「真夏」の開幕戦!
真夏のオーストラリアを舞台に繰り広げられるワールドツアー初戦、ツアー・ダウンアンダー!
長い登坂が設定された山岳ステージは無いけれども、平坦ステージと厳しい丘陵ステージがバランスよく登場するので、開幕から多くの選手の活躍が見られそうで楽しみだ。
第1ステージ
短い急坂は登場するけれども、おおむね平坦基調なので集団スプリントが予想されるレイアウト。
ゲオルグ・ツィマーマン(アンテルマルシェ・ワンティ)とルイ・バレ(アルケア・B&Bホテルズ)の2人による逃げは、残り61kmというかなり早い時点でメイン集団に捕まる流れに。
そのままメイン集団は一塊になってレースを進め、終盤の起伏でも飛び出しなどを試みる選手が現れず、やはり大集団でのスプリントに向けて、スプリントチームがペースを上げていく。
オーストラリアチャンピオンジャージを着るルーク・プラップ(チーム・ジェイコ・アルウラー)が長い牽引を終えると、集団先頭での主導権争いが激化。
まずはモビスター・チームやリドル・トレックが前方にトレインを展開するけれども、残り2kmを切ってスルスルっと位置を上げていくのは、ボーラ・ハンスグローエのトレイン。
残り1kmを切ると、ボーラはライアン・マレンがそのまま先頭を奪取、その背中には現役最高峰のリードアウターであるダニー・ファンポッペル、そして新エースのサム・ウェルスフォードと並ぶ、理想的な態勢だ。
ウェルスフォードの背後には、カレブ・ユアン(ジェイコ)、フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)、マティアス・バチェク(リドル)、ビニアム・ギルマイ(アンテルマルシェ)と、ライバルチームのエースが張り付いている。
残り200mを切った辺り、最高のリードアウトを受けたウェルスフォードがスプリントを開始!
ほぼ同時にスプリント始めたをユアンが、逆サイドから一旦はほぼ横並びの位置にまで上がってくるけれども、そこから伸びることが出来ない。
トップスピードで踏み続けるウェルスフォードを追いかけるのはバウハウスとギルマイの2人、しかしウェルスフォードには届かない…!
完璧なチームワークからの強力なスプリント!
ウェルスフォード、移籍初戦での価値ある勝利!
マレンの牽引、ダニー・ファンポッペルのリードアウト、そしてウェルスフォードの失速しないスプリント、全てが完璧に噛み合った!
昨年ブレイクの兆しを見せていたウェルスフォード、トラック競技からやってきたオールドルーキーがこのまま本格化となるか。
第2ステージ
全体的に細かなアップダウンが多く、そしてフィニッシュの10km手前で急勾配が登場する、パンチャー向けに見えつつ集団スプリントもゼロではなさそうな、なんとも予想が難しいレイアウト。
ファーストアタックを決めたのは、ヤルディ・ファンデルリー(EFエデュケーション・イージーポスト)とルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム)の2人。
メイン集団は先頭の2人に最大で3分半ほどのリードを与えたけれども、レース中盤以降はしっかりと差を詰めていき、残り20km辺りで逃げを吸収。
直後に登場する「フォックス・クリーク」の登りに向けて、徐々にメイン集団の緊張感が高まっていく。
残り10kmを切ってから、登坂区間でペースアップを仕掛けたのはスーダル・クイックステップ。
メイン集団は一気に縦に引き伸ばされ、たちまちピュアスプリンターは脱落していく厳しい展開に。
スーダルの動きに被せて先頭を奪ったのは、前日も牽引でかなりの仕事量をこなしていたプラップ。
プラップはかなり厳しいペースを保ち続けて自然と抜け出すような格好になり、唯一反応できたジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ)と2人で、そのまま山頂を通過!
