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【レース感想】ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2022

最後の最後まで分からない総合争い!

スペイン北東部に位置するカタルーニャ地方を巡るステージレース、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ

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例年通り、スペインらしいアップダウンが頻出するコースレイアウトが続くので、今回もクライマーやオールラウンダーを中心にいいメンバーが揃っている。

昨年はイネオス・グレナディアーズによる総合表彰台独占という驚きの結果になったけれども、果たして今回はどのような展開になるか。

 

第1ステージ

平坦カテゴリーながら3つの3級山岳が登場し、更にはフィニッシュも登り勾配とパンチャー向け、もしくは登れるスプリンター向けなカタルーニャらしさ全開なステージ。

 

序盤はアタック合戦が続き、そしてやっと逃げが形成されたと思ったら今度は横風分断でメイン集団が2つに分かれる、いきなり激しい展開に。

チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコがメンバー全員を前方集団に乗せるなんてサプライズもありつつ、それでも結局残り50km辺りで集団は合流する事に。

その後、集団は激しい雨に見舞われながら、新たに形成された逃げも10km辺りで吸収して、レースは集団スプリントに向かって加速していく。

 

アップダウンの続く市街地の中、メイン集団を牽引するのはイネオス、チーム・ユンボ・ヴィスマ、クイックステップ・アルファヴィニル辺り。

今回はクイックステップもスプリンターを連れてきていないので(この日の登りフィニッシュはアンドレア・バジョーリで勝負する可能性はあるけれども…)、危険回避を目的とした総合狙いのチームばかり前にいるという、およそ平坦ステージらしからぬ光景だ。

残り4km辺りからはクイックステップが先頭で牽き続ける中、そもそも数の少ないスプリンター勢で前方をキープできているのは、ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス)とマイケル・マシューズ(バイクエクスチェンジ)ぐらい、しかもこの2人も気が付けば単騎での戦いになっている。

テクニカルなダウンヒルを抜け、残すはフィニッシュに向けて約1kmの登り勾配!

残り500m、意外な早掛けを仕掛けたのはなんとリチャル・カラパス(イネオス)!

ただ、カラパスの加速は集団を千切る程ではない。

残り200mを切ってスプリントを開始したのはコルブレッリとマシューズ!

お互いに相手の背中を利用せず、逆サイドのフェンス際で全力の登りスプリントを見せる!

コルブレッリの背中にはカンタン・パシェ(グルパマFDJ)が飛び乗って機を窺う!

残り25mを切って、勢いを失わないのは…マシューズだ!!

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「登れるスプリンター」の本領発揮!!

マシューズが2シーズン振りの勝利!!

まさしく「マシューズ向け」のステージだとは思っていたけれども、ここまで鮮やかに勝つとは!

古巣に復帰後初の勝利でもあるマシューズ、ここから勝利を量産だ!

 

そして、2位に入ったコルブレッリなんだけれども…。

フィニッシュ直後に突如倒れ込んで意識を失ったとの報せが…。

一時は心肺停止状態にまでなったけれども、迅速な措置の甲斐もあり幸いにも意識を取り戻し、現在は容体も安定しているとの事。

これから精密検査を受けるらしいので、何もなければいいんだけれども…。

 

第2ステージ

前日よりはピュアスプリンター向きな平坦ステージ(と言いつつ、獲得標高は2300mもあるらしいけれども…)。

 

この日の逃げは、4秒遅れで総合3位(更に、山岳賞とヤングライダー賞トップ)のヨナス・ヴィデバーグ(チームDSM)を含む3人。

ヴィデバーグは2度の中間スプリントポイントでボーナスタイムを稼いだ上に、山頂通過時に山岳ポイントも積み重ねる事に成功。

これが後で結構大きな意味を持つ事に…。

 

中継開始からしばらくすると、3級山岳でリッチー・ポート(イネオス)が遅れていく姿が…。

そしてポートはその後、リタイアを選択。

直近のティレーノ~アドレアティコでは総合4位と悪くない走りをしていただけに、この走りはちょっと心配だ。

と言うか、ポートに限らず、ここ最近の「新型コロナ以外の体調不良」によるリタイアや出走取りやめの多さは、一体何なんだろうか…。

 

残り58.4km、メイン集団でトラブルが発生してしまう。

下りのコーナーでマティアス・スケールモース(トレック・セガフレード)がクラッシュ、そしてなんとガードレールを越えて崖下に転落…!?

