三つ巴のスプリント!!
第17ステージは平坦基調…ならぬ下り基調、獲得標高300mというレイアウト。
今大会は各チームの消耗が激しくて、逃げを捕まえきれないステージが目立っているけれども、流石にこれは…集団スプリント間違い無しか。
スタート直後にトマ・シャンピオン(コフィディス)、セネ・レイセン(アルペシン・ドゥクーニンク)、ディエゴ・セビーリャ(エオーロ・コメタ)、チャーリー・クォーターマン(チーム・コラテック)が飛び出すと、そのまますんなり4人で先頭集団を形成する流れに。
メイン集団を牽引するのは、バーレーン・ヴィクトリアス、アスタナ・カザクスタンチーム、チームDSM、モビスター・チームといったスプリントチームのアシスト達。
先頭の4人に与えたタイム差は2分30秒ほどと、かなり少なめ。
やはり、各チームがあまり余力を残していないので、タイム差を与えすぎると吸収するのが大変という判断か。
残り114km地点の中間スプリントポイントは、真っ先に仕掛けたセビーリャが先頭で通過。
5番手争いとなったメイン集団では、ポイント賞ジャージを着るジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス)が先着に成功して、ジャージをがっちりキープしていく。
残り23km辺り、先頭集団とメイン集団のタイム差が約10秒にまで縮まると、先頭からレイセンが飛び出しを敢行。
残りの3人がそのままメイン集団に吸収されるのを尻目に、一時はリードを1分弱にまで広げて見せる。
ただ、メイン集団は慌てずにじわじわとペースを上げていき、残り5kmでレイセンをキャッチ。
久しぶりの集団スプリントに向けて、スピードと緊張感を増しながらフィニッシュに近づいていく。
残り3kmを切り、危険回避のために前方を維持していたイネオス・グレナディアーズが後方に下がっていくと、良い形を作ったのはDSM。
DSMが残り2kmの直角コーナーを抜けても隊列をキープするのと同時に、チーム・ジェイコ・アルウラーも隊列を組んで前方に上がってくる。
残り1kmを切って、DSMはアシストに守られたアルベルト・ダイネーゼが2番手と、絶好の形だ。
残り500m、ジェイコのマイケル・ヘップバーンがマイケル・マシューズを連れながら先頭を奪取!
その後ろにはシモーネ・コンソンニ(コフィディス)とダイネーゼ、そしてステファノ・オルダーニ(アルペシン・ドゥクーニンク)も別ラインで上がってくる!
残り200m、最高のリードアウトを受けたマシューズがスプリントを開始!
その背中を捉えるのはダイネーゼ、そして後方からは一旦位置を下げていたミランがもの凄い猛追を見せる!
残り50m、ダイネーゼがマシューズの横に並ぶ!!
そしてミランもまだまだ伸びてくる!!
最後は3人がハンドルを投げる大接戦…!!
写真判定の結果、数cmの差で勝利を掴んだのは…ダイネーゼ!!
地元ヴェネト州出身のダイネーゼ、昨年に続いてのジロでのステージ勝利!!
アシストの力を借りて脚を温存し、先頭をジェイコに奪われても冷静にマシューズの背後に入り、そしてしっかり差し切るスプリント力と、総合的な強さを見せつけた!
ここ数日は体調不良に苦しんでいたのが嘘のような走りだった!
そして惜しくも2位…今大会4度目のステージ2位となったミランは、勝利を掴めなかった悔しさを滲ませつつ、ポイント賞争いでは2位のデレク・ジー(イスラエル・プレミアテック)に94pt差を付ける独走態勢に。
この日もコーナーで位置を下げる「未熟」な部分を見せつつ、最後はとんでもない伸びでダイネーゼまで数cmの位置に迫ったその爆発力は、本当に驚くばかり。
何かトラブルさえなければポイント賞は「当確」、ここから2ステージは厳しい山岳ステージだけれども、どうか最後まで頑張って欲しい。