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【レース感想】ラ・フレーシュ・ワロンヌ2021

「激坂王」の称号

アルデンヌ・クラシック2戦目は、激坂「ユイの壁」フィニッシュが特徴的なラ・フレーシュ・ワロンヌ。

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「ユイの壁」で勝敗を決する「激坂王選手権」を制するのは誰になるのか!

 

期待が高まってきたレース開始直前、残念なニュースが飛び込んでくる。

昨年の優勝者マルク・ヒルシやタデイ・ポガチャルといった有力選手を擁するUAEチームエミレーツが、選手とスタッフから新型コロナウィルスの陽性反応が出たために未出走に

チーム力と個人の力、どちらも強力な優勝候補の一角だっただけに残念すぎる…。

 

ただ、それでも多くの激坂ハンターが名を連ね、主な注目選手はこんな感じかな。

  • 2018・2019の覇者、世界王者のジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ
  • 歴代最多の5回優勝、ユイの壁を知り尽くしているアレハンドロ・バルベルデ(モビスター・チーム)
  • シクロクロスからの新たな刺客、身軽さと高出力を兼ね備えたトム・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ
  • 新たな激坂巧者、昨年2位のブノワ・コスヌフロワ(AG2Rシトロエン
  • 陸上競技仕込みの高出力が魅力、昨年3位のマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)
  • 総合系ながらパンチ力も兼備、今シーズンも好調のプリモシュ・ログリッチ(チーム・ユンボ・ヴィスマ)

 

そして自分の予想がこちら。

手堅くアラフィリップを本命にしつつ、大ベテランのバルベルデに期待した予想をしてみる。

 

室内バスケットコートという、珍しい地点からレースはスタート!

この日の逃げは8人、メイン集団とのタイム差は最大で5分以上。

中盤以降の周回コースに入ると、メイン集団はドゥクーニンク、イネオス、モビスター、イネオス辺りが中心となってペースアップを図り、徐々に逃げとの差を詰めていく。

 

2度目のユイの壁で、メイン集団ではアタックが掛かったためにペースが上がり、アタックは吸収されたものの集団の人数はグッと減っていく。

また、最後(3度目)のユイの壁に向かう平坦区間で落車が発生し、優勝候補の1人であるピドコックが巻き込まれてしまう…。

集団には復帰できたけれども、どうやらシューズを交換するぐらいのダメージはあった模様。

 

残り12km、人数を減らしていた逃げ集団から、マウリッツ・ラメルティンク(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)が単独で抜け出しに成功!

メイン集団からもティム・ウェレンス(ロット・スーダル)などが飛び出して先頭を追いかけるも、この追走集団はペースを上げたメイン集団に飲み込まれてしまう。

ラメルティンクの1人逃げとメイン集団という構図で、いよいよユイの壁が近づいてくる。

 

ユイの壁の登坂入り口辺りで、逃げていたラメルティンクも遂に吸収され、いよいよレースは佳境に突入!

ラメルティンク吸収とほぼ同時に、ミケルフレーリク・ホノレ(ドゥクーニンク)とヤン・トラトニック(バーレーン・ヴィクトリアス)が飛び出すも、メイン集団はもちろんペースを上げてすぐさま吸収。

そして、遂に急勾配区間が始まろうとしている。

 

集団の先頭はイネオスのミハウ・クフィアトコフスキ、急勾配区間に入り各チームのエース、アラフィリップ、コスヌフロワ、ログリッチバルベルデ、ピドコックなどが前方にポジションを上げてくる。

 

残り350m、真っ先に仕掛けたのはログリッチ

ユイの壁でこの位置からのアタックは早すぎる気もするけれども…お構いなしに勢いよくペダルを踏んでいく!

 

残り300mから加速を開始したのは、アラフィリップとバルベルデの新旧激坂王コンビ!

集団はこの2人に付いていけない!

しかし、先頭のログリッチも勢いがなかなか衰えない!

 

残り200mを過ぎると、アラフィリップが更に加速!

バルベルデを置き去りにして、そのままログリッチの後輪を捉える!!

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残り100mを切り、勾配が少し緩くなるフィニッシュ直前で余力を残していたのはアラフィリップ!!

現役最強の「激坂王」はもう一段階加速して、ログリッチを抜き去っていく!!

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アラフィリップが3度目となるフレッシュ・ワロンヌ制覇!!

アルカンシェルを誇示し、そして指を立ててのフィニッシュシーン、カッコ良すぎる!!

仕掛け所を完全に分かっているアタックの切れ味は、やはり誰にも止められない!!

そして、このアラフィリップの勝利の直後、「アラフィリップ」がまさかのTwitterトレンド入り!

平日のレースなのにこれは凄いな…!

やはり、アラフィリップの走りは人の心を惹きつける「何か」があると、改めて実感する出来事だった。

 

惜しくも2位に終わってしまったログリッチも驚異的な走りというか、並の選手ならあの位置からのアタックだと最後はもっと勢いを失って、後続のバルベルデやウッズに抜かれてしまう可能性もあったと思う。

アラフィリップが強すぎたけれども、ログリッチもかなり規格外な走りだったよね。

 

そして、規格外と言う意味では、3位に入ったバルベルデも凄かった。

御年40歳、今シーズン限りでの引退(1年延ばすって噂も出てるけど)を表明している大ベテランとは思えない、続くリエージュ~バストーニュ~リエージュ(しかもこの日が41歳の誕生日)で史上最多タイとなる5勝目も十分あり得ると思わせる、素晴らしい走りだったと思う。

 

 

アラフィリップとバルベルデの「新旧激坂王」にログリッチも交えてのユイの壁決戦は、期待に違わぬ激戦で本当に面白かった!

自分の力を信じて早めに仕掛けたログリッチと、そしてこちらも自分の力と経験を信じて仕掛け所を分かっていたアラフィリップとバルベルデという2人との対比は、とても印象的で興味深い。

ラ・フレーシュ・ワロンヌの、ユイの壁の魅力が凝縮された熱いレースをありがとう!

 

そして余談というか、ここでまた自分の予想の振り返りを…。

本命:アラフィリップ → 1位!

対抗:バルベルデ → 3位

穴:ウッズ → 4位

大穴:ピドコック → 6位

アラフィリップの優勝が的中、そして残りの3人も上位と、アムステルゴールドレースに続いて驚きの結果に!

なんだなんだ、このままリエージュ~バストーニュ~リエージュも優勝を当てて、まさかの「アルデンヌ・クラシック3連勝」なるか!?

…こうやって調子に乗ると大外ししそうな気もするけれども、また予想も楽しみながらやっていきたいね~!

 

それでは、また!

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