幸い、あまりひどく転落したわけではなく、自分の脚ですぐ登ってきたスケールモースはそのままレースに復帰。

いや~、無事でよかったよ…。

 

残り30kmを切った辺りで逃げを吸収したメイン集団は、吹きさらしの横風区間でペースアップ!

集団が縦に引き伸ばされる中、残り16.4kmのコーナーでサイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ)が痛恨の落車…!

サイモン・イェーツが30秒以上遅れた第2集団となってしまったバイクエクスチェンジは、マシューズとカデン・グローヴス以外のメンバー全員でサイモン・イェーツをメイン集団へ戻そうと試みるけれども…、これはなかなか厳しいミッションだ…。

一方のメイン集団はイネオスやバーレーンなどのチームがペースを上げ、集団は完全に分裂。

その影響もあり、サイモン・イェーツは33秒ものタイムを失ってフィニッシュする事になってしまった。

 

人数を減らしながらもスプリントに向けて先頭を走るメイン集団、最終盤に向けて牽引を担うのはクイックステップ

残り1km、クイックステップ2人の後ろにユンボも2人、その後ろには単騎の選手が続く。

残り800m辺りから、前日の勝者マシューズがグローヴスを引き連れて徐々に前方へと位置を上げて来る。

残り300m、先頭からマシューズ、フィル・バウハウスバーレーン)、グローヴスの並びだ。

最終コーナーを抜けて残り150m、バウハウスがスプリントを開始!

その背後にはグローヴスがピッタリと張り付いている!!

残り75mを切ると、グローヴスがバウハウスの背中から飛び出す!!

最後は両者がハンドルを投げての際どいフィニッシュ!!

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僅差のスプリントを制したのは…グローヴス!!

グローヴスはワールドツアー初勝利、そしてバイクエクスチェンジはステージ2連勝!!

サイモン・イェーツがタイムを失ったので、チームとして100点とは言えない結果かもしれないけれども、しっかり勝利を稼いだのは素晴らしい!

ちなみに、この日の自分の予想は…。

前日に続き、見事的中!

スプリンターがあまり出場していなくて選択肢が少なかったけれども、これは嬉しい!

 

そして、第2ステージを終えて総合首位に立ったのは…逃げから先頭集団に生き残ったヴィデバーグ!

なんと、ヴィデバーグは総合成績だけでなく、ポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞もトップと、4賞独占!

恐らく翌日の山岳ステージでこれらをほぼ失うとは言え、栄誉を掴んだ積極性は素晴らしい!

 

第3ステージ

3つの1級山岳を登る、総合争いの幕開けとなるであろうステージ。

と言いつつ、2つ目・3つ目の1級山岳のレイアウトが緩いので、あまりタイム差は付かないかも…?

 

この日の逃げは4人、メイン集団とのタイム差は最大で8分ほど。

トム・デュムラン(ユンボ)、ファウスト・マスナダ(クイックステップ)といった総合系の有力選手が体調不良で途中リタイアする中、メイン集団は逃げとのタイム差をじわじわと縮めていく。

最後の1級山岳に逃げが突入した時点で、そのリードは僅か30秒程になっていた。

 

メイン集団の牽引がイスラエル・プレミアテック、ユンボ、バイクエクスチェンジと変わっていく中、大きな動きがあったのは残り8.4km。

ベン・オコーナー(AG2Rシトロエン)がアタックすると、集団はお見合い状態になり、オコーナーが単独で抜け出す事に成功!

