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ジロ・デ・イタリア2020 注目選手紹介

もうジロ開幕ですよ!

2週間前にツール・ド・フランスが閉幕し、1週間前には世界選手権が行われたばかりですが、ジロ・デ・イタリアが開幕します!

中断期間の遅れを取り戻す過密日程のため、2つのモニュメントを含むクラシックレースやブエルタ・ア・エスパーニャと一部日程が被ってしまっていますが、それでもやっぱりジロは面白くなりそうないい選手が揃っています。

 

ツールではガッツリと4賞の予想をやりましたが、今回は軽~く注目選手の紹介を行っていきたいと思います。

 

総合系選手

ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ

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不調でツールに出場できないというまさかの事態となってしまったトーマスですが、このジロでは満を持してエースを務めます。

直近のティレーノ・アドリアティコ総合2位、世界選手権個人TT4位という結果から分かるように、今度はしっかりと万全の調子に仕上げてきました。

今回のジロは個人TTが3ステージもあるので、それも併せて考えるとTTが強いトーマスは優勝候補の本命と言っていいでしょう。

3年前の無念のリタイアのリベンジに本人も燃えているはずですし、チームとしてもツールという大本命を逃してしまった以上、死に物狂いでジロを取りに来る事が予想されます。

イネオス復権に向けての第一歩とできるのか、必見です。

 

ヤコブ・フルサン(アスタナ・プロチーム)

総合優勝候補の中ではトーマスに次いでTT能力が高いのがフルサンだと思います。

ティレーノ・アドリアティコでは結果が出ませんでしたが、イル・ロンバルディア優勝に世界選手権個人ロードレース5位と、今シーズンもそのタフさと総合力は健在です。

ただ、アスタナはフルサンの他にもミゲルアンヘル・ロペスとアレクサンドル・ウラソフも擁する「トリプルエース」にも見える陣容でジロに挑みます。

順当にいけばフルサンがエースだとは思うのですが、万が一序盤の調子が悪かったりすれば早めのエース交代もありそうなのでそこが不安と言えば不安です。

逆に上手くハマれば強みにもなりえるので、チームのマネージメントに注目です。

 

サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)

2年前の総合優勝目前からの大失速、そして昨年は終始低調な走りと、なかなか上手くジロと噛み合わないサイモン。

今年はツールを回避してまでジロに照準を合わせてきて、直前のティレーノ・アドリアティコでは総合優勝を果たし、絶好調の状態で挑みます。

アシスト陣もジャック・ヘイグ、ルーカス・ハミルトン、ダミアン・ホーゾンなど、強力な布陣を揃えてきて準備は万端です。

あまり得意ではない(調子の波が激しい)TTが3ステージもあるのは不安材料ですが、好調時の爆発的な登坂でタイムを稼げば総合優勝も視野に入るでしょう。

 

ステフェン・クライスヴァイク(チーム・ユンボ・ヴィスマ)

クライスヴァイクも本来はツールに出場予定でしたが、直前のクリテリウム・デュ・ドーフィネでの落車で骨折してしまい、ジロでエースを務める事になりました。

4年前のジロでは、総合トップで迎えた第19ステージで雪壁へ激しくクラッシュしてしまった為に、総合優勝どころか表彰台からも滑り落ちてしまいましたが、リベンジのまたとないチャンスが巡ってきました。

2年前のツールで総合5位、そして昨年はツールで総合3位に入ったように、その実力と安定感は抜群です。

アシスト陣が若手中心なのは不安に思えますが、チームとしては昨年と同じ轍を踏まない自信があるという事でしょうか。

果たしてこの人選がどう出るのか注目です。

 

他にも、ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレードラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)ウィルコ・ケルデルマン(チーム・サンウェブ)辺りが総合上位の候補として注目でしょうか。

個人的には、トレック・セガフレードではニバリよりもジュリオ・チッコーネに期待していますが、エースとして走らせてもらえるかは微妙なところですね。

 

スプリンター

ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)

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ツールでは遂にマイヨ・ヴェールを脱ぐ事になり、そして今回のジロ初挑戦。

注目という意味では、最も注目なのは間違いなくサガンです。

ただし、ジロのポイント賞は中間スプリントであまり点数を稼げないので、マリア・チクラミーノを獲得するためにはステージ勝利が必須と言えるでしょう。

サガンのピュアスプリンター的では無い脚質と現在の調子(少なくともツールでは明らかに不調)、そしてチームもサガン一本という訳ではないメンバー構成(というかサガンのスプリントのアシストが少ない構成…)で、果たしてどのように戦うのか、注目していきましょう。

 

ルノー・デマール(グルパマFDJ)

