グルパマFDJ)、総合5位にジャイ・ヒンドレー(現チームDSM)、総合6位に現在チームメイトのテイオ・ゲイガンハートと、かなりの大物が揃っています。

 

翌2017年、ベルナルは更に大きな結果を連発します。

GPインダストリア&アルティジアナートで5位、セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリで総合4位とヤングライダー賞、シビウ・サイクリングツアーでステージ2勝と総合優勝など、カテゴリーの低いレースではもはや結果を残すのが当たり前と言うような状態です。

ワールドツアーでも、ティレーノ~アドレアティコでヤングライダー賞2位と、かなりの活躍を見せました。

Embed from Getty Images

そして、前年に続いて出場したツール・ド・ラヴニールでは、ステージ2勝を挙げて総合優勝と、圧巻の成績を残します。

 

ここまでの活躍を見せれば、当然ワールドチームが黙っていません。

争奪戦の末、2018年からは最強のワールドチームであるチーム・スカイ(現イネオス・グレナディアーズ)への加入が決定します。

まだジュニアカテゴリーの年齢なのに結果を残し、そして20歳で最強のチームへ加入!

その破格の才能はやはり凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

2018年:才能の証明

ベルナルの勢いはスカイ加入後も留まるところを知りません。

スカイでの最初のレースとなったツアー・ダウンアンダーで総合6位に入りヤングライダー賞を獲得、コロンビア国内選手権個人TTで優勝、コロンビア・オロ・イ・パ(現コロンビア・ツアー)で総合優勝と、シーズン序盤のレースで結果を残しまくります。

3月のボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャでも好走を見せ、総合優勝も狙える位置につけていましたが、落車で鎖骨を折ってしまい残念ながらリタイアとなってしまいました。

しかし、復帰戦となった翌月のツール・ド・ロマンディで、またしてもその才能を見せつけます。

第3ステージの山岳個人TTで、並み居る強豪選手を押しのけて自身初となるワールドツアーでの勝利!

結果も(最終的に総合2位になった事も含めて)もちろん凄いのですが、この個人TTで争った相手がまたとんでもなく豪華で、プリモシュ・ログリッチ(現チーム・ユンボ・ヴィスマ)、リッチー・ポート(現イネオス)、ステフェン・クライスヴァイク(現チーム・ユンボ・ヴィスマ)といった「登れてTTも強い一流総合系選手」を破っての勝利という、驚きの内容でした!

21歳にしてトップ選手と渡り合える実力!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

ベルナルの勢いはまだまだ止まりません。

5月のツアー・オブ・カリフォルニアでは2つの難関山岳ステージで勝利を挙げての総合優勝と、先日のロマンディ以上の結果を叩き出します!

21歳でのステージレース総合優勝は、当時(※)のワールドツアーにおける最年少記録!

(※2019年にUAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャルが更新)

個人TTも上手く纏め、山岳ステージでの勝ち方も完全に強者の走りでしたし、驚きと同時に納得の結果と言っていいでしょう!

もはや誰もが認める世界トップクラスの選手!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

恐ろしいほどまでにその才能を発揮し続けたベルナルは、勢いそのままにツール・ド・フランスのメンバーに選出されます。

ツール制覇を至上命題とした総合系最強チームであるチーム・スカイのツール出場メンバーに、ワールドチーム初年度の21歳の若者が選ばれたのです!

そして、実際にベルナルは山岳アシストとしてかなり優秀な働きを見せます。

特に、第17ステージと第19ステージで苦しむクリス・フルームを助けた牽引は、この働きがなければフルームの総合3位は無かったと言えるほど大きな仕事であり、スカイの総合1・3フィニッシュに直接的に貢献したと言っていいでしょう!

21歳にして最強チームに於ける最高クラスの戦力!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

2019年:早くも頂点へ

2019シーズンも3月のパリ~ニースで総合優勝と、ベルナルは上々の滑り出しを見せます。

このパリ~ニースではステージ勝利こそありませんでしたが、序盤の横風で荒れた展開の中でも最前線でレースを引っ張っていたり、最終ステージで逆転を目論むナイロ・キンタナ(モビスター・チーム)の動きに冷静に対応したりと、走る能力だけでなくそのインテリジェンスや落ち着きが目立ったレースだと思っています。

22歳にしてもはや歴戦の王者のような落ち着いたレース運び!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

ちなみに、自分がリアルタイムでロードレース観戦を開始したのがこのパリ~ニースで、ここから一気にベルナルのファンになりました。

 