オコーナーは逃げ残りの選手を追い抜き、あっと言う間に単独での先頭に。

一方のメイン集団はどのチームが主導権を握るのかはっきりとせず、気が付けばオコーナーは20秒も先行している。

残り6.9km、なんとサイモン・イェーツがここでメイン集団から脱落!?

昨日の落車の影響…ではなく、どうやらパリ~ニースの後にインフルエンザに罹患していたため、調子がイマイチだった模様。

優勝候補であるサイモン・イェーツの脱落と言うハプニングはありつつ、メイン集団はイマイチ動きが活発にならないまま。

散発のアタックはいくつかあったけれども、どれも決定的な動きにはならず、オコーナーとのタイム差は縮まらないままフィニッシュまでの距離が少なくなっていく。

 

残り6km、オコーナーとメイン集団のタイム差は25秒。

残り5km、タイム差は動かない。

残り4km、未だ20秒のタイム差。

残り3km、オコーナーが下り勾配に入った事で、タイム差は24秒に。

残り2km、タイム差は…20秒のまま。

いやいや、メイン集団はいい加減縮めないと、オコーナーがこのまま逃げ切るぞ…?

このタイミングで、マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)に飛び出させている場合じゃないでしょ…。

残り1km、必死の表情で踏むオコーナーは未だに20秒のタイム差をキープ!!

逃げ切りが濃厚になってきた!!

残り500mを切るとメイン集団もペースを上げるけれども…時すでに遅し!!

オコーナーは単独でフィニッシュ地点へと向かう!!

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積極性を見せたオコーナー、見事な逃げ切り勝利!!

恐らく、終盤に仕掛けていたら捕まっていただろうから、残り8.4kmという早い位置でアタックした事がこの結果に繋がった!

それにしたって、昨年ツール・ド・フランス総合4位のオコーナーの抜け出しを容認したメイン集団の判断はどうなんだとは思うけれども…、オコーナーの走りが素晴らしかったのは間違いない。

そして、ライバル達に6秒(+ボーナスタイムの10秒)を叩きつけたオコーナーは、一気に総合首位に!

翌日はさらに厳しい山岳ステージ、面白くなってきた!

 

ちなみに、この日の予想は…。

イネオスはオコーナーを追いかける際、集団の牽引はしていたけどね…。

 

第4ステージ

前日に続いて1級山岳を3つ登る事になる、今大会のクイーンステージ。

 

レーススタート前、サイモン・イェーツが体調不良の為にリタイアという情報が入ってくる。

まあ、体調が悪いならここで無理しても仕方がないので、しっかりジロ・デ・イタリアに向けて調整して欲しいかな。

 

この日の逃げは6人…なんだけれども、その中になんと総合22位(33秒遅れ)のソレルの姿が!

UAEはフアン・アユソが10秒遅れ、ジョアン・アルメイダが16秒遅れ、ジョージ・ベネットが19秒遅れと、総合上位に多数の実力者を残せているからこその、強気な策だ…!

総合リーダーのオコーナーを抱えるAG2Rとしてはあまりタイム差を与える訳にはいかず、逃げとのタイム差が3分を越えないようなメイン集団の牽引を強いられる事に。

 

先頭集団は、残り13kmから始まる最後の1級山岳までに僅か2人にまで人数を減らしてしまった…と思ったら、登坂に入った直後にブルーノ・アルミライル(グルパマ)が単独での先頭に。

メイン集団とのタイム差は約40秒、アルミライルも捕まるのは時間の問題か。

長時間牽引を続けて人数を減らしてしまったAG2Rに代わってメイン集団を引っ張るのは、アルケア・サムシックの選手達。

メイン集団の人数がどんどん減っていく中、動きが出てきたのは残り12km辺りから。

アルケアの牽引を利用して、総合リーダーのオコーナーがそのまま抜け出しを試みる!