今回出場するスプリンターの中で、本人の調子とチームのアシスト態勢を一番しっかり揃えてきたのがデマールでしょう。

レース再開後はミラノ~トリノやフランス国内選手権で強力なライバルを蹴散らして勝利を挙げるなど好調で、チームも完全にデマールのためのメンバー構成になっています。

昨年惜しくも逃してしまったマリア・チクラミーノに向けて、今大会最強と言えるスプリンターズチームを従えての活躍が期待できそうです。

 

マイケル・マシューズ(チーム・サンウェブ)

ツールはまさかのメンバー外となってしまったマシューズですが、本人の調子はかなり良好です。

ミラノ~サンレモ3位にブルターニュ・クラシック優勝、そして獲得標高5000m以上とかなり厳しいレイアウトだった世界選手権でもしっかり生き残って7位に入っていました。

そのスプリンターとしては破格の登れる能力は、意外とピュアスプリントの機会が少なそうな今回のジロのステージ構成では大きな武器になるはずです。

ただ、チームはリードアウト要因がいないような編成なので、ゴール前は単騎での勝負になりそうなのは不安材料ですが…。

個人的には、パリ~ニースやツールで見せたチームの好連携に乗り、丘陵ステージでの勝利を狙っても面白いのではないかと期待しています。

 

エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス

個人的には、ある意味でサガン以上に注目しているのがヴィヴィアーニです。

2017年までの恵まれなかった「暗黒時代」、そこからクイックステップに移籍して勝ちまくった2年間の「絶頂期」。

そして、久々のワールドチーム登録復帰となるコフィディスへの移籍。

チームとしては「ツールで勝てる人材」としてヴィヴィアーニを獲得したはずですが、残念ながらツールではスプリント勝負に絡む事もなく…というか、ヴィヴィアーニは今シーズン未だに1勝もできていないままです。

果たして、このままズルズルと勝てないまま時間が過ぎてしまうのか、母国イタリアで大きな勝利を挙げるのか、注目です。

 

他には、最近調子が上がっていない感じですがフェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツは、本来の実力的にはスプリント賞の候補に入るはずです。

マキシミリアーノ・リケーゼとファンセバスティアン・モラーノによる強力なリードアウトもあるので、十分勝利を狙えると思います。

 

その他注目選手

新城幸也バーレーンマクラーレン

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6年ぶりのジロ出場となる、新城幸也選手!!

チーム編成的にもスプリントや総合をガッツリ狙う感じではないので、得意の逃げに乗る姿も期待できそうです。

そして、悲願のステージ勝利を成し遂げてくれたら…感涙ものですね!

期待、そして応援していますよ~!

頑張ってください!!

 

ヴィクトール・カンペナールツ(NTTプロサイクリング)

今回のジロは個人TTが3ステージもあるので、アワーレコード世界記録保持者のカンペナールツにとってはステージ勝利の大チャンスとなります。

フィリッポ・ガンナやローハン・デニスなど強力なライバルも多いですが、昨年のジロの個人TTでは2位が2回と悔しい思いをしただけに、リベンジに燃える思いもあるはずです。

メインスポンサーであるNTTの今シーズン限りでの撤退が発表され、チームの存続も危ぶまれる中でどんな走りを披露してくれるか、期待しましょう。

 

ビアス・フォス(チーム・ユンボ・ヴィスマ)

昨年のツール・ド・ラブニール覇者であるフォスが、遂にグランツール初出場です。

エガン・ベルナルにタデイ・ポガチャルと、ラブニール制覇の2年後にツールで総合優勝というとんでもない事態が2年続けて起こりましたが、果たしてこのフォスの才能はどれほどのものでしょうか。

ベルナルとポガチャルは特殊な例だとしても、ラブニール覇者はエース級の選手に成長するパターンが多いので、結果はともかくとしてその走りには注目です。

 

ミッケル・ビョーグ(UAEチームエミレーツ

こちらも期待の若手、世界選手権U23個人TT3連覇のビョーグ。

今年の世界選手権個人TTでエリートカテゴリーのデンマーク代表に選出されたように、やはり個人TTの評価は高いようです。

今回3つある個人TTのどれかで、上手く爆発出来たら面白いと期待しています。

 

レース日程が密…

過密日程で出場する選手層の厚みに不安もありましたが、こうやって改めて書き出してみると、しっかり楽しめそうな熱いレースになりそうな予感がしてきました!

しかし、冒頭でも触れましたが、中断期間の影響ですごい日程になっていますよね…。

特に10/25(日)

この3つが重なるという、とんでもない1日になっています。

見る側もなかなか大変ではありますが、逆に毎日楽しみが尽きないと考えて、みんなで盛り上がっていきましょう!

自分も上手くメリハリを付けながら、可能な限り楽しんでいきたいと思います!