A~Eの5ランク
新年最初の記事は…新企画!
ずばり、「総合系選手ランク付け」!
こういった「ランク付け」企画、やっていそうでやっていなかった(?)けれども、そこに特に深い理由はなく、ただ単純に今まで思いついていなかっただけ…。
そして思いついたからには、即やってみようではないか。
さて、ランク付けをどういった基準でやっていくかだけれども、所属チームや出場レースが違うので、単純に勝利数やUCIポイントで比べる訳にもいかず…。
思いっきり「主観」でやるしかないよね、という話ではある。
一応というか勿論というか、データは見ているけれども、そこに主観というフィルターを通して、ランクを決めていく感じかな。
直近の成績と、ここ数年の実績、そしてその走りから感じられるポテンシャルなんかを「総合的に」判断して…。
色々と迷いながら、A~Eの5段階に分けたランク付けがこちら!
それでは、各ランクの細かい解説もやっていこう~!
Aランク:揺るぎない「2トップ」
Aランクはもはや説明不要かもしれない、ここ3年の総合争いの主役2人。
ツール・ド・フランス2連覇中のヴィンゲゴーは、当然Aランク。
隙の無い安定感、群を抜いた登坂力、そして勝負所にピークを持ってくる調整能力は、圧巻の一言。
グランツール総合に特化した、2020年代版クリス・フルーム(現イスラエル・プレミアテック、2010年代にツール総合優勝4回)と言った感じか。
ポガチャルは、「グランツール特化」のヴィンゲゴーとは少し違い、ワンデーレースでも暴れ回っているけれども、その実績と走りは文句なしでAランク。
2019年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位に始まり、2020年・2021年とツール連覇、2022年と2023年もツール総合2位と、ちょっと異常とも言えるリザルト。
2024年はジロ・デ・イタリアに初出場の予定なので、どんな走りを見せてくれるのかとても楽しみだ。
Bランク:Aランクを脅かす数少ない存在
Bランクの2人は、Aランクにすることも検討したぐらい、Aランクの2人に勝っても何ら不思議ではない選手。
新天地でツール再挑戦となるログリッチは、間違いなくここ5年の総合争いにおけるメインキャストであり、Aランクの2人と併せて「3強」と評してもいいのかもしれない。
ただやはり、「ツールで勝ち切れていない」のも事実であり、かなり迷いながらもBランクに。
ボーラへと移籍して、念願のツール制覇となるか。
2022年のブエルタ覇者エヴェネプールは、実績では上記の「3強」に及ばないけれども、そのポテンシャルはまさに破格。
経験不足、そしてチーム力不足もあり、少し安定感に欠ける印象はあるものの、それらの不安要素は徐々に改善されていると、個人的には捉えていて…。
2024年は、新加入のミケル・ランダを従えてツールに初挑戦予定らしいので、楽しみで仕方がない。
Cランク:「ノルマ」は総合表彰台
A・Bランクの4人が飛び抜けすぎていて、そこに抗うのは厳しいように思えつつ、総合表彰台が「目標」ではなく「ノルマ」と言えるであろう選手たち。
実際には、アシストに回るであろう選手もいるので、「ノルマ」ではない場合もあるだろうけれども…。
- ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)
- ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)
- セップ・クス(ヴィスマ・リースアバイク)
- ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)
- フアン・アユソ(UAEチームエミレーツ)
- エンリク・マス(モビスター・チーム)
- アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)
- サイモン・イェーツ(チーム・ジェイコ・アルウラー)
- リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)
2024年シーズン中に38歳となる大ベテランのトーマスは、流石に全盛期と比べると若干の衰えを感じさせつつも、2022年ツールに2023年ジロと、2年連続でグランツール総合表彰台に登ったのは流石の一言。
