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【レース感想】ツール・ド・フランス2024 第4ステージ

まずは…ガリビエ峠

第4ステージは、標高2,642mを誇る超級山岳ガリビエ峠を越える、今大会最初の難関山岳ステージ。

ガリビエ峠は登坂距離23km・平均勾配5.1%というレイアウト以上に、空気が薄くなる標高と、山頂に近づくほど厳しくなる勾配が、間違いなく総合争いを勃発させる。

この今大会最初の「山場」で、「2022年の復讐」を誓うUAEチームエミレーツ…タデイ・ポガチャルは、その強力なメンバーを存分に活用した、まさに横綱相撲とでも言うべきプランを用意してきた。

 

集団を牽引して17人の逃げを捕まえる役割を担うのは、ドイツの現タイムトライアル王者ニルス・ポリッツ。

今シーズンからチームに加入したこの実力者は、今回のUEAにおける唯一の平坦牽引役としての責を十分すぎるほどに全うして、総合リーダーを抱えるEFエデュケーション・イージーポストと協力しながら、なんとガリビエ峠まで他のアシストを温存する驚異の牽引を披露。

そしてガリビエ峠に入ると、残りの6人のアシスト…ティム・ウェレンス、マルク・ソレル、パヴェル・シヴァコフ、アダム・イェーツ、フアン・アユソ、ジョアン・アルメイダという、ライバルチームが羨む豪華絢爛な山岳アシスト陣が、メイン集団を容赦なく攻撃する。

特に、登坂区間の終盤でアルメイダとアユソが見せたローテーションしながらの高速ペーシングは、とんでもない破壊力だった。

ペース走の達人アルメイダ、スペイン次世代の巨星アユソ、共にグランツール総合表彰台を経験している文字通り「エース級」選手による牽引は、メイン集団を粉々にしてしまった。

メイン集団に生き残っているのは、ポガチャル、アルメイダ、アユソの他に、ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム・ヴィスマ・リースアバイク)、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)、ミケル・ランダ(スーダル)、カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)、プリモシュ・ログリッチレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の、僅か5人のみ。

アシストを残せているのはスーダルのみと、ライバルをほぼ丸裸にする最高のお膳立てが仕上がっていた。

 

山頂まで残り800m、最後の仕上げは当然、ポガチャルによる必殺のアタック。

なんとかヴィンゲゴーが食らいつこうと試みるけれども、すぐさま千切られる。

山頂までの短い距離でポガチャルとヴィンゲゴーのタイムギャップは10秒、そしてその他のエースは更に後方。

そしてポガチャルは、そこからの長いダウンヒル区間で更なるタイム差を付けようと、かなり「攻めた」走りを見せる。

一方のヴィンゲゴーはややガス欠気味か、エヴェネプール、カルロス・ロドリゲス、ログリッチの合流を許し、小集団で追いかける格好に。

力強くペダルを踏みながら、観ているこちらの肝が冷えるようなコーナーの攻め方を見せたポガチャルは、徐々にそのタイム差を広げていく。

 

テクニカルかつハイスピードなダウンヒルを無事にクリアし、フィニッシュラインに向かうポガチャル。

1秒でもタイム差を多く稼ぐため、最後の最後まで踏み切ってから、力強くガッツポーズ。

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まずはガリビエ峠を制圧。

まずはステージ1勝、45秒という総合タイム差。

惚れ惚れするような、UAEのアシストの働き。

もはや当然のような、山頂でのアタックからの抜け出し。

ヴィンゲゴーがケガ明けで100%のコンディションではない可能性を考慮しても、そんなことは関係なくこの日はポガチャルが勝っただろうと言いたくなる、そんな勝ち方。

これがポガチャル、そしてUAEの力だ。

 

ただ、まだ第4ステージ。

まだ、1分にも満たないリード。

総合争いがどんな展開になるのか、楽しみにしていようではないか。