当然ライバルはこの動きに反応して、すぐさま追いつけたのはカラパス、ジョージ・ベネット、セルヒオ・イギータ(ボーラ・ハンスグローエ)の3人。

メイン集団がこの4人に追いつくと、直後に動いたのは意外にもジョージ・ベネット。

スルスルっと抜け出したジョージ・ベネットは、残り9.2km辺りでそのまま先頭のアルミライルに合流する。

約20秒後方のメイン集団は、イネオスが牽引。

フィニッシュまで9kmも残しているので、まだまだ余裕の構えか。

 

イネオスはヨナタンカストロビエホとカルロス・ロドリゲスによる強力な牽引を行い、メイン集団を厳しく絞り込みつつ、先頭に残っていたジョージ・ベネットを残り3.7km辺りで吸収。

イネオスの牽引は本当に凄まじくて、エステバン・チャベス(EFエデュケーション・イージーポスト)、ディラン・トゥーンス(バーレーン)、イバン・ソーサ(モビスター・チーム)といった一流の登坂力を持った選手も遅れていく…。

残り3.2km、先頭となったメイン集団にエース級しか残っていない状態になると、満を持してカラパスがアタック!!

カラパスの強烈な加速にすぐさま反応できたのはイギータのみだ!

メイン集団はアルメイダが得意のペース走法で引っ張って前を行く2人との差をじわじわと詰めていき、残り2kmを切った辺りで一旦合流。

これで、先頭からアルメイダ、オコーナー、カラパス、イギータ、キンタナ、ロドリゲス(あれだけ牽いたのにまだいるの!?)、ギヨーム・マルタンコフィディス)、アユソ、ワウト・プールス(バーレーン)と言う並びに。

アルメイダがそのまま強力なペースで前を牽き続けると、残り1.8km辺りから後続が千切れる…!

アルメイダに付いていけるのはカラパス、イギータ、キンタナのみ…って、え!?

アルメイダはチームメイトで総合タイムが自分より良いアユソを千切ってしまうのか!?

 

残り1.2km、先頭集団からイギータがアタック!

そしてそのカウンターで今度はキンタナがアタック!!

イギータは即座に反応、アルメイダとカラパスはペース走法を選択して、しばらくすると追いつく。

追いついたと思ったら、すかさずアルメイダがお返しとばかりにアタック!!!

この動きにカラパスが付いていけない…!!

失速してプールスに追いつかれたカラパスを尻目に、先頭は3人でフィニッシュに向かう!!

激しい鍔迫り合いを見せながら最終コーナーを抜けて残り75m、インから前に飛び出してきたのはアルメイダ!!

キンタナとイギータも横に並んできて、ほぼ横一線の登りスプリントだ…!!

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山頂での手に汗握るスプリント、勝利のガッツポーズを見せたのはアルメイダ!!

いや~、激熱!!

エース級のアタック合戦から最後は横一線のスプリント勝負とか、面白すぎでしょ!!

そして、この日の結果を受けての総合タイム差は…なんとキンタナとアルメイダが同タイムで並んでいる!?
順位付けはどうなるのかと思っていたら、ここまでのステージの順位の関係で総合首位はキンタナの手に!!

以下、3位イギータ(+6秒)、4位アユソ(+17秒)、5位プールス(+17秒)、6位オコーナー(+17秒)、7位トビアス・ヨハンネセン(Uno-Xプロサイクリングチーム、+23秒)、8位マルタン(+23秒)、9位カラパス(+26秒)と、総合30秒差以内に9人がひしめく大混戦だ!

この日総合争いの大勢が決するかと思われた今年のカタルーニャ、最後まで目が離せなないぞ!

 

ちなみに、この日の自分の予想はこんな感じ。

イギータはいい走りだったけど惜しかった…。

と言うか、イギータはパンチ力もある印象だったけれども、この日は脚を使い切っていた?

それとも、脚質がよりクライマー寄りに変化した可能性も…?