ベルナルは5月のジロ・デ・イタリアで自身グランツール初となるエースを務めるべく調整を行っていましたが、残念ながらトレーニング中の落車で鎖骨を骨折してしまい、もちろんジロは断念する事になりました。

改めてツール出場を目指してレースに復帰したベルナルは、6月のツール・ド・スイスでもはや当然のように総合優勝します。

第7ステージで見せた、石畳区間を含む厳しく長い登坂をかっ飛んでいった走りは、個人的にはベルナルのベストパフォーマンスの一つだと思っています。

ケガの影響を微塵も感じさせない強さ!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

そして、2年連続出場となったツール・ド・フランスでは、直前に大ケガをしてしまったチームの大黒柱であるフルームの代わりに、ゲラント・トーマスとのダブルエースを任される事になります。

ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が驚きの快走で総合首位を走り続ける中、最後の勝負所である3週目のアルプス3連戦でベルナルは躍動します。

まずは第18ステージ、標高2642mに達するガリビエ峠の頂上手前3kmで、ベルナルは集団を一発で置き去りにする強烈なアタックを披露、そのまま30秒程のリードを保ってフィニッシュします。

そして第19ステージ、標高2770mを誇る今大会最高峰のイズラン峠で、山頂までまだ5km以上ある位置からアタックを仕掛けます!

標高2500mを超える天空の世界で、ベルナルはその翼を力強く羽ばたかせて軽やかに山を駆け上がる!

逃げていた選手を次々と抜きさり、あっと言う間にレースの先頭へ!

そのままメイン集団に1分もの差を付けて山頂を通過していきます!!

このイズラン峠の登坂は、間違いなくベルナルのベストパフォーマンスの一つでしょう!!

高地生まれと言うアドバンテージを活かした、標高の高い山岳ステージでの超人的な登坂こそベルナルの真骨頂!

その圧倒的なパフォーマンスは何者の追随も許さない!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

ご存知の方も多いとは思いますが、残念ながら悪天候の為にレースはここで中断、イズラン峠の通過タイムがこのステージの最終的なリザルトとなり、ベルナルは遂に総合首位の座に就きます。

翌日の第20ステージも悪天候の影響でヴァルトランス峠(標高2365m)の登坂一発勝負というレイアウトに短縮となりますが、ベルナルは危なげなくマイヨジョーヌをがっちりキープし、そしてそのまま最終ステージも何事もなく走り切り順位を確定させます。

エガン・ベルナル、22歳でのツール・ド・フランス総合優勝!

その登坂力と安定感で、見事にロードレース界の頂点へ!!

凄すぎるぞベルナル!!

Embed from Getty Images

22歳でのツール制覇は、当時(※)の戦後最年少記録というおまけ付き!

(※2020年にポガチャルが更新)

ファンとしてはこれ以上嬉しい瞬間は無い、最高のひとときでした!

 

ロードレース界の頂点を獲ったベルナルは秋にはワンデーレースにも積極的に参戦し、グラン・ピエモンテで優勝、モニュメントの1つであるイル・ロンバルディアで3位と、やはりクライマー系クラシックで結果を残し、その才能の幅も披露します。

単なる総合系のクライマーで収まる器ではない!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

2020年:コロナ禍、そして背中の痛みとの戦い

2020シーズン、ベルナルはキャリア初と言っていい大きな挫折を味わう1年となりました。

まずは連覇を目指して出走を予定していたパリ~ニースですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を懸念して、イネオスはチームごと出場を辞退します。

 

そして長い中断期間を経て、やっと開催にこぎつけたツール・ド・フランス

ベルナルは前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネを背中の痛みで途中リタイアしていたため、コンディション面に不安を抱えてのスタートとなりました。

いまいち調子の上がらない姿が見受けられながらも、序盤は冷静に走り抜き何とか総合2位で乗り切ります。

「さあ、ここからコンディションを上げて逆転だ!」と思っていた矢先、戦前の不安が表に出てきてしまいました。

まずは第13ステージ、山頂フィニッシュ手前でメイン集団から少し遅れ、総合3位に転落。

そして第15ステージ、超級山岳グランコロンビエール登坂の序盤で、ベルナルはまさかの大失速。

背中の痛み、そしてそれをかばいながら走り続けた事による膝の痛みが、大事な勝負所で爆発してしまったのです。

一気に7分以上のタイムを失なって総合優勝争いから脱落してしまい、そのまま第17ステージ前にリタイアとなってしまいました。

 

