第3週目も無事にスタート!
前年総合優勝のベルナルが大幅に遅れるという衝撃の第15ステージ(【レース感想】ツール・ド・フランス2020 第15ステージ - 初心者ロードレース観戦日和)を終え、ツール一行は2度目の休息日へ。
先週の休息日と同様にコロナウィルスのPCR検査が行われて、検査の結果は…全員陰性。
これで、シャンゼリゼへのゴールが現実的になってきた!
結局、2度の検査で選手から陽性反応は1人も出ず、そして撤退したチームもなかったので、「レースバブル」という隔離作戦の大勝利!
さあ、心おきなく残りのステージを楽しんでいこう!
終盤にボーナスタイムの設定された1級山岳のある第16ステージは、序盤から激しいアタック合戦に!
総合優勝の可能性が事実上消滅したイネオス・グレナディアーズが、積極的に逃げにメンバーを送り込もうとしている!
普段は黒子に徹する為に勝利を狙えないイネオスのアシスト陣、残りのステージでは実力者揃いの彼らが暴れまわるのか…!
ボーラ・ハンスグローエもペテル・サガンを逃げに乗せようと繰り返しアクションを起こし、逆にドゥクーニンク・クイックステップは阻止しようと全力で抵抗を見せる。
出入りの激しい展開が続き、最終的にイネオスからはアンドレイ・アマドール、リチャル・カラパス、パヴェル・シヴァコフの3人が逃げに入り、他にもジュリアン・アラフィリップ、マッテオ・トレンティン、セバスティアン・ライヒェンバッハ、レナード・ケムナなどを含む15人の逃げが形成される。
サガンはベネットとの差を詰めるために何とか逃げたかったけれどもかなわず、逆にポイント3位のトレンティンが逃げに乗り中間スプリントをトップ通過したために、ベネットを追いかけるどころか、新たなライバルが背後に迫る事に…。
マイヨヴェール獲得に黄色信号が灯っているサガン、黄色信号どころか限りなく赤色に近づいてきた…。
メイン集団をコントロールするユンボ・ヴィスマはボーナスタイムを逃げ集団に獲得させるために、逃げとの差を無理に詰めようとはしない。
そして先頭では、ステージ優勝を懸けて激しいやり合いに!
1人飛び出していたカンタン・パシェをカラパス、アラフィリップ、ケムナ、ライヒェンバッハの4人が山頂まで残り5km程で捕まえ、先頭は5人に。
生きのいいメンバーが揃った先頭集団、登坂力を活かして抜け出したのは昨年のジロ覇者カラパス!
しかしケムナだけは粘り強く食らいつき、カラパスが山頂手前でペースを緩めるとその隙に一気に抜け出し、ダウンヒルでカラパスとの差を広げ独走を開始!!
タイムトライアル巧者のケムナはカラパスとの差をグングン広げていき、最終的には1分以上もの差を付けて余裕のフィニッシュ!!
第13ステージでは惜しくも2位だったケムナ、自らの持ち味を活かして掴み取った見事な勝利!!
クリテリウム・デュ・ドーフィネでの勝利に続いて、登りへの適正も見せてくれたケムナ、今後は総合系としての活躍も期待できるのかも?
そしてボーラとしても、サガンのマイヨヴェール獲得が厳しくなる中で意義の大きい1勝に!
一方のメイン集団は1級山岳では特に動きは無く、意外と人数の残ったままフィニッシュ手前へ。
少しでもログリッチとの差を縮めたいタデイ・ポガチャルが仕掛けるも、しっかりとマークされて封じられてしまう。
最後に総合4位のミゲルアンヘル・ロペスが少しでも秒差を稼ぐために飛び出しを図るも、結局差は付かずに総合勢は特に動きが無くフィニッシュ。
比較的穏やかな1日を過ごした総合勢は、翌日のクイーン・ステージである、超級山岳2連発の第17ステージへと向かう…。