 

第5ステージ

目立った起伏は序盤に3級山岳が一つ登場するのみで、集団スプリントが予想される今大会の最長ステージ。

ただ、コルブレッリ、マシューズ、フアン・モラノ(UAE)といった有力スプリンターがリタイアを選択している事がどう影響するか…。

 

この日逃げた3人は全員がスペイン人、メイン集団とのタイム差は最大で4分ほど。

メイン集団は主にバイクエクスチェンジやクイックステップがコントロールして、逃げを残り20kmまで泳がせてから吸収する。

 

残り17kmに設定された中間スプリントポイントでは、総合勢によるボーナスタイム争いが勃発する。

最も積極的な姿勢を見せたのはプロチームのUno-X。

がっちり隊列を組んでヨハンネセンを先頭で通過させて、3秒稼ぐことに成功!

その一方、UAEは上手く連携が取れずにアルメイダが孤立してしまったけれども、キンタナと競りながらなんとか3位通過で1秒を稼ぐことに成功。

これで、キンタナと総合同タイムの2位だったアルメイダが総合リーダーに!

いや~、凄い緊張感の中間スプリントだった。

 

その後、緩斜面でのいくつかのアタックはありつつも、結局メイン集団はひと塊のままフィニッシュに向かっていく事に。

残り3km、前方でまともなトレインを組めているチームがほぼいない、なんともカオスな状況だ…。

ユンボが2人、アルケアとバイクエクスチェンジが途切れながら3人…かな?

と思ったら、ユンボの2人はローハン・デニスにサム・オーメンと、スプリンターのダヴィド・デッケルがいないし…。

残り2km、バイクエクスチェンジの3人がなんとか上手く連結して先頭へ。

クイックステップも地味に上手く2人で位置を上げてきたか。

残り1.5kmでエウスカルテル・エウスカディの選手が単独での飛び出しを試みたけれども、これは実らず。

その直後、ラウンドアバウト出口の合流で、イラン・ファンウィデル(クイックステップ)が落車してしまう。

クイックステップ、ファンウィルデルは大事なリードアウト役だっただろうに、これは痛手だ…。

残り1kmを切ってから前に出てきたのは、他のチームが全く隊列を組めない中で2人の並びを揃えてきたアルケア!

残り200m、真っ先にスプリントを仕掛けたのはカナダチャンピオンジャージを着るギヨーム・ボワヴァン(イスラエル・プレミアテック)!

その背中に付くのは直前でアシストを失ったイーサン・ヴァーノン(クイックステップ)だ!

先ほどまで良い形に見えたアルケアは後ろに飲み込まれている…!

残り100m、ヴァーノンがボワヴァンを躱して先頭へ!!

残り50mを切ると、フェンス際からはバウハウスが一気に加速してくるが…時すでに遅し!!

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激しいガッツポーズでフィニッシュラインを突き抜けたヴァーノン、嬉しいプロ初勝利!!

直前でリードアウト役のファンウィルデルを失いながら、単騎で上手く位置取りをこなした上で素晴らしい伸びを見せてくれた!

ヴァーノンは第2ステージでも4位に入っていたので、そもそも今大会のメンバーの中ではスプリント力が結構上位なんだな…。

プロ1年目の21歳、今後の活躍が楽しみだ!

 

ちなみに、この日の予想は…なんとTweetし忘れ…。

 

第6ステージ

序盤に1級山岳と2級山岳、そして残り約30kmの位置にも2級山岳が設定された、なんとも展開が予想しにくいレイアウト。

パッと見た際には逃げ向きな気がしたけれども、ペース次第ではスプリンターが生き残る可能性も…?

自分の予想もなんだか予防線を張ってしまっている…。

 

中継開始前、そんな自分の弱気な予想なんか軽く吹っ飛ばすような、驚きの情報がテキスト速報で入ってくる。

1級山岳でルーク・プラップ(イネオス)が猛牽引を見せて、メイン集団が崩壊している…!?

メイン集団崩壊と言うか、プラップに付いていけたのがカラパスとイギータだけ…?

プラップはそのまま全ての力を振り絞って2級山岳まで牽引を続けて、そのまま途中リタイア。

総合9位カラパスの総合ジャンプアップのために文字通り捨て身のアシストを見せたプラップ、凄すぎる…!!

結果として、カラパスとイギータはメイン集団に対して最大で3分半のリードを作りながら2人で先行を続けると言う、誰も予想できなかったとんでもない展開に!