不調ながらも中盤までは悪くない位置にいたのはある意味凄いと言えなくもないですが…、2020年はベルナルにとっては残念なシーズンとなってしまいました。

 

2021年:復活、再び頂点へ

ケガからの復帰を目指すベルナルは、意外と言える程軽快な走りを見せてくれます。

2月のツール・ド・ラ・プロヴァンスでは、総合優勝はチームメイトのイヴァン・ソーサに譲りつつ、山岳ステージではやはり強烈な登坂力を見せて総合3位に入賞。

3月に入ると、トロフェオ・ライグエリアで2位、そしてまさかのストラーデ・ビアンケで3位入賞と、相変わらず高いワンデーレース適正を披露しました。

特に、厳しい未舗装路区間で有名なストラーデ・ビアンケで、並み居る強豪クラシックレーサーに混じっての3位は快挙と言ってもいいでしょう!

マウンテンバイク時代に培った未舗装路への対応力は流石の一言!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

直後のティレーノ~アドレアティコでは、ベルナルの記録を更新して戦後最年少のツール覇者となったポガチャルとの直接対決が注目を集めましたが、ベルナルはまだ調整が万全ではなかったのか、残念ながらクイーンステージの登坂で遅れてしまいます。

それでも、冷たい雨の影響でハードな展開になった翌日のステージで上手く立ち回り、最終的に総合4位でレースを終える事が出来ました。

得意なはずの山岳では不完全燃焼でしたが、まだ回復途上にこの成績なら充分及第点でしょう。

そして、ティレーノの後はジロに向けてレースには出ずに調整に専念します。

 

2021年の5月8日、いよいよジロ・デ・イタリア2021が開幕しました。

ここでの活躍はもちろん皆さんの記憶にも新しいと思いますが…特に印象的だったシーンを抜き出して書いていきます。

 

第4ステージ、今大会初の総合争いが発生した最終盤山岳ではメイン集団で最も軽快な登坂を披露して、最後はゴールスプリントまでするほど積極的に動き回ります!

 

第6ステージ、山頂フィニッシュで圧倒的な登坂力を披露!

最後はパンチ力に秀でたライバルを制するほどの地力の差を見せて、総合勢トップとなるステージ2位でフィニッシュ!

 

1週目最大の山場である第9ステージ、最後は1.6kmの未舗装路区間を走る1級山頂フィニッシュで、ベルナルはもの凄い走りを見せてくれます。

残り400mからアタックを仕掛け、アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック)やジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)といったライバルを一気に引きちぎり、逃げていた2人も一瞬でぶち抜いて、そのまま独走でステージ勝利!!

明らかに他の選手とは別次元な登坂力と未舗装路適性による圧倒的な走り!!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

ベルナルはこれが自身初となるグランツールのステージ勝利!

そして、総合首位に立ち念願のマリア・ローザ着用となりました!

 

2週目の初日となる第11ステージ、「ストラーデ・ビアンケ風」の厳しい未舗装路を含むレイアウトで、ベルナルはまたしても圧倒的な走りを見せます。

まずは、総合2位のレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク)が未舗装路で遅れそうになると、ベルナル自らも先頭を牽く積極性を見せてエヴェネプールを一気に脱落させます!

そして、未舗装路を終えた後の山岳でも抜群の登坂力で抜け出し、唯一同行できたエマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)もフィニッシュの登りスプリントで突き放しました!

またまた未舗装路と登坂で暴れまわる!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

強烈な激坂で悪名高い「ゾンコラン」フィニッシュの第14ステージでも、ベルナルの勢いは衰えません。

厳しいゾンコランの登坂、残り3kmを切って勾配が更に厳しくなると、サイモン・イェーツ(チーム・バイクエクスチェンジ)がアタックを仕掛けてメイン集団から抜け出しを試みますが、このアタックに反応できないライバル達を尻目にベルナルはサイモン・イェーツにしっかり付いていきます!

逆に、残り300m辺りでサイモン・イェーツを突き放し、またしても総合勢ではトップのタイムでフィニッシュ!

ライバルも激坂も登坂力でねじ伏せる!!

凄いぞベルナル!!

Embed from Getty Images

 

第16ステージは、今大会の最高峰ジャウ峠(2233m)を超えてからのダウンヒルフィニッシュ

ジャウ峠の登坂ではチームDSMが積極的にペースを上げて攻撃を試みますが、ベルナルは全く動じません。

そして、まだ山頂まで5km以上の距離からベルナルがアタック!

メイン集団のライバル達を一瞬で突き放し、逃げている選手もあっという間に躱して先頭で山頂を通過!!

