2級山岳を存分に活用するスプリンター
第3ステージは、フィニッシュの39km手前に2級山岳が登場する、丘陵ステージ。
登坂距離10.5km・平均勾配7.4%という2級山岳のプロフィールは、ピュアスプリンターはまず間違いなく脱落するであろう、結構厳しいものだ。
6名の逃げをコントロールしながら、メイン集団を牽引するのはリドル・トレック。
第1ステージと同じく、破格の登り耐性を持つマッズ・ピーダスンによるスプリントに持ち込むために、コース中盤の4級山岳、そして終盤の2級山岳で容赦なく攻撃を仕掛け続ける。
オラフ・コーイ(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)、サム・ベネット(デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル)、カーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)といった第1ステージでも登りで遅れた選手だけでなく、2級山岳ではワウト・ファンアールト(ヴィスマ)さえも脱落させることに成功。
登坂で一旦は遅れたコービン・ストロング(イスラエル・プレミアテック)が、アシストの尽力によってなんとかメイン集団に復帰したけれども、果たして脚はどれだけ残っているのか。
最終スプリントの局面、やはりリドルは目論見通りピーダスンでのスプリントに向けて万全の構え、なんと先頭を牽くのは総合エースのジュリオ・チッコーネ!
チッコーネから牽引のバトンを引き継ぐのはヤングライダージャージを着るマティアス・ヴァチェク、そしてその後ろにはポイント賞ジャージを着るピーダスンがしっかりと控えている!
そしてストロングが単騎で位置を上げてきて、ピーダスンの背中に貼り付く格好に。
残り200m、ピーダスンがスプリントを開始!
そのままフィニッシュまで一気に…かと思いきや、ここからストロングが驚異の追い上げ、残り50mでピーダスンの横に並びかけてくる!!
これは意外と際どいぞ…!!
接戦を制したのは、ピーダスン!!
3ステージ目で早くも2勝と、最高の滑り出し!!
またしてもチームメイトの素晴らしいアシスト、そしてしっかり応えるピーダスンという、最高の流れでの勝利。
まさか、チッコーネがスプリントトレインを担うとは…。
ファンアールトの調子が上がっていないこともあり、このままポイント賞争いは独走態勢か?
そしてピーダスンは、フィニッシュでのボーナスタイム加算により総合首位に返り咲き、マリアローザを1日で奪還。
まあ、プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)としても、早すぎる段階でのマリアローザ着用は負担になるだけなので、この展開は完全に想定通りのはず。
移動日を1日挟んでから迎えるイタリアの地で、総合勢はどこから動いてくるのか、そしてピーダスンはどこまでジャージをキープできるのか。
ここから本格化していくであろうここからのジロ、本当に楽しみだ。