初心者ロードレース観戦日和

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【レース感想】ツール・ド・フランス2020 第3ステージ

獲得標高3000mの平坦ステージ、ロケット発射!

前日の第2ステージ(【レース感想】ツール・ド・フランス2020 第2ステージ - 初心者ロードレース観戦日和)と違い、第3ステージは1週目らしい平坦ステージ。

…のはずなんだけれども、実は獲得標高が3000mもあるという、結構アップダウンがあるレイアウト。

終盤がほぼフラットなので、結局集団スプリントにはなるだろうけれども、そこまでの起伏でいかに脚を消耗していないかどうかがポイントになりそう。

 

途中に3級山岳が3つと4級山岳が1つあるので、この日の逃げは山岳賞争いにフォーカスしたものに。

前日もバチバチとやり合い、同ポイントで1位・2位のブノワ・コヌフロワとアントニー・ペレス、そしてジェローム・クザンの3名の逃げに。

序盤から2つの3級山岳が登場、さあどうなると思いきや、どちらもペレスが先頭で通過して、コヌフロワに2ptの差を付ける展開に。

コヌフロワはまだ逆転の目があるものの、一旦プロトンへ撤退するような動きを見せ、そうなればペレスも無理する必要は無いので一緒に下がっていくという、なかなか不思議な状況になる。

そうすると、先頭に残されたクザンは1人での逃げになってしまうが、プロチームのトタルディレクトエネルジー所属のクザンとしては、逆に目立って美味しい展開かも?

…なんて思っていたら3つ目の3級山岳の頂上直前、コヌフロワが再び前方を目指して加速し2位で通過、ペレスとのポイント差を1ptにまで詰めてきた!

もし最後の4級山岳をコヌフロワが先頭で通過すると同点に追いつかれるので、ペレスも追いかける。

しかし、なんと直後の下りでペレスがリタイアとの情報が…。

どうやらチームカーと接触して骨折(カメラが映像を捉えていなかったので詳細が不明)、そのままリタイアしてしまう事に。

暫定山岳賞トップのまま無念のリタイアとなってしまったのは残念すぎる…。

 

フィニッシュまで残り16km、長い長い1人逃げとなったクザンもついに吸収され、レースはフィニッシュの集団スプリントに向けて勢いを増していく。

残り1km、サンウェブのトレインが良い形でフラムルージュを通過、NTTも好調のジャコモ・ニッツォーロで勝負できそうないい体勢。

しかし、残り300m地点でペテル・サガンが少し早めの仕掛け!

それを追い上げるのはサム・ベネット、そのままサガンを抜いて先頭へ躍り出た!

このままベネットが勝つと思いきや、サガンの後方につけていたはずのカレブ・ユアンがスルスルっと狭いスペースを抜け出し、ベネットに迫る!!

そして…!

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勝ったのはユアン!!

そしてこの気合の入ったガッツポーズ!!

いや~!

ユアン強かった!

向かい風の状況下でギリギリまで飛び出すのを我慢して、サガンとフェンスの隙間、更にはそこから大きく左にハンドルを切りベネットの左へ抜けたコース取り、そして何より「ポケットロケット」の異名通りの小柄ながら爆発的なスプリント力!!

昨年のツールでも3勝と爆発力を見せていたユアン、ノッた状態でのスプリント力なら現役選手で随一なのでは?

そして、チームとしては第1ステージで2人も失う苦しい状況の中、それでもエースとして結果を残すその姿、頼もしすぎる!

今年はスプリントステージが少ない中、果たしてあと何勝してくれるのか。

小さいが強力なロケットの軌跡から目が離せない!