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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2024 第4ステージ

なんというスプリント…!

第4ステージは、コース中ほどに3級山岳があるけれども、その後は下りを経てから平坦基調なので、集団スプリントになりそうなレイアウト。

ただ少し気になるのは、前日同様にフィニッシュ直前に登坂距離1.5km・平均勾配5.1%の小さな起伏…ミラノ~サンレモにも登場するカーポ・メーレが設定されていること。

もしかしたら、また誰かが動くかも…?

 

この日の逃げは、元個人タイムトライアル世界王者であるフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)や、連日積極的な動きを見せているリリアン・カルメジャーヌ(アンテルマルシェ・ワンティ)を含んだ4人。

対するメイン集団は、ポイント賞首位のティム・メルリールを擁するスーダル・クイックステップが牽引。

独走力に長けたガンナを警戒してか、スーダルは逃げ集団に1分20秒ほどのタイム差しか許さない。

と思っていたら、ガンナは途中で逃げから離脱して、メイン集団に戻ることを選択。

その意図はよく分からなかったけれども、これによって先頭集団…カルメジャーヌ、ステファン・デボット(EFエデュケーション・イージーポスト)、フランシスコ・ムニョス(ポルティ・コメタ)の3人は、メイン集団から「許しを得て」、タイム差を5分ほどにまで拡大していく。

 

この日唯一のカテゴリー山岳(3級)は、カルメジャーヌがしっかりと先頭通過して、順調に山岳ポイントの積み重ねに成功。

一方のメイン集団は、ヤン・トラトニック(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)が先頭に立ってハイペースを刻み、登坂が苦手なスプリンターをふるい落としに掛かる。

早々にメイン集団から遅れていったのは…ファビオ・ヤコブセン(チームDSMフェルミニッヒ・ポストNL)、しばらくするとフェルナンド・ガビリア(モビスター・チーム)なんかも遅れていく姿が映し出されている。

この2人はその後の下りを経て集団に復帰したけれども、スプリントする脚への影響はどのくらいか…。

そして3級山岳を越えてからの下り区間では、ベン・オコーナー(デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル)やビニアム・ギルマイ(アンテルマルシェ)を巻き込んだ落車が発生。

少しダメージが大きそうでリスタートに時間がかかったギルマイは、集団復帰を焦ったのか直後にもう一度落車してしまい、結局そこでリタイアを選択することに…。

前日もステージ3位と調子が良かっただけに、残念だ…。

 

スプリントに向けてスピードを上げていくメイン集団は、残り4.5kmで逃げを吸収。

そしてその直後、ここで奇襲を仕掛けたのはイネオスの赤いジャージ…ガンナだ!!

すぐさま5秒強のギャップを生み出したガンナ、後方の集団から数人の追走が飛び出すけれどもこれは届かない。

…ガンナ相手だと、単発の追走ではなく、しっかり協調しないと危うくないか?

と思っていたらやはり、カーポ・メーレの起伏を越えてからリドル・トレックのアシスト陣が強力な牽引を見せて、残り1kmで3秒差とガンナを「射程圏内」に捉える!

残り1kmを切ってからも、ジョナサン・ミランを引き連れたシモーネ・コンソンニによる、鬼の一本牽き!

ガンナを飲み込み、残り500m!

最後の力を振り絞るコンソンニの横に並んできたのはクリストフ・ラポルト(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)、その後ろにはしっかりエースのコーイが控えている!

残り200m、コーイとミランがほぼ同時にスプリントを開始!

メルリールも位置を上げてきて追いすがるけれども、脚を使ってしまったのかこれは伸びが足りない。

残り100mでコーイも失速、そして競り合いの後ろに控えていたカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)が猛追を仕掛けるけれども…。

真っ先にスプリントを仕掛けたはずのミランが失速しない!!

そのまま力強くフィニッシュラインまで突き抜ける!!

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ミラン、素晴らしい伸びを見せての快勝!!

これでミランは2年連続ステージ勝利、そしてポイント賞トップに躍り出た!!

いや~!

これは強い勝ち方!!

コンソンニの猛牽引から、最後はコーイと真っ向勝負になったけれども、トップスピードの持続時間でねじ伏せた!!

実は個人的には、ミランは十分に強いと思いつつ、経験が浅いこともあって「まだトップ選手と認めるには色々と足りないんじゃないの…?」なんて思っていたんだけれども…。

これは認めざるを得ないね…、ミランはとんでもなく強い!

その強さの源泉はやはり、その大柄な体格を生かしたパワフルな走り…って、何だこのとんでもない走行データは…。

最大出力1940W、最高速度75.4km/h…!?

この化け物じみた出力の選手が、百戦錬磨の名リードアウターであるコンソンニから発射されるとか…そりゃ強いって。

2年連続のポイント賞獲得も、十分あり得そうだ。