圧巻の登りスプリント！！
公式には平坦カテゴリー、実際に多少のアップダウンもありつつ全体的には平坦基調なんだけれども、フィニッシュの登り勾配がなんとも悩ましいレイアウト。
ピュアスプリンターではなく、登れるスプリンターやスプリント系パンチャーの方がチャンスがあるんじゃない…？
この日の逃げは、ユリウス・ファンデンベルフ（EFエデュケーション・イージーポスト）、アンデル・オカミカ（ブルゴスBH）、ジョアン・ボウ（エウスカルテル・エウスカディ）と、何だか今大会の逃げでお馴染みのメンバーが3人。
一方のメイン集団は、トレック・セガフレード、チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコ、コフィディスといったスプリントで勝利を狙うチームが牽引を担う格好に。
逃げとのタイム差をあまり大きくは開かず、2～3分程度のタイムギャップでレースをコントロールしていく。
そのまま特に大きな動きが無いままレースは進み、残り15km地点の中間スプリントポイントは逃げの3人が通過した後に、メイン集団ではマッズ・ピーダスン（トレック）が先頭（全体4番手）通過をして、ポイント賞獲得への足固めを着実に進めている。
そしてそのまま、残り10kmを切った辺りで逃げは吸収されて、残すは問題の登りスプリントのみだ。
フィニッシュ地点であるモンティリャ市街地への登り勾配がよく分かる美しい風景が広がる中、気が付けば残り3km。
総合系チームが危険回避のために集団前方をキープし続けていたけれども、残り2kmを切って前方に出てきたのはアルペシン・ドゥクーニンクのトレイン、アシストが3枚にティム・メルリールという構え。
コフィディス、トレック、ボーラ・ハンスグローエ、UAEチームエミレーツ辺りは、エースを守るアシストが既に1枚のみか。
残り1.3km、外側から一気に位置を上げてきたのはチーム・ユンボ・ヴィスマの隊列。
マイク・テウニッセンでのスプリントではなく…どうやらプリモシュ・ログリッチに秒差やボーナスタイムを狙わせる、なかなか大胆な作戦のようだ。
残り1kmを切って直角コーナーを抜けると、いよいよ登り勾配が本格化！
もはや各チームほとんどアシストを残せていない、割と混沌とした状態になっている。
勾配が6%に達する区間で前に出てきたのは…ボーラのライアン・ミューレンか？（ちょっと自信がない…もしかしたらエキッポ・ケルンファルマの選手かも？）
その背後にはピーダスンが張り付き、更にパスカル・アッカーマン（UAE）が続く。
残り350mの左直角カーブ入り口でアッカーマンが先頭を奪うと、その出口というかなり早い位置からアッカーマンがスプリントを開始！？
なんという奇襲…！と思ったら、流石に仕掛けが早すぎて失速するアッカーマン（レース後に「最終コーナーからフィニッシュまで僅かだと思っていた」とコメント…）。
そのアッカーマンの動きをリードアウトのように使い、先頭に躍り出たのはピーダスン！！
アッカーマンが早い段階からトップスピードを出していた影響で、後ろとは少し距離が離れている！！
後方からはブライアン・コカール（コフィディス）が猛追を見せるけれども、ピーダスンは両腕を突き上げる余裕を見せてのフィニッシュ！！
登りスプリントで圧勝！！
ピーダスンがマイヨ・プントスに相応しい強さを見せつけて、ブエルタでは自身初となるステージ勝利！！
ピーダスンが登りスプリントに強いのは当然分かっていたけれども、ここまでの差を付けるとは！
今大会ここまで、3連続ステージ2位など惜しい場面が続いていただけに、しっかり勝ち切れたのは素晴らしい事だと思う。
そしてピーダスンは、ポイント賞争いで2位に151pt差を付けて首位を邁進中。
最大のライバルであったサム・ベネット（ボーラ）がリタイアした影響もあるとはいえ、これだけの走りを見せられているならマイヨ・プントス着用に何の不足もないと言っていいはずだ。
2019年の世界選手権に続くビッグタイトル獲得に向けて、このまま頑張って欲しい。