残すは8kmのみ、プラップとナルバエスならこのままフィニッシュまで行ってしまう可能性もあるように思えたけれども、残念ながら2人はあまり協調体制がとれていない。
対するメイン集団からは、UAEチームエミレーツ期待の新人イサーク・デルトロがフィン・フィッシャーブラックを引き連れて先頭の2人を猛追、遅れて他の選手もその後方に連なる。
残り6kmを過ぎた当たりで先頭の2人はメイン集団に飲み込まれて、一旦レースは振り出しに。
この時点で、ピュアスプリンターは…ほぼ残っていない。
残り5kmを切った辺り、クイン・シモンズ(リドル)とバスティアン・トロンション(デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル)の2人が飛び出しに成功。
この2人はしっかりとローテーションを回して、協調体制でフィニッシュを目指す流れに。
ただ、追いかけるメイン集団もペースを落とさず、じわじわと先頭の2人に近づいていく。
残り1km、もうすぐ先頭の2人が捕まる…と思ったその瞬間、メイン集団の中からものすごい勢いで飛び出していくUAEのジャージが…。
なんと、ここでまたデルトロ!!
メイン集団を飛び出し、先頭の2人を一気に追い抜かし、そのまま爆走!!
メイン集団もイスラエル・プレミアテックの牽引で追いかけるけれども、デルトロのスピードがとんでもなく速い!!
そのままフィニッシュまで押し切る…!!
メキシコからの超新星デルトロ、衝撃の1kmロングスパート勝利!!
プロ3レース目でワールドツアー勝利という、とんでもない快挙!!
いやいやいや…凄すぎ!!
勝利という結果以上に、その勝ち方よ!
残り1kmから飛び出してそのまま押し切るとか…限られた超一流選手にしかできない勝ち方でしょ…!
昨年のツール・ド・ラブニールで総合優勝+各賞総なめという驚愕のリザルトを残していたから、かなり走れるのだろうと期待はしていたけれども…。
これは完全に想像以上…、間違いなくとんでもない逸材だ。
第3ステージ
若干のアップダウンはありつつも、全体的に難易度は低いのでまず間違いなく集団スプリントになりそうなレイアウト。
山岳賞ジャージを着るバーンズを含んだ逃げ集団は、それぞれの選手が山岳ポイントや中間スプリントという目的地を通過すると離脱して、気が付けばバーンズの護衛として共にファーストアタックを仕掛けたトリスタン・サンダースのみに。
そのサンダースも残り30km辺りでメイン集団に吸収されて、レースは集団スプリントに向けて徐々に緊張感が高まってくる。
残り13km、速度の上がったメイン集団で落車が発生。
転倒しているのは…アスタナ・カザクスタンチームの選手が3人、バーレーンの選手は…キャメロン・スコット、そしてもう1人は…オーストラリアチャンピオンジャージのプラップ。
プラップは骨折こそなかったけれども、肩から背中にかけてかなりひどい擦過傷を負ってしまい、フィニッシュ後にスコットと共にリタイアを選択することに…。
残り4kmを切ると、ボーラがトレインを組んでメイン集団の先頭をキープ。
第1ステージで勝利を挙げたウェルスフォードを守るアシストは残り3人と、このままゴリ押しするには厳しいようにも思える。
直後、緩い登りで先頭に出てペースを上げたのは意外にもモビスターの選手、エースはイバン・ガルシアか。
ただ、モビスターの牽引は長くは続かず、アルペシン、アンテルマルシェ、イネオスと、主導権を握るチームがころころと変わっていく。
残り1kmを切って、ここでまたボーラが先頭を奪取!
マレン、ダニー・ファンポッペル、そしてウェルスフォードと、この残り距離でこの態勢なら、盤石と言っていい!
マレンの牽引で集団を縦に延ばし、残り300mからは最終発射台ダニー・ファンポッペルの仕事!
現役最高峰のリードアウターは、他のチームを横に並ばせない素晴らしいスピードでウェルスフォードをエスコートする!
そしてエースのウェルスフォード、若干の登り勾配を苦にせず、フィニッシュまで突き抜ける!!
またしてもボーラトレインがスプリントを制圧!!
ウェルスフォード、第1ステージに続いてのステージ2勝目!!
いや~強い!