過渡期のイネオスにとって、本当にありがたい存在だ。
ペース走の達人アルメイダは、2023年のジロで念願のグランツール総合表彰台入り。
グランツールは6度出場して5度完走、そして完走したものは全て総合トップ10(2020ジロ4位、2021ジロ6位、2022ブエルタ5位、2023ジロ3位、2023ブエルタ9位)という安定感は、もっと評価されるべき。
クスは、2023年のブエルタ制覇によって、これまでの長いアシスト生活から、選手人生が一変する可能性が。
登坂力だけなら間違いなく「Aランク」相当、ここからどんなリザルトを積み上げていくのか注目。
2022年のジロ覇者ヒンドレーは、総合7位となった2023年のツールでも落車でダメージを負うまでは総合3位をキープと、流石の走りを披露。
ログリッチの加入でツールのエースは一旦「お預け」になるものの、逆にジロやブエルタはチャンスとも言えるはず。
2022年ブエルタ総合3位の超新星アユソは、2023年前半をケガで棒に振りながら、ブエルタでは総合4位としっかり結果を残すことに成功。
2024年シーズンでまだ22歳、ここからどんな成長曲線を見せるのか。
「自転車大国スペインの総合エース」という看板を背負うマスは、ブエルタで総合2位を3回経験している安定感が強みであると同時に、(特にツールでは)突き抜けた結果を残せず、「期待に100%応えている」と言いにくいのも事実。
このまま足踏みしていると、もう背中まで迫ってきているアユソに、その立場を奪われかねないが…。
アダム・イェーツは、2023年のツールでポガチャルをアシストしつつ総合3位入賞という大仕事をやってのけたことを評価して、このランクに。
2024年もツールではアシストをこなしつつ、ジロかブエルタでチャンスが貰えそうか。
サイモン・イェーツは、2023年ツールで総合4位と、ツールの自身最高成績を更新。
ただ、2024年のチームはエース級スプリンター3枚体制、どれだけ「サイモン用」の布陣でグランツールに臨めるかがポイントになりそう。
2023年は落車でツールを早期リタイアとなってしまったカラパス、その登坂力はやはり高く評価するべき。
2019年にはジロを制した実績もあるけれども、A・Bランクの4人に勝てるかどうかは…チーム力の関係もあり多少厳しいように思えるので、少し迷いつつもCランクで。
Dランク:総合表彰台が「現実的な目標」か
総合表彰台を狙いつつ、それが達成できるかはなんとも言えないところ…。
そんな感じの選手がこのランクに。
- テイオ・ゲイガンハート(リドル・トレック)
- アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)
- ミケル・ランダ(スーダル・クイックステップ)
- ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)
- ペッリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)
- カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)
2020年のジロ覇者ゲイガンハートは、Cランクに入れようかとも思ったけれども、2023年ジロで負った大腿骨の骨折による影響を考慮してこの位置に。
2023年のジロ、骨折直前までの走りはかなり素晴らしかっただけに、なかなか難しい判断だった…。
ウラソフも、Cランクに入れるか迷った選手。
ただ、似たタイプの(そしてCランクに入れた)アルメイダがジロ総合表彰台に登ったことを考えると、表彰台を経験していないウラソフはDランクにするべきかなと…。
ランダは、実績を考えるとCランクも有り得ると思いつつ、スーダルへの移籍は「エヴェネプールのアシスト」という意味合いが強いこともあり、まあDランクが妥当かなと。
エースとして走れるであろうブエルタで、意地を見せられるか。
カルーゾは、安定感に若干の疑問はありつつ、2021年ジロ総合2位、2023年ジロ総合4位という実績を考えてこの位置に。
2024年も地元のジロに出場予定で、ベテランらしい味のある走りに期待したいところ。
カルーゾと同じバーレーンのビルバオは、直近3つのグランツールは全て総合トップ10入りと、対照的に安定感が魅力。