 

当然、メイン集団は総合リーダーのアルメイダを抱えるUAEが牽引の責任を担う事に。

UAEの豪華アシスト陣はこれまでのステージでもかなりの仕事量をこなしていた影響か、思うように先頭とのタイム差が縮まらないまま人数だけ減らしていく、なかなか厳しい展開だ…。

流石に途中からUno-Xやバーレーンも牽引に加わって先頭を追いかけるけれども、タイム差の縮まり方はとても緩やかで、徐々に逃げ切りの可能性が強まってくる。

残り25km辺りではメイン集団からアユソがダウンヒルで飛び出すなんて場面もありつつ、この動きも結局吸収(と言うか、チームから「アルメイダを守るために集団に戻るように」という指示があったかも?)。

残り20kmで1分15秒あったタイム差は残り10kmでもほぼ動かないまま、先頭を走る2人の逃げ切りがほぼ確実と言う状況になってきた。

 

残り3km、集団から飛び出した追走グループと先頭2人とのタイム差は依然1分。

逃げ切りは実質確定したので、残すはステージ勝利争いと、タイム差がどのくらいになるかだ。

最後の最後までしっかり共闘体制を崩さなかったカラパスとイギータも、残り1kmを切るとステージ狙いの牽制モードに突入。

カラパスは総合首位に立つことが間違いないイギータに前を牽かせて、はっきりとステージ狙いの姿勢を見せる。

流石にイギータも残り200m辺りからはスプリントを意識して、後方のカラパスを頻繁に振り返って確認しながら少しペースを抑えてスプリントに備えている。

残り100m、イギータがスプリントを開始!

カラパスは慌てずに残り25mまでイギータスリップストリームを利用して、最後の最後にイギータを差しに行く!!

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共闘してきた2人による争い、勝ったのは…カラパス!!

プラップの献身に見事に応えて見せた!!

 

そして後続集団が48秒遅れでフィニッシュした事で、イギータが総合首位に!!

共に逃げたカラパスが16秒差の総合2位にジャンプアップ、総合3位にスリップダウンしたアルメイダが総合52秒差、更には総合4位のキンタナは未だアルメイダと1秒差と、総合優勝や表彰台争いの行方はまだ分からない!

ここまで毎日総合リーダーが入れ替わっている今大会、果たして最終日はどんな展開が待っているか…。

 

第7ステージ

毎年恒例の「モンジュイックの丘」を含む周回コースを終盤に6週する、アップダウンが連続するレイアウト。

総合争いが激化しているので、この日は逃げ切りではなく総合勢によるステージ勝利と予想。

果たして、最終決戦はどんな展開を見せてくれるのか。

 

この日最初に出来上がった逃げは12人、ソレル、ステフェン・クライスヴァイク(ユンボ)、ジュリオ・チッコーネ(トレック)、トゥーンスなどの強力なメンバーが逃げに乗った事もあり、メイン集団を牽引するボーラはタイム差が1分前後になる様にコントロールしている。

周回コースに入ると、先頭からクライスヴァイクとパシェの2人が抜け出しに成功。

一方のメイン集団は、ボーラに代わってUAEが牽引を開始。

先頭の2人は、アップダウンの繰り返しでタイム差の増減を繰り返しながら、概ね1分弱ぐらいのタイム差をキープしている。

メイン集団では2周目と3周目で数名の飛び出しがあったけれも、それぞれあまり間を置かずに吸収されてしまう。

 

逃げとメイン集団のタイム差がじわじわと縮まる展開が続き、レースが動き始めたのは5周目(最後から2回目)から。

ロドリゲスがかなりのペースで集団の牽引を行って厳しい絞り込みを掛ける中、残り13.5kmでUno-Xが集団の先頭に立って、更なるペースアップを敢行。

気が付けば逃げは目の前、タイム差は10秒を切っている。

再びロドリゲスによる牽引にスイッチして残り13km、逃げを吸収すると同時にカラパスがアタック!!