最高のお膳立てをするチーム力、その働きにしっかり応える絶好調なエース。
ライバルチームはちょっと手の出しようがない感じだ。
第4ステージ
コース中盤の3級山岳以外はほぼオールフラット、今大会3度目の…そして今大会最後の集団スプリント間違い無しなレイアウト。
この日逃げを選択したのは、ヴィニシウス・ハンジェウ(モビスター)とジャクソン・メドウェイ(オーストラリアナショナルチーム)、それぞれ22歳と19歳の若手コンビ。
逃げが2人ということで激化したのは、メイン集団での中間スプリントポイントにおけるボーナスタイム争い。
2度の中間スプリントポイントで、3着まで…メイン集団からは先頭の1人だけが獲得できるボーナスタイムを狙って動いたのは、ナルバエス。
しかしここはどちらもジェイコのアシストがナルバエスを刺して、ボーナスタイムを潰すことに成功。
ナルバエスが総合争いのために積極的に動くのと同時に、ジェイコはプラップを失いながらも、地元チームとしてまだまだ本気だ。
その後は特に大きな動きもなく、残り12km辺りで逃げていた2人が捕まると、レースは一気に集団スプリントへの流れに。
残り5km、メイン集団の先頭に選手を並べるのはイネオス、前日ステージ2位に入ったヴィヴィアーニで勝負の構えか。
フィリッポ・ガンナにジョシュア・ターリングと現役屈指の牽引役を2枚揃えるイネオスは、なかなか他のチームに主導権を譲らない。
しかし残り3kmを切ると、そのイネオスの隊列に上手く潜り込むようにボーラのトレインが…今大会最強のトレインが、しっかりと位置を上げてくる。
残り1km、ターリングが最後の最後まで力を振り絞りペースを上げると、メイン集団はかなり縦長…というか、なんだか細切れな感じになるほど厳しい展開に。
イネオスはベン・スウィフト、ヴィヴィアーニ、ナルバエスがしっかり連結、ボーラはマレンとダニー・ファンポッペルは連なっているけれども、その後ろにはギルマイが入り込み、ウェルスフォードはその背中に張り付いている。
若干の登り勾配ということもあり、ダニー・ファンポッペルの牽引が緩むとその隙にナルバエスが加速!
ナルバエスを発射台としてヴィヴィアーニが絶好の位置から最終スプリントを開始…したと思ったら、ヴィヴィアーニはそこから失速!?
その隙に、ギルマイ→ヴィヴィアーニ→ナルバエスと、先行する選手の背中を上手く乗り継いだウェルスフォードが最高速で先頭に躍り出る!
ギルマイが追いかけるけれども、ウェルスフォードには届かない…!!
混沌とした展開でも関係なし!!
ウェルスフォードが圧巻のスプリント3戦全勝!!
完璧なトレインから発射…という訳ではなかったけれども、いい位置まではしっかり運んでもらい、そこからはライバル選手の動きをかなり上手く利用して、最後は力勝ち!
こんな勝ち方もできるとは…。
ウェルスフォード、これはやはり「本物」か。
第5ステージ
ダウンアンダー名物「ウィランガヒル」を2度登る、総合勢の争いが勃発するであろうステージ。
4年ぶりに登場するウィランガヒル、はたしてどんな展開になるのか。
4人の逃げ集団に3分ほどのタイム差を許容しながらレースを進めたメイン集団だったけれども、1度目のウィランガヒル登坂の途中で、最後まで逃げ残っていたカスパー・ピーダスン(スーダル)をキャッチ。
山頂の山岳ポイントは、山岳賞ジャージを着るバーンズが先頭通過して山岳賞のキープに成功。
コンチネンタルチーム所属、そしてオーストラリアナショナルチームとして出場のバーンズ、並み居るワールドチームの選手を押しのけての山岳賞獲得まで、あと一歩だ。
そしていよいよ2度目のウィランガヒル、登坂距離3.4km・平均勾配7.3%の勝負所へ突入。
登坂区間に入り、メイン集団を牽引するのはクリス・ハーパー(ジェイコ)。
ハーパーのペースはなかなかに強烈で、各チームのエース級の選手以外は徐々にふるい落とされていく。
残り1.5kmを切り、20人弱にまで絞られたメイン集団は、先頭のハーパーから、オスカー・オンレー(チームDSMフェルミニッヒ・ポストNL)、ナルバエス、サイモン・イェーツ(ジェイコ)、総合リーダージャージを着るデルトロ、ジュリアン・アラフィリップ(スーダル)、スティーブン・ウィリアムズ(イスラエル)、ミラン・ファデル(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)、バルト・レメン(ヴィスマ)、ヴァランタン・パレパントル(デカトロン)…と言った感じの並び。
残り1km、相変わらずハイペースを刻むハーパーに対して、その背後につけていたオンレーとナルバエスがお見合いをしたことで少しギャップが生まれてしまうけれども、ここは人数を残していたヴィスマが引っ張り、ハーパーをしっかりキャッチ。
ハーパーを捕まえたレメンがそのまま先頭に立ってペースメイク…と思った矢先、アタックを仕掛けたのはサイモン・イェーツ!