どこかで上手く噛み合って、初の総合表彰台を目指せるか。
地元スペインのモビスターへ移籍という噂もあったロドリゲスは、結局イネオスに残留。
総合5位に終わった2023年のツールは落車さえなければ総合3位も狙えたように、そのポテンシャルを考えれば、イネオスによる逆襲を担うのは多分この選手。
Eランク:総合表彰台に登れたら大成功
総合トップ10入りはノルマ、ただし総合表彰台を狙えるかどうかは…かなり厳しいというのが正直なところ。
「総合争いに絡んだ」と表現していいのか迷う、そのぐらいの位置で奮闘する選手たち…かな。
- ロマン・バルデ(チームDSM-フェルミニッヒ・ポストNL)
- ダヴィド・ゴデュ(グルパマFDJ)
- ティメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ)
- ベン・オコーナー(デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル)
- キアン・アイデブルックス(ボーラ・ハンスグローエ)
- ギヨーム・マルタン(コフィディス)
バルデは、2010年代の実績を考えるとこんな位置ではないけれども…、まあ現状はこのぐらいが妥当と判断。
しかし、2024年で34歳と完全に老け込むにはまだ早い、ここからの反撃に期待したいところ。
バルデの後継者になるはずだったゴデュ、そのポテンシャルは間違いないのだけれども、どうも成績が安定しない…。
Dランクにしようかとも少し考えたけれども、「期待に応えられていない」ということで、少し厳しめに評価してこの位置に。
イネオス期待の星の1人であるアレンスマンは、エースを務めていないので「まだまだ実績が少ない」とか言いそうになるけれども、実は2022年ブエルタ、2023年ジロと連続で総合6位に入っている。
ただ、相変わらず「エースとして走らせてもらえるか」は割と微妙なことを考慮して、迷いながらもこのランクに。
オコーナーは、2021年ツールの総合4位は鮮烈だったけれども、その成績は「大逃げを許してもらった」ことによる影響が大きく、現状の実力はこのぐらいと判断。
2022年・2023年と、クリテリウム・デュ・ドーフィネで2年連続総合3位なので、ポテンシャルは高いはず…と思いつつ、「ポテンシャル」と「実力」は結構意味が違う。
ある意味「オフシーズンの主役」だったアイデブルックス、グランツールデビューとなった2023年ブエルタでいきなり総合8位と、やはりポテンシャルはかなりのもの。
1週間規模のステージレースでもまずまずの成績、期待も込めてEランクに入れて問題ない…よね?
マルタンは…、文字通り「総合争いに絡んだとは言い難い」成績で、かなり扱いに困ったというのが本音。
ただ、安定して総合トップ10付近にいるのも事実、最大限ポジティブに評価してギリギリランクイン…かな。
ランク付け…楽しいね
いや~、新年早々「好き勝手に」書けたこの企画、個人的にはものすごく楽しかった!
候補となる選手の成績を調べて、自分なりの基準を設けてランク付けして、文章を書く…。
この一連の「インプット→頭の中で整理→アウトプット」という作業、これが好きだからブログを書いているという一面は、結構大きかったりする。
2023年は、正直なところ「インプットが少ない」状態だったと思うので、色々書いていて「違和感」や「バランスの悪さ」が拭えなかったのだけれども…。
このぐらい「しっかり調べて」「考えて」書くのは、やはり楽しいね~。
あまりにも個人的すぎる感想はこの辺りまでにしておいて…。
読んでくれていた方に、このランクはどう映っているのだろうか?
もし、「この選手を忘れている!」や「この選手のランクは変じゃない?」みたいな意見があったら、是非コメントが欲しいところ。
あ、別に「オレのランクに文句をつけやがって、論破してやる!」みたいなことを考えている訳では無く、純粋に自分以外の意見を聞きたくて…。
その辺りを「和やかに議論」できたら、それってとても素敵で有意義で…、楽しいでしょ。
という訳で、是非積極的にコメントしてくれると、嬉しいな~。
さて、総合系のランクを作ったということは…?
やはり「スプリンターのランク付け」も作りたい~!
という事で、早速書いてみた。
こちらも、是非。
それでは、また!