すぐさまイギータが反応してこの動きを抑えると、カウンターでヨハンネセンがアタック!!

カラパスとイギータはもちろん追随、他にはアユソ、オコーナー、バジョーリ、サンチャゴ・ブイトラゴ(バーレーン)も反応できたけれども、総合3位のアルメイダと総合4位のキンタナが付いていけない…!?

このままだと総合順位がシャッフルする可能性があるぞ…!

 

残り10.8kmでブイトラゴがアタックすると、総合争いと無関係なブイトラゴは見逃されて、しばらくそのまま独走。

後続の集団が合流して総合争いが仕切り直しになって最終周回に突入後、ブイトラゴは結局残り5.4kmで吸収される。

残り5.2km、最後の「モンジュイックの丘」頂上まで約400mの位置で加速したのは、またしてもヨハンネセン!

しかし、そのヨハンネセンの背中にピッタリと張り付いたアユソが先頭を奪い、先ほどとは違いアルメイダを引き連れながら先頭で牽き始める!

こうして出来上がった新たな先頭集団は、アユソ、アルメイダ、イギータ、ヨハンネセン、オコーナーの5人。

…あれ?

カラパスがいない!?

なんだこのカオスな展開は…と思ったのも束の間、カラパスとキンタナはなんとかそれぞれ単独で合流に成功。

更にその後先頭が牽制状態となった事もあり、集団も先頭に合流して結局20人弱でフィニッシュへと向かう事になる。

 

最終コーナーを抜けて先頭に立ったのはマルタン、その背中にバジョーリがスッと飛びつく!

生き残ったメンバーの中では明らかにスプリント力が飛び抜けていたバジョーリ、難なく先頭に躍り出てそのままフィニッシュ!!

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カオスな展開を生き抜いて違いを見せたバジョーリ、これが嬉しいワールドツアー初勝利!

このモンジュイックの丘を生き残れるのなら、今後も色々なレースで勝利が狙えそうだ!

 

そして、総合勢はタイム差無しでフィニッシュした事で、イギータの総合優勝が決定!!

イギータも、ワールドツアーのステージレースでは初めての総合優勝!!

2019年にはツアー・オブ・カリフォルニアで総合2位、2020年にはパリ~ニースで総合3位とポテンシャルは見せていただけに、今回の結果で更に一皮むける事を期待したい!

 

最後の最後まで面白かった!

改めて、最終成績を確認。

 

  • 総合優勝:セルヒオ・イギータ(ボーラ・ハンスグローエ)
  • 総合2位:リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ
  • 総合3位:ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ
  • ポイント賞:カデン・グローヴス(チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
  • 山岳賞:セルヒオ・イギータ(ボーラ・ハンスグローエ)
  • ヤングライダー賞:セルヒオ・イギータ(ボーラ・ハンスグローエ)

 

総合優勝のイギータは、山岳賞とヤングライダー賞も同時受賞!

プロ1年目の2019年から活躍しているから少し意外だけれども、まだヤングライダー賞の対象なのか!

以前はもう少しパンチ力もあるように思っていたけれども、第4ステージと第6ステージではそれぞれキンタナとカラパスに後れを取ったのは、もしかしたら総合系として登坂力向上を目指して脚質が変化している可能性も…?

いずれにしても、そのポテンシャルを存分に発揮して、これからもどんどん活躍する事を期待したい!

 

総合2位のカラパスと総合3位のアルメイダ(特にカラパス)は、今シーズンここまでイマイチ調子が上がっていない様子も見受けられていたから、今回の走りと結果で「ひとまず安心した」というのが正直なところ。

今シーズン、両者ともにグランツールでエースを務める予定なので、ここからしっかりと仕上げていって欲しい。

 

いや~しかし、最終日以外は総合リーダーが入れ替わるという激熱の展開は最高に面白かったし、ステージ毎の中身も濃くて、多くの選手が積極的にアタックする姿を見せてくれたのは見ていて本当に楽しかった!

今後のステージレースでも、また熱い展開を期待したい!

 

それでは、また!!

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