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【選手紹介Vol.9】ニルス・ポリッツ

覚醒間近の石畳巧者

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選手名:ニルス・ポリッツ(Nils Politt)

所属チーム:イスラエル・スタートアップネーション

国籍:ドイツ

生年月日:1994年3月6日

脚質:タイムトライアルスペシャリスト・ルーラー

 

主な戦歴

 ・パリ~ルーベ

 2位(2019)、7位(2018)

ロンド・ファン・フラーンデレン

 5位(2019)

・E3 ビンクバンク・クラシック

 6位(2019)

・ドイツ・ツアー

 総合2位(2018)、ステージ1勝(2018)

・ドイツ選手権 個人タイムトライアル

 2位(2019)、3位(2016、2017)

・ドイツ選手権 個人ロードレース

 4位(2017、2019)

 

どんな選手?

石畳の上で輝きを発揮する、長身のタイムトライアル(TT)巧者。

 

U23(23歳以下)カテゴリーの頃はドイツ国内では別格の存在で、U23のドイツ選手権では個人TTで2013年2位、2014年1位、2015年2位、個人ロードレースでも2015年に1位と圧倒的なリザルトを残す。

2015年の途中からワールド・チームのカチューシャ・アルペシンのトレーニー(練習生)としてレースに出場していたが、その実績が評価されて2016年からは正式契約を勝ち取る。

契約初年度の2016年は勝利こそなかったものの、22歳ながらエリート(全年齢)カテゴリーで出場したドイツ選手権の個人TTでは3位に入賞と、その能力はトップクラスにあると証明する事に成功して、世界選手権のチームTTのドイツ代表メンバーにも選出された。

2017年はドイツ選手権の個人TTで2年連続の3位のみならず、個人ロードレースでも4位の好成績、2018年はドイツ・ツアーの最終ステージで念願のプロ初勝利を飾るなど着実に力を付けてきた。

 

そして2019年、その能力がフランドル地方の過酷な石畳の上で行われる「フランドル・クラシック」で開花する。

フランドル・クラシック(又は北のクラシック)は、フランドル地方の荒れた石畳の上を走るクラシックレースの総称で、その悪条件な路面の影響で高難度のレースとして名高く、これまで数々の名勝負が繰り広げられてきた。

また、ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ~ルーベという2つのモニュメント(ワンデーレースの最高峰と言われる5つのレース)を含む事も相まって、とても高い人気を誇っている。

この注目度の高いレース群で、決して戦力に恵まれている訳では無いカチューシャというチームに所属しながらもポリッツは孤軍奮闘を見せる。

 

まずはロンド・ファン・フラーンデレンの前哨戦とも言える3/29のE3 ビンクバンク・クラシックで6位の好成績を残すと、続く4/7のロンド・ファン・フラーンデレンでも5位と安定した成績を残す。

そして4/14、「北の地獄」ことパリ~ルーベでは、優勝候補と言われたペテル・サガンやワウト・ファンアールトさえも脱落するような過酷なレース展開の中を生き残り、現役屈指のクラシックスペシャリストであるフィリップ・ジルベールと優勝争いを演じる。

最後は経験の差もあり惜しくも2位に終わるが、相手を考えればそれは致し方のない部分もあるだろう。

その力走は多くの人にインパクトを残しただけではなく、E3やロンドでも成績を残したその安定した力は、ポリッツが本物のクラシックライダーとしての能力を備えている事を証明するものだった。

 

2020年シーズンはカチューシャの消滅(というか実質吸収合併)により、ワールドチームへと新規昇格を果たしたイスラエル・スタートアップネーションと契約。

新天地ではもちろん、北のクラシックを中心としたワンデーレースでの大黒柱としての活躍が期待されている。

ポリッツ本人も2019年シーズンに躍進したとはいえ、実は勝利は挙げられないまま終わってしまった1年間ではあった。

2019年をキャリアのハイライトにする訳にはいかないのは本人も勿論理解しているだろうし、ファンも期待をしている。

新たな時代の石畳の王者として、本当の覚醒の時はきっと来るはずだ。

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