反応できるのは、ナルバエス、オンレー、レメン、アラフィリップ、ウィリアムズ、デルトロ、ヴァランタン・パレパントルの7人のみ。
残り300m、デルトロがヴァランタン・パレパントルと共に千切れてしまい…デルトロは総合首位を守るために踏ん張れるか。
その直後、サイモン・イェーツが踏みを緩めた隙に、アラフィリップが加速!
付いていけるのは、オンレー、ナルバエス、ウィリアムズの3人!
残り200mを切った辺り、アラフィリップが意外と早く失速すると、先頭に躍り出たのはオンレー!
ウィリアムズとナルバエスも必死に追いかけるけれども、オンレーはそのまま勢いよく踏み続ける!!
4年ぶりのウィランガヒルを制したのは、弱冠21歳のオンレー!!
オンレーはこれが嬉しいプロ初勝利!!
ウィランガヒルの登坂で常に2~3番手の良いポジションをキープし続け、それでいて決して焦って仕掛けたりはせず、最後の最後にアタックで決め切るという、強さと同時に上手さが光っての勝利だった!!
昨シーズン、大きなリザルトを残してはいないけれども地味にポテンシャルは見せ続けていたので、秘かに期待していた選手だったんだけれども…これは強いぞ!
そして総合首位は、ステージ2位に入ったウィリアムズが奪取!!
しかし、総合2位にタイム差なしでオンレー、5秒差でナルバエスとデルトロ、13秒差でアラフィリップ、レメン、サイモン・イェーツと、総合争いはかなりの接戦。
勝負の行方は最後の最後まで分からない。
第6ステージ
最終日は、1級山岳マウント・ロフティを3回登る、総合争い最後の決戦の場となるステージ。
かなり僅差になっている総合争い、一体どんな展開になるか。
まずスタート直後に登場する1級山岳では、山岳賞ジャージを着るバーンズが2位通過に成功して、完走さえすれば山岳賞獲得が確定。
その後逃げを選択したのは、今シーズン限りでの引退を表明しているシモン・ゲシュケ(コフィディス)や、期待の新星アントニオ・モルガド(UAE)など、なかなかの曲者揃いな7人。
「可能な限り長く逃げる、あわよくばステージ勝利を狙う」という共通の目的を持った7人は、山岳ポイントや中間スプリントポイントで激しく争うことをせず、協調体制で逃げ続ける。
最大で4分弱ほどのタイム差を許された先頭の7人だったけれども、メイン集団はレース中盤からペースを上げて、一気にタイム差を縮めにいく。
かなり長時間メイン集団を引っ張ったガンナが残り10kmで仕事を終えると、先頭とのタイム差はわずか30秒に。
残り10kmは登り基調、そしてフィニッシュは登坂距離1.6km・平均勾配6.5%のマウント・ロフティ。
やはりここは、総合勢での争いになりそうだ。
残り4kmで逃げが全て吸収されると、メイン集団を引っ張るのは、総合8位のヴァランタン・パレパントルを抱えるデカトロンのアシスト選手。
しかし、人数を揃えるイネオス、総合首位のウィリアムズを擁するイスラエルが前方に出てきて、主導権を主張する。
残り2km、ここで集団先頭に出てきてペースアップを図るのは、前日に続いての高速山岳牽引となるハーパー。
実力者ハーパーによる強烈な絞り込みに、ナルバエス、デルトロ、オンレー、ウィリアムズといったライバルが警戒を強めて位置を上げる一方、ジェイコとしては肝心のサイモン・イェーツの位置が良くないように見えるけれども…?
残り1.6km、まだフィニッシュまで結構距離を残しているこのタイミングでアタックを仕掛けたのは、なんとデルトロ…!!
