早くもハットトリック!
第5ステージは、残り28km地点に4級山岳、残り11kmにもカテゴリーのつかない登坂、残り3kmからは最大勾配10%の短い急坂、そして最後は緩い登りフィニッシュと、パンチャーや登れるスプリンター向けなレイアウト。
そうなるとステージ優勝の最有力候補は、ここまでステージ2勝を挙げている現役屈指の登れるスプリンター、マッズ・ピーダスン(リドル・トレック)。
リドルは当然、4級山岳でアシストを動員してペースを上げ、オラフ・コーイ(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)やカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)やカスペル・ファンウーデン(チーム・ピクニック・ポストNL)といった、ピュアスプリンターを排除していく。
残り2.5km、10%の急勾配区間でペースを上げたのは、なんとプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。
流石に総合勢のライバルを千切るような「本気のアタック」ではなかったけれども、ピーダスンで勝負したいリドルとしては放置する訳にもいかず、マティアス・ヴァチェクがすぐさま反応して潰しに掛かる。
ヴァチェクはそのまま先頭に立ち、余計なアタックを封じるためにハイペース牽引を敢行…って、ペースが速すぎて背中に引き連れていたピーダスンが千切れているぞ…!?
起伏の頂上を越えて残すは1.5km、ピーダスンは30番手ぐらいにまで位置を下げていて…ここから勝負できるのか?
残り1km、若干ペースが緩んだこともあり、じわじわと集団前方へ上がっていくピーダスン。
残り700mのコーナーを巧みに利用して、3番手にいたヴァチェクとのドッキングに成功…!!
残り500m、ヴァチェクが再び先頭に出て、最終リードアウトを開始!
残り200m、ピーダスンがスプリントを開始、脚は残っているのか…!?
ピーダスンの背中を捉えていたトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング)がじわじわと追い上げる!
そしてフェンス際からはエドアルド・ザンバニーニ(バーレーン・ヴィクトリアス)が猛追を見せる!!
最後はハンドルの投げ合い…!!
ガッツポーズができないほど疲弊しながら、それでも勝ったのはピーダスン!!
これで、早くも今大会3勝目…!!
ヴァチェクから千切れたときはどうなる事かと思ったけれども、あそこからしっかり集団先頭に戻ってきて、そのまま勝ってしまうとは…。
相変わらず恐るべし、ピーダスンのタフネス。
まだ5ステージが終わっただけなので断言なんてできないのは承知の上で、「ポイント賞はピーダスンで決りでしょ」と言いたくなってしまうような強さだ。