まるで、2019年ツールの第19ステージ、イズラン峠でのアタックを再現するかのような会心の走り!!

長いダウンヒルを走り抜けてたどり着いたフィニッシュ地点で、ベルナルは数秒のタイムロスを厭わずにレインジャケットを脱ぎ、マリア・ローザへのリスペクトと誇りを表現しながらのフィニッシュ!!

これぞ王者の走り!!

これぞ王者の所作!!

凄いぞベルナル!!

Embed from Getty Images

 

休息日明けの第17ステージ、ベルナルはフィニッシュの1級山岳で今大会最大の危機を迎えます。

なんと、残り3kmからの急勾配区間でサイモン・イェーツのペースに付いていけず、ベルナルが遅れてしまいます。

幸い、ダニエル・マルティネスの全身全霊でのアシストの甲斐もあって、サイモン・イェーツから53秒遅れと、傷口を最小限に留める事に成功します。

レース後には「サイモン・イェーツのペースに付いていこうとしたのが失敗だったかもしれない」と反省を述べつつ、あまり大きくタイムを失わなかった事に満足している旨の発言もあり、まだまだ余裕を見せてくれました。

 

第19ステージでは、2日前の教訓を活かして落ち着いたレース運びを披露します。

この日もサイモン・イェーツが早めのアタックを仕掛けますが、ベルナルはこの動きを静観。

マルティネスの牽引でタイム差を30秒程に留め続け、マルティネスが仕事を終えるとベルナル自らの脚でしっかりと加速して、更に最後はジョアン・アルメイダのペースアップに無理に合わせずに、力をセーブした様子でフィニッシュします。

ボーナスタイムも含めて、総合3位のサイモン・イェーツに対して失ったタイムは34秒、そして依然リードは2分49秒。

総合2位のダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)からは8秒を奪い取り、リードは2分29秒。

調子が良くないなりに上出来と言うか、リードをしっかりと固める素晴らしい守りの走りは、ほぼ満点の出来と言っていいでしょう!

現在の自分の状態とタイム差を的確に見極めた落ち着いたレース運び!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

今大会最後の山岳ステージとなる第20ステージでは、ここまであまり積極的な走りを見せなかった総合2位のカルーゾが攻撃を仕掛けてきました。

レース中盤でチームDSMと協調してのダウンヒルアタックという「奇襲」に対して、ベルナルは無理に追いかける事はせず、タイム差を40秒程にキープして最後の1級山岳に突入します。

この日もマルティネスが素晴らしい牽引を見せてくれて、高速ペーシングで一緒に走っていたライバルを全員振るい落とすと、最後はベルナル自らがカルーゾを追いかけ、24秒遅れてのフィニッシュ。

1分59秒と言う、まず「間違いない」リードを保ったまま最終日の個人TTを迎える事に成功しました。

と言うか、第17ステージでは調子を落としていた様子のベルナルでしたが、この日は集団のライバルを突き放しつつ、逃げていたカルーゾを無理して追いかけずに2位フィニッシュと、明らかに調子を取り戻しています。

最後にしっかり照準を合わせて上げてくるコンディショニングと回復能力!

凄いぞベルナル!

Embed from Getty Images

 

そして迎えた最終日の個人TT

ベルナルはコーナーでは無理をしない安全な走りでガッチリと総合首位をキープ!

最後は両腕を掲げながら、堂々のフィニッシュ!!

Embed from Getty Images

ジロ・デ・イタリア2021総合優勝はエガン・ベルナル!!
凄いぞベルナル!!

おめでとうベルナル!!

ありがとうベルナル!!

 

3週間を通して、本当に素晴らしい走りでした!!

感動と興奮と、そして歓喜の瞬間をありがとう!!

もう誰しもがその強さを理解しているだろうけれども、改めてもう一度言わせて下さい!!

凄いぞベルナル!!!

Embed from Getty Images

 

これで2019年のツールに続く2度目のグランツール制覇となりましたが、ベルナルはまだ24歳。

ロードレース選手としてのキャリアはこれからまだまだ続きます。

 

どうか、今後も元気に走り抜いて下さい。

どうか、レースを存分に楽しんで下さい。

そうすれば、結果は自ずと付いてくるでしょう。

あなたがレースを走り続ける限り、私はあなたを応援し続けます。

私はこれからもずっと、エガン・ベルナルを応援し続けます。

 

ありがとうベルナル。

おめでとうベルナル。

そして、凄いぞベルナル!!

Embed from Getty Images