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【レース感想】ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 第8ステージ

完全復活!!

第8ステージは、今大会4度目となるカテゴリー山岳の登場しないスプリントステージ。

フィニッシュ地点は地中海に浮かぶ砂嘴という事で、横風分断もありえそうな感じかな。

 

この日の逃げはこれまた今大会お馴染み、アルペシン・フェニックス以外のプロチームから1人ずつの計3人。

メイン集団はドゥクーニンク・クイックステップとアルペシンが主に牽引して、逃げとのタイム差を最大で4分ぐらいでコントロールしている。

 

残り69km地点の中間スプリントポイントでは、メイン集団で先着争いが勃発!

ブエルタの中間スプリントポイントは先着5人までが獲得、そしてこの日は逃げが3人なので残す枠は2人分。

現在131ptで首位に立つジャスパー・フィリプセン(アルペシン)と、それを僅か1pt差で追いかけるファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク)は、アシスト総出で激しく競り合う!

その脇では、アルノー・デマール(グルパマFDJ)もアシストに導かれて上がってくる(カメラがアルペシンとドゥクーニンクの方に寄っていて見切れているけど…)!

全体4位通過で13ptを獲得したのはフィリプセン!

そして5位通過はデマール!

ヤコブセンがポイントを獲得できなかった事でフィリプセンとの差は14ptに広がり、そしてデマールは合計60ptとなり4位に浮上する。

 

残り36.4kmで逃げ集団が早めに吸収されると、特に他に大きな出来事もなくレースはいよいよ最終盤のスプリントに突入していく事に。

残り7kmを切ると、危険回避のために前方にいる総合系のチームに混ざって、ドゥクーニンクとチームDSMのトレインが早めに位置を上げてくる。

残り6km、先頭はドゥクーニンク…だけれども、アシストは残り3枚だけなので、ちょっと前に陣取るのが早い気もする。

残り4.5km、グルパマが位置を上げてくると、ドゥクーニンクはやはり無理をせずに一旦前を譲る事を選択。

残り3km、各チームが早めの展開でアシストの枚数が削られる中、ボーラ・ハンスグローエのトレインも最前列に上がってくる。

残り2.5km、UAEチームエミレーツもポジションを上げ、ボーラの斜め後方と悪くない位置につける。

残り2km、ブルゴスBHの選手が単騎で飛び出しを試みるけれども、UAEが集団を引っ張りすぐさま吸収し、UAEはそのまま最前列をキープ。

残り1km、集団の先頭はベルト・ファンレルベルフとフロリアン・セネシャルというドゥクーニンクのアシスト2人。

その後ろにはグルパマのトレインが張り付き、ドゥクーニンクは肝心のヤコブセンが少し後方だけれども…お構いなしで集団を引っ張り続ける!?

残り500m、ファンレルベルフが剥がれて先頭はセネシャル、その背中にはグルパマ、UAE、ボーラ、チーム・バイクエクスチェンジ、アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオの選手が1人ずつ並び、その後ろにフィリプセン、そしてヤコブセンと連なるかなりカオスな状況だ…!

セネシャルは他の誰も並ばせない猛牽引を見せながら最終コーナーを通過、そしてコーナーのインを突いて、ヤコブセンが前に上がってきた!!

コーナーの立ち上がりと同時にスプリントを開始するヤコブセン、その背後にはアルベルト・ダイネーゼ(DSM)とフィリプセンも張り付いているけれども、ヤコブセンは前を譲らない!!

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見事な連携、そして力強いスプリントを見せたヤコブセンの圧勝!!

ヤコブセンが上がってくると信じて全力で牽引を続けたファンレルベルフとセネシャル、そしてコーナーでインを抜けてしっかりと前方に上がってきたヤコブセンの連携は鮮やかだったし、そこから誰も並ばせずに圧倒的なスプリントを見せたヤコブセンの走りは本当に凄かった!

ヤコブセンはこれでステージ2勝目、そしてポイント賞ジャージを奪還!!

「奇跡の復活」だった1勝目を経て、「完全復活」の2勝目だ!!

 

いや~しかし、今年のブエルタはスプリントステージもかなり白熱するし、ポイント賞争いも面白くなってきた!

ここまで好調のヤコブセンとフィリプセンの2人だけでなく、惜しいスプリントが続いているダイネーゼや、実績では上回るデマールやマイケル・マシューズ(バイクエクスチェンジ)の反撃にも期待したいところ。

ここから先も、目が離せない!