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【レース感想】ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 第1ステージ

金色に輝く王者の走り

今シーズン最後のグランツールブエルタ・ア・エスパーニャが遂に開幕!

プリモシュ・ログリッチ(チーム・ユンボ・ヴィスマ)が3連覇を達成するのか、エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)が最年少での全グランツール制覇を成し遂げるのか、それとも他のライバルが頂点に立つのか、今回のブエルタは本当に面白くなりそうな予感がしている。

 

第1ステージは、ブルゴス大聖堂発着となる7.1kmの個人TT

序盤の登り、中盤のダウンヒル、そして終盤の平坦区間と、ちょっと求められる脚質が見えにくいプロフィールな気がする。

 

まず好タイムをマークしたのは、総合勢としては珍しく序盤での出走を選択したアダム・イェーツ(イネオス)。

アダム・イェーツはイネオス移籍以降、個人TTの実力と安定感がかなり増しているから、これは最終日も含めて期待できるでしょ。

 

ほどなくしてそのアダム・イェーツのタイムを更新したのは、同じくイネオスのディラン・ファンバーレ。

イネオスを支える万能型平坦アシストのファンバーレ、今大会も色々な局面で先頭を牽く姿が見られそうだ。

 

このファンバーレのタイムを更新してトップに立ったのは、アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック)。

パンチャー的な脚質のアランブルが個人TTで好走を見せるのは正直言ってかなり予想外だったけれども、このアランブルのタイムを更新する選手がなかなか現れないまま時間が過ぎていく。

 

最序盤に出走したアダム・イェーツのタイムが未だにトップのままだった中間計測のタイムは、134番出走のルイ・オリヴェイラUAEチームエミレーツ)、そして138番出走のセップ・クスが更新。

クスの中間計測タイムは最後まで誰にも抜かれることは無く、クスは2年続けてブエルタ初日に山岳ジャージを獲得する事に。

ただ、オリヴェイラもクスもフィニッシュタイムではアランブルを抜く事は出来なかった。

という事は、登りを過ぎてからの走りが最終的なタイムに大きな影響を与えているという事か。

まあ、登り区間よりも下りと平坦の方がかなり距離があるから、当たり前と言えば当たり前ではあるかな。

 

残る選手もあと僅かという辺りで、ヤン・トラトニック(バーレーン・ヴィクトリアス)とヨセフ・チェルニー(ドゥクーニンク・クイックステップ)がかなりの良いタイムを出したけれども、アランブルを抜くには至らない。

このままアランブルのステージ勝利もありえるかという空気の中、最終走者としてこの日の大本命であり今大会総合優勝の大本命、ブエルタ2連覇中にして東京オリンピック個人TT金メダリストのログリッチが出走。

金色のヘルメットを被り、そして金色のTTバイクに跨るログリッチは、序盤の登りからその輝きに相応しい力強い走りを披露。

中間計測をクスから3秒遅れ、アランブルより4秒速い好タイムで通過すると、ダウンヒルを果敢に攻め、そして平坦区間も持ち前のTT力で突き進んでいく!

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最後までペースを崩さなかったログリッチはアランブルのタイムを6秒更新して、2年続けてのブエルタ第1ステージ勝利!

その金色の装飾に相応しい、流石の走りとしか言いようがない!

 

そしてステージ勝利だけでなく、総合争いでも大きなアドバンテージを獲得したログリッチ

主なライバルとのタイム差は以下の通り。

  • アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ、+14秒)
  • ロマン・バルデ(チームDSM、+17秒)
  • エンリク・マス(モビスター・チーム、+18秒)
  • アダム・イェーツ(+20秒)
  • ジャック・ヘイグ(バーレーン、+21秒)
  • ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン、+21秒)
  • ミゲルアンヘル・ロペス(モビスター、+21秒)
  • マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ、+22秒)
  • リチャル・カラパス(イネオス、+25秒)
  • ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、+27秒)
  • エガン・ベルナル(イネオス、+27秒)
  • ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、+33秒)
  • ラファウ・マイカUAE、+33秒)
  • ギヨーム・マルタンコフィディス、+33秒)
  • ミケル・ランダ(バーレーン、+39秒)
  • ルーカス・ハミルトン(チーム・バイクエクスチェンジ、+43秒)

う~ん、20秒差ぐらいまでの選手はまぁ「上手く纏めた」と言っていいのかな…?

そして最終日の長い個人TTを考えると、+30秒を超えたような選手は山岳で相当頑張ってタイムを稼がないといけない感じか…。

とは言え、まだ初日が終わっただけ。

ここからの激熱な展開に期待したい!