世界中で大小さまざまな規模のロードレースが開催されていますが、大きく分けて
- ステージレース
- ワンデーレース
この2種類に分類する事ができます。
それぞれ違った魅力があり、観戦するに当たって押さえておきたいポイントも変わってきます。
前回の記事ではステージレースについて解説しましたが、今回はワンデーレースの基本的な部分について解説していきます。
※ステージレースの解説はこちら
ワンデーレース(One Day Race)
複数日の総合成績を争うステージレースと違い、その名の通り1日で決着をつけるのがワンデーレースです。
ステージレースでは毎年コースレイアウトが変わりますが、こちらはほぼ毎年同じコースレイアウトでレースを行うため、レースごとに必要とされる能力や有力選手がはっきりとしています。
また、ステージレースは各ステージの長さが概ね150Km~200Km程でしたが、ワンデーレースは250Kmを超える場合もあるほど設定距離が長く過酷になっています。
レース展開の特徴としては、「逃げ」が簡単に決まらない事が挙げられます。
ステージレースでは総合争いからタイムが大きく離れている選手、例えばトップと30分もタイム差があるような選手が先行して逃げた場合は、その選手がメイン集団より5分早くゴールしても総合優勝争いには全く関係無いので、逃げが最後まで容認されるケースがあります。
しかしワンデーレースの場合、当たり前ですが総合優勝も無ければ次のステージも無いので「今日は彼らに勝ちを譲ってもいいや」とはなりません。
有力選手が集団から抜け出そうとした場合、万が一大きな独走を許せば以降の展開で大きく不利になる(最悪の場合そのまま勝利を攫われる)ため、ライバルが必死に付いていき、その逃げを潰します。
もし、優勝を狙えるような有力選手がアタックした際にタイム差が開いてしまった場合、それは他の選手が付いていけなかったことを意味します。
そのため、各チームのエース同士は常にライバル選手の動向に目を光らせ、ステージレースとは違うヒリヒリとした緊張感を漂わせながらのレースになります。
ワンデーレースの中で歴史が古く伝統のあるレースをクラシックと呼び、その中でも特に格式の高い以下の5つをモニュメントと呼び、これに勝利する事はワンデーレースを狙う選手にとっての大きな目標となっています。
- ミラノ~サンレモ
「スプリンターズ・クラシック」又は「ラ・プリマヴェーラ(春)」
「クラシックの王様」
- パリ~ルーベ
「クラシックの女王」又は「北の地獄」
「ラ・ドワイエンヌ(最古参)」
「クライマーズ・クラシック」又は「落ち葉のクラシック」
また、毎年9月下旬に行われる世界選手権もワンデーレースとして開催されています。
他のレースと違い国別対抗で争うので、普段のチームメイトがライバルになったりして、これもまた熱いレースが展開されます。
これに勝利した選手は世界選手権優勝者の証として虹色のチャンピオン・ジャージである「マイヨ・アルカンシェル」が贈られ、翌年の世界選手権までの1年間それを着用する事が出来ます。
※2019年の優勝者マッズ・ピーダスン
ステージレースと違うワンデーレース独特の緊張感、ハマると病みつきになること間違いなしです。
一日に懸ける熱い走りをしっかりとその目に焼き付けましょう!