よくぞここまで戻ってきてくれた!
この日も第2ステージと同様に、カテゴリー山岳の登場しない平坦ステージ。
ただ、道中にそれなりのアップダウンがある事と、フィニッシュ地点が若干の登り勾配になっているのが気になるところ。
なにせ、これまでも散々コースプロフィールに「誤差」を生じさせてきたブエルタだけに、「最後の勾配が実は厳しかった」なんてこともあり得る…というか、昨年の第10ステージがまさにそうだった。
この日の逃げは、ブルゴスBHのカルロス・カナルとアンヘル・マドラソ、エウスカルテル・エウスカディのジョアン・ボウという、プロチームの3人。
レース前に少し心配されていた横風の影響もなく、平穏な雰囲気を維持したまま特に大きな展開はなくレースは進んでいく。
本当にそのまま何も起こらないまま、残り13.5km辺りで逃げていた3人はメイン集団に吸収され、レースは集団スプリントに向けて加速していく。
イネオス・グレナディアーズやチーム・ユンボ・ヴィスマという総合系のチームが先頭に陣取ったまま、残り3kmのアーチを通過。
その直後、集団の中ほどで落車が発生。
なんと転んでいるのは、総合リーダーのレイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)。
ただ幸いにも落車のダメージは軽そうで、そして残り3kmを切ってからの落車だったので、タイム差が付かない扱いになる救済措置の圏内だ。
再スタートを切ってしっかりとフィニッシュまで走り切ったタラマエは、メイン集団と同タイムでのフィニッシュとみなされて、無事にマイヨロホのキープに成功する。
残り1.5km、集団の先頭で牽引を行っているのはアルペシン・フェニックス。
その後ろには、グルパマFDJがアルノー・デマールを引き連れてトレインを組む良い形で機を窺っている。
残り1km、アルペシンのジャスパー・フィリプセンは早くもアシストが残り1枚だけになってしまったため、一旦グルパマに前を譲る事を選択。
これで、グルパマのトレインが先頭、その後方にフィリプセンやファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)などが張り付く格好に。
残り300mを切って、フィリプセンのアシストであるはずのサッシャ・モドロが予想外の飛び出しを仕掛ける!
これは…グルパマの脚を使わせたいという事か。
ただ、肝心のフィリプセンがデマールの背中から離されてしまっているぞ…。
残り150m、最終コーナーを抜けると同時にデマールが最高の形で発射!
デマールは失速したモドロを尻目に先頭に躍り出る…けれども、その背中にはヤコブセンがピッタリとくっついて行く!
残り75m、ヤコブセンがデマールのスリップストリームを飛び出してスプリントを開始!
ギリギリまで力を温存していたヤコブセンはデマールを軽々と追い抜いていく!!
登り勾配のスプリントを制したのはヤコブセン!!
あの悲惨な落車事故から1年の時を経て、ドゥクーニンクが誇る次世代のエース候補ヤコブセン、ここに完全復活!!
一時は人工的な昏睡処置が必要なほどの重傷から、僅か1年でよくぞここまで復活してくれた…!
レースに戻ってきてくれた事、そしてブエルタでステージ勝利を挙げるレベルまでコンディションを戻してくれたことが、本当に嬉しくてたまらないぞ!!
そして、歓喜に包まれているヤコブセンを、チームの垣根を超えて多くの選手が祝福している!
おかえりなさい!ファビオ・ヤコブセン(DQT)👏
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】ブエルタ開催中🇪🇸 (@jspocycle) August 17, 2021
Cycle*2021 ブエルタ・ア・エスパーニャ 第4ステージ
【エル・ブルゴ・デ・オスマ 〜 モリナ・デ・アラゴン】163.9km
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/7oB1wDzcj1#LaVuelta21 #jspocycle pic.twitter.com/3s09Jp7UWw
チームを超えた祝福は本当によいものです🏺
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】ブエルタ開催中🇪🇸 (@jspocycle) August 17, 2021
Cycle*2021 ブエルタ・ア・エスパーニャ 第4ステージ
【エル・ブルゴ・デ・オスマ 〜 モリナ・デ・アラゴン】163.9km
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/7oB1wDzcj1#LaVuelta21 #jspocycle pic.twitter.com/MM85GUSNGL
本当におめでとう、ヤコブセン!!
君の輝かしいキャリアは、ここからまた始まるのだ!!