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【レース感想】ツール・ド・フランス2020 第4ステージ

最初の山頂フィニッシュ、エースたちの調子は?

まだ大会4日目にして、1級山岳の山頂フィニッシュを迎える今年のツール・ド・フランス

1級山岳フィニッシュとなれば、早くも各チームのエースの調子が問われ、少なくとも大きな不調は許されない。

ツール直前に落車などでコンディションに不安がある選手も結構いる状態で、そんな序盤の「山場」となるであろうこの第4ステージ、観戦前から緊張が高まる…!

 

この日も0kmアタックがスムーズに決まり、6人の逃げ集団を形成。

逃げメンバーで個人的にお気に入りの選手はニルス・ポリッツだけれども、彼の脚質と他の逃げの選手、そしてコースプロフィールとレース展開的に、逃げの勝利は無さそうかな…。

 

51km地点、最初の3級山岳の手前の中間スプリント地点では、メイン集団内でのポイント争いが発生!

ドゥクーニンク・クイックステップのミケル・モルコフのリードアウトから、サム・ベネットが集団先頭(逃げに次いでの7位)で通過!

しかも、アシストしたモルコフはそのまま2番手につけて他の選手のポイントを削るという、相変わらずナイスな仕事っぷりを披露。

その結果、ポイント賞争いではベネットが首位のペテル・サガンと同点に並ぶ事に。

総合順位で上位のサガンが依然としてポイント賞首位キープとなるけれども、ドゥクーニンクのチーム力と合わさって、ベネットがサガンを脅かす存在になってきた!

サガンの独壇場、サガンのための賞と化していたポイント賞争い、今年こそサガンの牙城が崩れるのか、今後も要注目!

 

その後はあまり大きな展開が無く終盤まで進み(途中で逃げに乗っていたティシュ・ベノートがガードレールに激突、一瞬ヒヤッとするもほぼ無傷だった事ぐらい)、逃げ集団も最後の山岳の入り口辺りで吸収される。

総合リーダーを抱えるドゥクーニンクが集団の先頭を走り続け、ボブ・ユンゲルスの牽引や他チームの散発的なアタックでペースが上がると、山岳が得意ではない選手はポロポロと遅れていく展開に。

ユンゲルスが仕事を終えると、今度はユンボ・ヴィスマが集団を牽引…って、先頭を牽いているのはワウト・ファンアールトか!?

ファンアールトはそのまま2kmほど高速牽引して、集団はみるみる小さくなっていく…。

いやいや、ファンアールト、山岳でも強力すぎないか?

君、元シクロクロス世界チャンピオンで、世界屈指のタイムトライアラーで、昨年のツールのスプリントステージや今年のミラノ~サンレモで勝つほどのスプリント力を併せ持った、高出力と高速走行継続能力がずば抜けた選手だよね?

そんな選手が1級山岳でも高速牽引を見せるなんて、恐ろしすぎるでしょ…!

残り1.5kmで先頭はセップ・クスに交代、ユンボ・ヴィスマはプリモシュ・ログリッチのために盤石の構えで登っていく。

残り500mでギヨーム・マルタンが早めのアタックを仕掛けるも、これをログリッチ自らがチェック、そして残り150mからログリッチがスパート!

グリッチお得意の登りでのスプリント!

この展開に持ち込まれたら、勝てるチーム、勝てる選手はいないと言っていい!

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堂々たる横綱相撲で、見事ステージ優勝!

そしてボーナスタイムを稼ぎ総合3位へ!

直前のドーフィネでの落車の影響なんて微塵も感じさせないログリッチの走り、そしてユンボのチーム力が遺憾なく発揮されたこの第4ステージ。

果たしてこのまま総合はユンボの支配が続くのか、それとも他チームの逆襲はあるのか、そしてイネオスは調子を上げていくのか。

早くも総合争いが熱くなってきた!