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【レース感想】ブエルタ・ア・エスパーニャ2022 第1ステージ

久しぶりのチームタイムトライアル

シーズン最後のグランツールブエルタ・ア・エスパーニャが開幕!

開幕から3日間はオランダでの開催、その第1ステージはグランツールでは3年振りとなるチームタイムトライアル

驚くほど真っ平なレイアウトの23.3km、いきなり総合争いが過熱しそうだ。

 

雨もぱらつく中、ブルゴスBHを先頭にいよいよ出走開始。

序盤の出走で好タイムを出したのは、ブルーノ・アーミライやマイルズ・スコットソンをメイン牽引役とするグルパマFDJ。

ただ、グルパマがホットシートを温める時間は長くは続かなかった。

 

9番出走で、この日の優勝候補の一角とも評されるチーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコがスタート。

総合エースであるサイモン・イェーツのための山岳アシストが極端に少なく、その代わりに平坦系ルーラーを数多く連れてきたこの編成は…やはり速い!

雨でスリッピーな路面状況だったので慎重にコーナーをクリアしつつ、中間計測で5秒、フィニッシュでは7秒グルパマを上回り、暫定首位の座に!

 

有力チームが固まって出走する終盤、天気は回復して路面はドライなコンディションに変化。

これは…終盤出走のチームが有利か?

 

そんな状況下で、トップタイムを更新してきたのはイネオス・グレナディアーズ

エース格のリチャル・カラパスとパヴェル・シヴァコフの2人はそこそこのタイムトライアル能力だけれども、イーサン・ヘイター、ルーク・プラップ、ディラン・ファンバーレ、カルロス・ロドリゲス、テイオ・ゲイガンハート、ベン・ターナーと水準以上の平坦巡航能力を有する選手を多く揃えるだけあって、終盤までペースが落ちない!

バイクエクスチェンジのタイムを、なんと18秒も更新に成功!

 

イネオスの次に出走したクイックステップ・アルファヴィニルも、レムコ・エヴェネプールにレミ・カヴァニャという屈指のタイムトライアラーを2枚揃え、残りの選手もジュリアン・アラフィリップを筆頭に水準以上の能力を備えていて、これもまた速い!

中間計測ではイネオスのトップタイムを3秒更新!

ただ、1人しか千切れなかったイネオスと違い複数の選手が千切れてしまったために、フィニッシュタイムは1秒届かず…。

 

最終出走は「大本命」のチーム・ユンボ・ヴィスマ。

世界選手権を2度制したローハン・デニスと東京五輪金メダリストのプリモシュ・ログリッチという絶対的なタイムトライアル強者を軸に、地元オランダの声援を浴びながらもの凄いペースでコースを駆けていく!

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なんと中間計測でイネオスを14秒も上回っている…!

その後もペースを崩さず、最終的にトップタイムを13秒更新してのフィニッシュ!!

隊列の先頭でフィニッシュラインを通過したのはエースのログリッチではなく…ベテラン山岳アシストのロベルト・ヘーシンクだ!!

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地元オランダ出身、そして16年間このチーム一筋のヘーシンクにマイヨ・ロホを獲得させるとは、これはなんとも粋な計らい…!

 

これでひとまず、グリッチが史上初の4連覇に向けてこれ以上ないほどの好発進に成功。

カラパス(+13秒)とエヴェネプール(+14秒)も、上手くいったと評していいかな。

サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ、+31秒)とジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、+33秒)も、まあ悪くはないと思う。

逆に、ベン・オコーナー(AG2Rシトロエン、+55秒)、EFエデュケーション・イージーポストのロゴベルト・ウラン、エステバン・チャベス、ヒュー・カーシー(+1分19秒)、アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオのルイス・メインチェス(+1分25秒)なんかは、いきなり結構大きなビハインドに…。

 

ただ、まだブエルタは開幕したばかり。

ここからどんな展開になっていくか、楽しみにしていたい。