第2ステージを彷彿とさせるデルトロの強烈で長いアタックに追随できたのは、ナルバエス、ローレンス・ピシー(グルパマFDJ)、ウィリアムズ、レメン…だけ!?
うわ、オンレーとサイモン・イェーツが離されたのか…。
デルトロ、本当にとんでもない選手だ…。
デルトロがいったん脚を緩めると、牽制状態に陥った隙をついて、総合争いとは関係の無いピシーがアタック!
追いかける4人は少しお見合いをしてしまったけれども、ボーナスタイムの欲しいデルトロがライバルを引き連れながらペースを上げて、ピシーをキャッチ。
デルトロのペースにレメンが一旦千切られるけれども、先行する3人が牽制でペースを落としたことで、残り200mで再合流…と思ったその瞬間!
総合首位を守るためにはステージ勝利が決して必須ではない、ウィリアムズがアタック…!!
ディフェンシブに振る舞うのが定石であるはずのウィリアムズによるアタックに虚を突かれたのか、ナルバエスもデルトロも加速が少し遅れる!!
ウィリアムズは冷静に後方を振り返る余裕を見せながら、踏みを緩めない!!
リーダージャージを着用しながらの、鮮やかな勝利!!
ウィリアムズ、ステージ勝利を飾って文句無しに総合優勝を掴み取った!!
「タイム差さえ付かなければステージ2位でも大丈夫…」というシチュエーションで、しっかりステージを獲って総合優勝を飾る、そのハートと走りの強さ!
最終局面までは慌てず静かに対応を続け、そして最後の最後にアタック一閃!
いや~、気持ちのいい勝ち方だった!!
ウィリアムズ、おめでとう!!
ニューカマーの活躍
改めて最終成績を確認。
- 総合優勝:スティーブン・ウィリアムズ(イスラエル・プレミアテック)
- 総合2位:ジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ)
- 総合3位・イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ)
- ポイント賞:サム・ウェルスフォード(ボーラ・ハンスグローエ)
- 山岳賞:ルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム)
- ヤングライダー賞:イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ)
総合優勝はウィリアムズ!
最終ステージで見せた強さ、そして余裕。
昨シーズンのアークティック・レース・オブ・ノルウェーで総合優勝したのは知っていたけれども、完全に自分の想定していた以上の強さだった。
総合2位はナルバエス!
前哨戦のクリテリウムで勝利を飾り、ダウンアンダー本戦は6日間積極的に動き回って、この結果に。
そもそも優秀なパンチャーだったけれども、登坂力もスプリント力も更に磨きがかかったのでは?
そして驚異の新人デルトロが、総合3位に入ってヤングライダー賞も獲得!
いや~、間違いなく今大会最大の衝撃!
第2ステージの勝ち方は文字通り「ぶっ飛んで」いたし、山岳でも積極的に仕掛けて総合3位に入ってしまうのだから、本当に驚いた。
昨年のラヴニールで総合と各賞総なめなど、強いのは分かっていたけれども、まさかここまでとは…!
ポイント賞は、スプリントステージ3戦全勝のウェルスフォード!
昨年トラック競技からロードレースに転向した「遅れてきた新人」、改めてそのポテンシャルの高さを披露!
この走りを継続出来たら、もう完全にトップスプリンターの仲間入りだ。
山岳賞は、地元オーストラリアの意地を見せたバーンズ!
コンチネンタルチーム所属ながらオーストラリアナショナルチームとして出場、そして結果を残したのはお見事!
積極的であると同時に、的確な仕掛けどころが光っていたと思う。
デルトロ、ウェルスフォード、そしてステージ勝利を挙げたオンレーに、最終ステージで逃げたモルガドと、「新しい顔」の活躍が目立った今回のダウンアンダー。
新しい選手が活躍するのは、その後の活躍を期待・想像すると、ファンとしては楽しみが増えて、とても喜ばしいことだ。
それと同時に、実績十分な中堅・ベテランは、恐らくここからしっかり仕上げてくるんだろうな~と、思ったりもする。
いよいよ始まった2024年のロードレースシーズン、いろいろな選手が活躍して、とにかく盛り上がってくれることを期待しようではないか~!
それでは、また!
おまけ
今日の1枚
はっちゃけ表彰台