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【レース感想】ジロ・デ・イタリア2025 第5ステージ

早くもハットトリック

第5ステージは、残り28km地点に4級山岳、残り11kmにもカテゴリーのつかない登坂、残り3kmからは最大勾配10%の短い急坂、そして最後は緩い登りフィニッシュと、パンチャーや登れるスプリンター向けなレイアウト。

そうなるとステージ優勝の最有力候補は、ここまでステージ2勝を挙げている現役屈指の登れるスプリンター、マッズ・ピーダスン(リドル・トレック)。

リドルは当然、4級山岳でアシストを動員してペースを上げ、オラフ・コーイ(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)やカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)やカスペル・ファンウーデン(チーム・ピクニック・ポストNL)といった、ピュアスプリンターを排除していく。

 

残り2.5km、10%の急勾配区間でペースを上げたのは、なんとプリモシュ・ログリッチレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。

流石に総合勢のライバルを千切るような「本気のアタック」ではなかったけれども、ピーダスンで勝負したいリドルとしては放置する訳にもいかず、マティアス・ヴァチェクがすぐさま反応して潰しに掛かる。

ヴァチェクはそのまま先頭に立ち、余計なアタックを封じるためにハイペース牽引を敢行…って、ペースが速すぎて背中に引き連れていたピーダスンが千切れているぞ…!?

起伏の頂上を越えて残すは1.5km、ピーダスンは30番手ぐらいにまで位置を下げていて…ここから勝負できるのか?

 

残り1km、若干ペースが緩んだこともあり、じわじわと集団前方へ上がっていくピーダスン。

残り700mのコーナーを巧みに利用して、3番手にいたヴァチェクとのドッキングに成功…!!

残り500m、ヴァチェクが再び先頭に出て、最終リードアウトを開始!

残り200m、ピーダスンがスプリントを開始、脚は残っているのか…!?

ピーダスンの背中を捉えていたトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング)がじわじわと追い上げる!

そしてフェンス際からはエドアルド・ザンバニーニ(バーレーン・ヴィクトリアス)が猛追を見せる!!

最後はハンドルの投げ合い…!!

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ガッツポーズができないほど疲弊しながら、それでも勝ったのはピーダスン!!

これで、早くも今大会3勝目…!!

ヴァチェクから千切れたときはどうなる事かと思ったけれども、あそこからしっかり集団先頭に戻ってきて、そのまま勝ってしまうとは…。

相変わらず恐るべし、ピーダスンのタフネス。

まだ5ステージが終わっただけなので断言なんてできないのは承知の上で、「ポイント賞はピーダスンで決りでしょ」と言いたくなってしまうような強さだ。