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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2022 第2ステージ

宿願に向けての第一歩

第2ステージは、9.2kmと短めの個人タイムトライアル。

ラスト1.3kmが平均勾配4.8%と結構な勾配の登りになっているので、果たしてそれがリザルトにどれくらい影響するか。

 

序盤にターゲットタイムを叩き出したのは、5番出走のアレックス・ドーセット(イスラエル・プレミアテック)。

元アワーレコード記録保持者は、1時間ほどホットシートを温める事に。

 

ドーセットを上回るタイムを出してきたのは、今大会出場チームの中でタイムトライアル強者の層が最も厚いチーム・ユンボ・ヴィスマ勢。

まずは51番出走のヨス・ファンエムデンがドーセットのタイムを3秒更新すると、続いて56番出走のエドアルド・アッフィニが更にそのタイムを3秒更新。

 

30分ほどアッフィニがホットシートでくつろいでいた(お菓子か何かを食べていた)けれども、新たにトップタイムを更新したのは前日も積極的な走りを見せていた逃げの名手レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)。

元々2017年のU23世界選手権個人タイムトライアルで王者に輝いている実力者ケムナ、一時期の燃え尽き症候群から完全に復活してくれたようで嬉しい限りだ。

 

なかなか破られなかったケムナのタイムを更新したのは、140番出走のマッテオ・ソブレロ(チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコ)。

流石はイタリアの現タイムトライアル王者、後半の登りを見据えた巧みなペース配分を見せつける。

 

そしていよいよ出走順も最終盤、総合上位勢の登場。

まずその実力を見せつけたのは、2017年ジロ覇者にして昨年の東京五輪個人タイムトライアル銀メダリストであるトム・デュムラン(ユンボ)!

ソブレロのタイムを一気に7秒も更新!!

完全復活に向けて、まずはステージ勝利…かと思っていたら…。

 

デュムランの次に出走したサイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ)が、中間計測でデュムランを1秒上回っている…!?

サイモン・イェーツはそのまま登りも快調に飛ばし、なんとなんとフィニッシュ地点では5秒も上回る驚愕のタイムでフィニッシュ!!

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サイモン・イェーツ、宿願の総合優勝に向けて最高の船出となるステージ勝利!!

しかし、まさかサイモン・イェーツがグランツールのタイムトライアルステージを制するとは…!!

確かにパリ~ニースの個人タイムトライアルでもステージ5位と、上位に食い込んでいたけれども、この結果を予想できた人は少ないのでは?

今後は登りが含まれていて距離が短い個人タイムトライアルなら、普通に優勝候補として考える必要があるな…。

 

その後、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)やウィルコ・ケルデルマン(ボーラ)といったタイムトライアル能力に定評のある総合系選手がしっかり上位に入りつつ、最後の最後にもう一つサプライズが待っていた。

最終走者、ピンク色のリーダージャージを身に纏ったマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が、この日も魅せててくれる。

なんと、デュムランを上回り、ステージ2位となる快走を披露!!

総合首位の座をガッチリとキープ!!

もう何と言うか…、コメントのしようもないわ。

凄い。

ただただそれだけだ。

 

総合争い全体としては、サイモン・イェーツ、デュムラン(+5秒)、トビアス・フォス(ユンボ、+17秒)、ケルデルマン(+17秒)、ティメン・アレンスマン(チームDSM、+18秒)、アルメイダ(+18秒)辺りは好走、一歩リードと言ったところか。

そして、ロマン・バルデ(DSM、+24秒)、ペッリョ・ビルバオバーレーン・ヴィクトリアス、+26秒)、リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、+28秒)ぐらいまでは上手く纏めたと言っていいかな。

その一方、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ・カザクスタン・チーム、+42秒)、ギヨーム・マルタンコフィディス、+45秒)、ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、+50秒)など、いきなり結構なビハインドを背負ってしまう選手も…。

 

続く第3ステージでは総合争いは一旦ひと休み、そして休息日を挟んでイタリアに舞台を移すと、第4ステージでいきなりエトナ山の山頂フィニッシュが待ち受ける。

始まったばかりのジロ、勝負はまだまだこれからだ。