まさに完全制圧!
「ロンド・ファン・フラーンデレンの前哨戦」として認知されている、E3サクソバンク・クラシック。
実際、過去23回の優勝者の内、9人がそのままロンドを制しているという、驚きの相関性らしい。
そんなロンドに向けた大事な一戦には、もちろんモニュメント制覇を目指す猛者が集結!
- 強力なチームメイトを得て今シーズン絶好調、異次元の脚質を持つワウト・ファンアールト(チーム・ユンボ・ヴィスマ)
- 昨年このE3とロンドを制したカスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴィニル)
- ミラノ~サンレモを制して勢いに乗るマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)
- 強力なダブルエース体制を敷くトレック・セガフレードのジャスパー・ストゥイヴェンとマッズ・ピーダスン
- 移籍を機に復調を目指すスーパースター、世界選手権3連覇の実績を持つペテル・サガン(トタルエネルジー)
そして自分の予想がこちら。
E3サクソバンク・クラシック予想
— kiwa (@kiwa2408) March 25, 2022
本命:ワウト
対抗:ピーダスン
穴:ポリッツ
大穴:ビッセガー
べノートとラポルトという強力な両翼を得たワウトが大本命すぎる
トレックは誰にするか迷った…
ポリッツは期待枠
ビッセガーはスタートリストを見ていて何故かビビッと来た#GCNjapan #E3SaxobankClassic
素直に大本命のファンアールトを予想。
大穴のシュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・イージーポスト)に関しては、最初はシュテファン・キュング(グルパマFDJ)を選ぼうとしたけれども、抜け出せるイメージが湧かなかったので、よりパンチ力のあるビッセガーをチョイス。
レース開始直後、ユンボのトッシュ・ファンデルサンドが落車のためリタイアとの報が入ってくる。
ファンアールトは貴重なアシストをいきなり失う格好だけれども、果たしてレース展開にどんな影響が出るか…。
序盤はなかなか逃げが決まらなかった(あまり逃げたがる選手がいなかった?)みたいだけれども、レースが動く中盤に入る前に7人の逃げが形成される。
トタルエネルジーはダニエル・オスを逃げに乗せるという意外な策に出る辺り、まだサガンが本調子ではないのか…?
レースが動き始めたのは残り80kmから始まる石畳の登り坂「ターイエンベルグ」から。
ユンボがネイサン・ファンホーイドンクの牽引で集団のペースを上げると、そのままファンアールトがアタック!
え?
もうここでファンアールト!?
早っ!!
しかも、後ろにはしっかりとティシュ・ベノートとクリストフ・ラポルトを従えている…!!
このユンボによる強力な「先制パンチ」に反応できたのは…アスグリーン、ストゥイヴェン、モホリッチ、キュングの4人のみ!?
いきなり強力すぎる集団が出来上がってしまったぞ。
このそのまま勝負を決めかねない7人は、ターイエンベルグ突入前には1分先行していた逃げ集団をあっと言う間に吸収。
後方の追走集団を積極的に牽くのはイネオス・グレナディアーズの選手達。
タイム差は30秒程、まだ諦めるには早すぎる。
残り71.9km、先頭集団ではユンボが数の利を活かして、ベノートによるアタックを仕掛ける!
流石にベノートの飛び出しをライバルはスルー出来ず、チェックせざるを得なかったアスグリーンは脚を使わされる。
残り70.3kmでは、再びベノートがアタック。
すぐさまキュングが追いかけて吸収するけれども、逆にその背中にはラポルトがしっかりと張り付いていて、ユンボとしては狙い通りの動きが出来ている。
一方その頃、メイン集団は相変わらずイネオスが牽引。
ルーク・ロウという経験豊富な選手に混じって、マグナス・シェフィールドやベン・ターナーといった若手がしっかりと働いている辺りが、今のイネオスの文字通り(そして2つの意味で)新たな強さだ。
残り62.5kmから始まる石畳の登り坂「エイケンベルグ」に入ると、メイン集団からヨナタン・ナルバエス(イネオス)が飛び出して先頭へのジャンプを試みる!
この動きに追随できたのは、ディラン・ファンバーレ(イネオス)、フロリアン・セネシャル(クイックステップ)、ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)、アントニー・テュルジス(トタルエネルジー)、ヴァランタン・マデュアス(グルパマ)などに加えて…マイク・テウニッセン(ユンボ)。
この動きで、ユンボ以外にもクイックステップ、グルパマ、イネオスの3チームが先頭に複数の選手を送り込む事に成功(トタルエネルジーも一瞬2人になったけれども、オスが脱落)。
ただし、ここまで盤石のレース運びを見せているユンボがテウニッセンも加えて、なんと4人も先頭にいる圧倒的有利な態勢に。
残り43.4km、重要な勝負所である「パテルベルグ」の直前というタイミングで、なんとセネシャルがパンクで脱落してしまう。
クイックステップ、これは痛恨すぎる…。
残り42.5kmから始まる石畳の激坂「パテルベルグ」に突入すると、ファンアールトが猛然とアタック!!
ついて行けるのは…なんとチームメイトのラポルトのみ!?
そのまま2人は力強く踏み続けて、ファンアールトとラポルトが完全に抜け出す事に成功!!
まさか…このまま2人で行ってしまうのか!?
置き去りにされた集団は…ベノートによるローテーション阻害もあって、イマイチ協調し切れない。
しばらくは20秒差ほどで先頭の2人を追いかけていたけれども、次第にそのタイム差は開いていく…。
残り30km、タイム差は30秒。
残り25km、…え、約1分!?
残り20km、1分10秒、あぁ…もう諦めモードだ。
これは、もうトラブル以外では縮まる要素が無い。
大本命のファンアールトが、頼れる相棒ラポルトと共にフィニッシュ地点へやってくる!
最後は2人で肩を組んでのフィニッシュ!!
ユンボによる完全制圧!!
ファンアールトの個の力を活かしつつ、ラポルトとベノートを中心としたアシスト陣の見事な働きで全てを思い通りに運んで見せた!!
昨年までのファンアールトは勝負所で1人になる事が多くて、その強大な力が故に徹底マークを受ける事になってなかなか勝ち切れなった。
でも、今年は違う。
先日のオムループ・ヘット・ニウスブラッドでもそうだったように、強力なアシスト陣が素晴らしいサポートを見せてくれて、ファンアールトがその力を存分に発揮できるシチュエーションに持ち込んでくれる。
これは、悲願のロンド・ファン・フラーンデレン制覇、そしてパリ~ルーベ制覇が、かなり期待できるのではないだろうか。
4月3日のロンド・ファン・フラーンデレン、4月17日のパリ~ルーベ。
今から楽しみだ!
それでは、また!!